表情が乏しい子どもが増えている! 語彙力が解消のカギに?

「ヤバい」「ウザい」「ムカつく」などのお決まりの言葉しか言わない子どもが増えています。細かい感情表現を使い分けず全て同じ言葉で済ませてしまうと、語彙(ごい)力だけでなくやがて感情や表情も乏しくなってしまいます。このようにならないために、気を付けることを紹介していきます。
この記事をまとめると
- 表情が乏しい子どもが増えつつある
- 「ヤバイ」「うざい」を多用する子どもは、語彙力と感情が乏しい傾向に
- 子どもの健やかな成長には、豊かな言葉の使用が役立つ
語彙力の低さと無表情の意外な関係
「表情に乏しい子が増えた」「子どもの表情から、考えていることが読み取れない」といった声が、教育者を中心に聞かれるようになりました。
このような子どもが増えている原因として、語彙(ごい)力の低下があるのではないかといわれています。
例えば、「つらい」「悲しい」「いら立つ」といった負の感情を表現する際、言葉を使い分けることをせず、「ヤバい」という言葉で片付けてしまう子がいます。しかし、多くの感情を全て「ヤバい」の一言で表現する癖が身に付くと、やがて語彙(ごい)が乏しくなり、自分の感情を的確に相手に伝えることができなくなってしまうのです。それと同時に、自分自身の細かな感情を把握することも難しくなります。
自分が今、悲しいのか悔しいのか、いら立っているのかを理解する前に「ヤバい」とひとくくりにしてしまうことで、子どもは自分の感情を自覚できなくなり、感情と表情の両方が乏しくなってしまうのです。
子どもが抱いている感情を言葉にしてあげることが大切
反対に、語彙(ごい)が豊かな子どもは自身の微細な感情も認識できるため、感情と表情がどちらも豊かになりやすいようです。
子どもが語彙(ごい)を増やしていくためには、大人や年長者の手助けが必要です。もし子どもが負の感情を感じていることが分かったら、「今はとても切ない気持ちなんだね」「その気持ちは、『悲しい』っていう言葉に当てはまると思うよ」などと声をかけ、子どもの気持ちを代弁してあげることが大切です。また、子どもがうれしそうなそぶりをみせたら、「楽しいね」「とっても感激しているんだね」と伝えてあげます。
このように感情と言葉をリンクさせる作業を繰り返すうちに、子どもは自分のさまざまな感情を理解できるようになるのです。
言葉の発達が、子どもの健やかな成長を促す
このように言葉と感情は深くつながっているので、言葉の発達が子どもの健やかな成長へと結びつくことが理解できると思います。
子どもの発達や健康と周囲の環境との関わりなどについて学ぶのが、児童学です。児童学を学ぶことで、子どもの発達や健康をサポートする仕事への道が開きます。「将来は子どもと関わる仕事に就きたい」「環境が子どもに及ぼす影響を知りたい」と考える人は、進学先で児童学を学んでみてはいかがでしょうか。
【参考サイト】
PRESIDENT Online
http://president.jp/articles/-/23725
すくコム NHKエデュケーショナル
https://www.sukusuku.com/contents/qa/17710
この記事のテーマ
「教育・保育」を解説
子どもの成長段階に応じたさまざまな保育・教育施設(保育園・幼稚園・小中高等学校・大学など)で、子どもたちを健康に成長させ、学習能力を高めるための教育方法を学びます。教育の歴史や教育理論、教育や保育に携わる専門職(教員や保育士など)になるための指導や手法を、実習を通して学びます。
この記事で取り上げた
「児童学」
はこんな学問です
乳幼児・児童の発達、教育、健康と周囲を取り巻く環境との関わりなどを研究し、発達支援に役立てるための学問。児童の発達について、心理学、文化論、保健、表現などの側面からさまざまにアプローチし、発達の基本的な性質を探り、よりよい支援の方法を追求する。保育士、幼稚園教諭、小学校教諭、特別支援学校教諭のほか、社会教育主事(任用)、認定心理士、司書などとして活動できる知識と技能を身に付ける。
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