「おから」は資源なの?廃棄物なの? 前代未聞の「おから裁判」での判決は……!?

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「おから」は資源なの?廃棄物なの? 前代未聞の「おから裁判」での判決は……!?

2018.03.29

提供:マイナビ進学編集部

「おから」は資源なの?廃棄物なの? 前代未聞の「おから裁判」での判決は……!?

お味噌汁の具や冷ややっこなど、「豆腐」は私たちにとって大変身近な食材ですよね。この豆腐を作る過程で、あるものが副産物として大量に排出されていることを皆さんはご存じでしょうか。それが、大豆を搾る際に出る搾りカス、「おから」です。実は以前、このおからをめぐってある裁判が行われました。一体どのような内容だったのでしょうか。

この記事をまとめると

  • 「おから裁判」ではおからが「資源」か「廃棄物」かが争点になり、最終的に「廃棄物」であると判断された
  • 裁判からおよそ20年後の現在、おからは食材やバイオ燃料など、「資源」として活用される機会が増えてきている
  • おからの再利用が活発になった背景には、乾燥装置の登場など、科学技術の進歩があった

異議ありっ! おからは廃棄物なんかじゃない!

おから裁判で裁かれたのは、産業廃棄物処理の許可を持たないある業者。この業者は豆腐製造業者から有償でおからを収集し、飼料や肥料として再利用していました。

廃棄物処理法では、食料品製造過程で動物や植物から出た固形状の不要物は「産業廃棄物」であるとされています。おからが廃棄物ならば、産業廃棄物処理の許可を持たずに有償でおからを処理していたこの業者には、当然非があるように思えます。しかしこの業者は裁判で、「おからは廃棄物ではない」と主張しました。

「おからは食品や飼料として活用できる『資源』であり、『不要物(廃棄物)』ではない。つまり、取り扱いに産業廃棄物処理の許可は必要ない」、これが業者の言い分でした。一体おからは資源なのか、それとも廃棄物なのか。そこが争点の一つとなったこの裁判に判決が下ったのは、1999年のことです。食品として再利用されている割合が少ない、腐敗しやすいなどの理由から、最終的に「おからは廃棄物である」という判断が下されたのです。

裁判から20年。おからの再利用は進化した!

卯の花やあえ物など、皆さんもおからを使用した料理を口にしたことがあるのではないでしょうか。実はおからは、味もさることながら栄養面でも大変優れた食材なのです。カルシウムやカリウム、さらにはタンパク質も豊富。中でも食物繊維の数値は特に優秀で、便秘解消や腸内の健康維持に力を発揮してくれるのです。

豆腐作りの過程で生産されるおからの重さは、使用した大豆の1.35倍にもなります。なぜ重さが原料よりも増えているのかというと、大豆を水に浸す工程で大量の水分を含むからです。栄養豊富な食材がこれほど大量に生産されているのに、そのほとんどが廃棄物だなんて、もったいないですよね。

大量のおからをなんとか活用できないか……豆腐業界のこうした強い思いは、現在多くの商品として実を結んでいます。「おからクッキー」や「おからパウダー」といった商品は、スーパーでもよく見かけるようになりました。また、おからをバイオ燃料として再利用しようという研究も進められています。かつては廃棄物の烙印を押されたおからですが、およそ20年の時を経た現在、資源として改めて注目を集めているのです。

おからを資源に変えたのは、科学技術の進歩だった!?

1999年の裁判で指摘された、おからは腐敗しやすい、食品に使われている割合が少ないといった問題点は、現在大きく改善されつつあります。その理由は、おからを乾燥処理する技術の進歩です。

瞬間的に乾燥させることで劣化や腐敗を防ぐと同時に、粉砕して流通や貯蔵しやすい形に加工する。こうした機能を持つ高度な乾燥装置の登場により、腐敗しやすい、食品に使われないという問題点が解消されはじめたのです。もし次のおから裁判が開かれるようなことがあれば、おからは資源として認めてもらえるかもしれません。

おからをはじめとした廃棄物処理問題や環境問題に対し、科学の力で解決する学問が「環境工学」です。環境工学では科学技術を駆使し、環境保護やリサイクルなど、人と地球が共存する方法を幅広く研究することができます。日々の生活で何かを「もったいない!」と感じている方は、ぜひ環境工学を勉強してみてはいかがでしょうか。

【参考】
日本豆腐協会
「種類と製法」
http://www.tofu-as.com/tofu/index.html
「豆腐の健康効果」
http://tofu-as.com/health/01effect/02.html
「食品リサイクル法に係る発生抑制 」
http://www.maff.go.jp/j/council/seisaku/syokusan/recycle/haiki_h23_04/pdf/111202_data2-6.pdf

裁判所ウェブサイト 裁判例情報
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=50185
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/185/050185_hanrei.pdf

廃棄物管理の実務「食品廃棄物に関するよくある誤解」
http://www.ace-compliance.com/blog/news/140910colowide.html

DOWAエコジャーナル「「廃棄物とは何か」について」
http://www.dowa-ecoj.jp/houki/2014/20140901.html

FoodWatchJapan「おからは食品か産廃か」
(食品技術士センター副会長による記事)
http://www.foodwatch.jp/secondary_inds/soybeanclmn/35613

ホソカワミクロン株式会社「おから」
http://www.hosokawamicron.co.jp/jp/sector/64

静岡油化工業株式会社 事業案内
http://www.shizuokayuka.co.jp/business.html

この記事のテーマ
地球・環境・エネルギー」を解説

私たちの暮らす地球では、火山噴火、地震、台風、干ばつなど、人類にとっては有害な現象がいまも続いています。こうした現象を研究・解明し、うまく折り合いをつけていくことが必要です。また、豊かな生活を求めるあまり、限りある地球資源を枯渇させてしまったり、自然環境を破壊してしまうことは、人類の絶滅を意味します。こうしたことを防ぐためには、技術系の学問だけではなく、政治や行政などに関する幅広い知識も必要な分野です。

「地球・環境・エネルギー」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「環境工学」
はこんな学問です

環境工学は、人の経済活動と地球環境が持続的に良好な関係を保てるように、科学技術を用いる学問である。研究分野には、人と環境に配慮した住空間をつくるために、建築技術と環境学の双方からのアプローチを行う「建築環境学」、経済活動が環境に与える影響やごみ・リサイクルなど都市生活の快適性と環境保全の両立を研究テーマとする「都市環境学」、空気と水の循環を地球規模で捉えて汚染や災害のメカニズムを解明する「地球環境学」などがある。

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