選手が目の前にいるかのよう! ARやVRを使った未来のスタジアム観戦とは

皆さんは普段どのようにスポーツ観戦を楽しんでいますか? 実際に競技場へ足を運んだり、テレビで観戦したりする人が多いと思いますが、近年ではこれまでとは違う観戦方法が登場してきました。
この記事をまとめると
- インターネットを通じてスポーツの試合を観戦できる機会が増えている
- ARやVRを活用した臨場感あふれる試合観戦も提供が始まっている
- ARやVRで得られる情報により、初心者でも競技に入り込みやすいメリットがある
インターネットによって広がるスポーツ観戦の楽しみ方
野球やサッカー、フィギュアスケートや格闘技などを中心に、スポーツの試合はこれまで地上波のテレビ番組を中心に放送されてきました。しかし最近では、地上波のテレビ番組だけでなく、インターネットコンテンツを介して視聴できるようになっています。スポーツの試合中継や配信で、多数のスポーツの試合中継を気軽に楽しめます。スポーツの種類も、野球やサッカーはもちろん、フットサルやサーフィン、スケートボードと多様化しています。
インターネットを通じて試合を観戦することで、好きな競技の試合をよりじっくり観戦できる他、これまで目にすることのなかった競技の試合にも触れるきっかけが増えました。
こうしたスポーツの試合中継や配信などが発展する中、競技場で観戦する意義や魅力が弱まってしまったかというと、そんなことはありません。最近では競技場でもスポーツ観戦をより楽しむための仕組みが開発されています。
ARやVRを活用して、よりリアルなスポーツ観戦が実現!
競技場で観戦を楽しむときに、目の前で競技が繰り広げられる緊張感や臨場感を味わいたいという人は多いと思います。そんな生の試合観戦の醍醐味をより味わうことができる仕組みが生まれようとしています。
株式会社NTTドコモでは、「ARライブ映像視聴システム」というAR(拡張現実)を利用したシステムを開発しました。ARは『Pokémon GO』などのゲームでもおなじみの技術ですが、ARライブ映像視聴システムは専用のスマートグラスをかけることによって、プレーの生中継映像はもちろんのこと、チームや選手のプロフィール、解説などを見ながら試合観戦を楽しめるというものです。
このシステムでは眼鏡のように装着したスマートグラスにチームや選手のプロフィールが表示されるため、試合から目を離さず、試合の関連情報を得ることができるメリットがあります。またリモコンなどで操作する必要はなく、目の前の映像を触って動かすようにして画面を拡大したり、動かしたりすることができるため、まるで未来のスポーツ観戦といえそうな画期的なシステムです。さらにスマートグラスに映る試合映像は観客席側だけでなく、選手目線の迫力ある視点からも観ることができるため、よりいっそう試合観戦にのめり込むことができそうです。
一方でKDDI株式会社でも、VR(仮想現実)を利用した「au VR Seat」を開発しています。これはVRゴーグルを装着することにより、競技場に響く歓声を味わいながら、スタンドからは観ることのできない視点の映像を体感できるというもの。好みのタイミングで視点を切り替え、選手のそばにいるかのような感覚を味わうことも可能です。
インターネットによってスポーツ観戦が身近になりつつある中で、このような競技場でのARやVRを活用した観戦が普及すれば、競技場でのスポーツの楽しみ方が大きく変わるかもしれません。
社会の中での情報技術の役割について考える「情報学」という学問
ARやVRを活用したスポーツ観戦は、チームや選手の情報を参考にしたり、試合を大迫力で楽しんだりすることができるため、競技に対して知識が少ない人でも競技の魅力に入り込みやすいというメリットがあります。競技場でのARやVRを活用した観戦が普及すれば、競技場に足を運ぶきっかけになるかもしれません。
このように私たちが暮らす社会の中で、ARやVRをはじめとした情報技術の役割について考えることは「情報学」という学問の学びにつながります。情報学の分野では、文系と理系の2つの視点を駆使し、コンピューターや情報システムの原理について学ぶだけでなく、私たちがテレビやインターネットなどを通して触れる情報についても考えていきます。これから情報技術がどんどん発展していく中で、社会と向き合うきっかけになる学問といえるでしょう。
今後ARやVRを活用したスポーツ観戦が広まれば、人々がスポーツに触れる意識にも変化が起きていくかもしれません。情報と社会の関係に興味を持った人は、ぜひ情報学を学んでみてはいかがでしょうか。
【参考文献】
NTTぷらら
http://faq.hikaritv.net/faq/show/3011?category_id=332&site_domain=default
AbemaTV
https://guide.abema.tv/posts/2681711
NTTドコモ
https://www.nttdocomo.co.jp/binary/pdf/info/news_release/topics/topics_171221_01.pdf
WOWOW
https://corporate.wowow.co.jp/news/info/3304.html
共同通信PRワイヤー
https://prw.kyodonews.jp/opn/release/201712169159/
au
https://www.au.com/information/topic/mobile/2017-082/
この記事のテーマ
「情報学・通信」を解説
情報通信産業には、通信業、放送業、情報サービス業、インターネット付随サービス業、映像・音声・文字情報制作業の5分野があります。近年は各分野の垣根が取り払われつつありますが、なかでも注目されているのが、インターネットに代表されるコンピュータを介した情報通信工学でしょう。高度に情報化が進んだ現代において、安全保障や経済政策はもちろんのこと、日常生活に至るあらゆるシーンで必要とされる、活躍の場の広い学問です。
この記事で取り上げた
「情報学」
はこんな学問です
情報学という学問名で、文系と理系の2種類の学問を表す。文系学問としては、人文・社会科学系の学問と連携し、社会システムのなかでの情報技術の役割や、マスコミュニケーションにおいての情報メディアの役割、国境を越えての情報コミュニケーションを研究テーマとする。理系学問としては、コンピュータのハードウェアやソフトウェア、情報システムが稼働する原理など、情報についての基礎となる分野を数学的手法によって研究する。