【シゴトを知ろう】絵付師 編

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【シゴトを知ろう】絵付師 編

2018.02.05

提供:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】絵付師 編

江戸時代から石川県で作られてきた九谷焼は、1点1点丁寧に描かれた華やかな色絵が特徴です。この色絵を描く職人のことを絵付師といいます。

極細の筆を使って1mm以下の細い線を描く繊細な作業が多い九谷焼絵付の仕事を、30年以上にわたって続けてこられた高畠敏彦さんにお話を伺いました。

この記事をまとめると

  • 絵付師としての仕事の他、観光客向け絵付け体験の講師を務めている
  • 絵を描く仕事に就くことが夢だった。実現するために、働きながら技術を身に付けた
  • 繊細な図柄が多い九谷焼。時には息を止めて作業をすることも

大きな作品では、絵付けの完成までに10カ月以上かかることもある

金沢駅の待合室「百工の間」に飾られている高畠さんの作品。背景の黄地と力強い線で描かれた牡丹は九谷焼の伝統的な絵柄の一つ

金沢駅の待合室「百工の間」に飾られている高畠さんの作品。背景の黄地と力強い線で描かれた牡丹は九谷焼の伝統的な絵柄の一つ

Q1. 仕事の概要と一日のスケジュールを教えてください。

私の仕事は、自分の工房で九谷焼のベースとなる磁器に絵を描くことです。「九谷の五彩(ごさい)」と呼ばれる5つの色(赤・黄・緑・紫・紺青)を使って、本焼きした磁器の釉薬(うわぐすり*)の上にさまざまな絵や文様を描いていきます。

絵付けをしているのは、30分程度で完成する箸置きのような小さなものから、完成までに10カ月以上を要する鉢のように大きなものまで食器類が中心です。

また、土日は大抵、九谷焼を扱う専門店で観光客向けに行っている絵付け体験の講師をしています。

<一日のスケジュール>
06:00 自宅兼工房にて絵付け作業
12:00 昼食
13:00 九谷焼絵付け体験の指導のため店舗へ行って準備
14:00 絵付け体験の指導を行う
17:00 帰宅
18:00 夕食
19:00 工房にて絵付け作業
22:00 作業終了

*釉薬(うわぐすり):磁器の照りや色を出すために塗る薬品のこと。


Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?

普段は九谷焼を作る上での分業工程の一つとして、問屋や九谷焼専門店からの注文に応じた絵柄や万人に好まれるような絵付けをしていますが、年に数回は自分の好きなテーマで作品を作っています。その作品がお客さまの手に渡って喜んでいただけることが、絵付師としての大きな喜びですね。

絵付け体験の講師もとてもやりがいのある仕事です。ほとんどの方が九谷焼の絵付けは初めてなので、中にはいろいろと悩まれて絵付けに2、3時間かかる方もいらっしゃいます。そのような時、私のアドバイスが役に立ち、お客さまが満足のいく絵付けができて笑顔で帰られる時は私もうれしくなります。


Q3. 仕事で大変なこと・つらいと感じることはありますか?

絵を描くことが好きで、九谷焼の絵付けをしたくてこの世界に入ったので、大変なことやつらいことはあまりありません。強いて挙げるなら、工房で絵付けの作業をする時は基本的にずっと座りっぱなしなので体がなまってしまいますし、長年続けていると足腰が弱くなるのが気になります。

他には、工房にある窯に毎日火を入れていて、一人で作業することがほとんどなので、予定外の外出が難しいことですね。

下仕事からスタート。働きながら九谷焼の技術を学んだ

絵付け体験の講師の仕事では、参加者のレベルに合わせた的確なアドバイスが好評

絵付け体験の講師の仕事では、参加者のレベルに合わせた的確なアドバイスが好評

Q4. どのようなきっかけ・経緯でこの仕事に就きましたか?

高校卒業後に就いたのは、九谷焼とは全く関係のない仕事でした。体を壊して退職し、再就職する際に考えたのが、以前から興味のあった絵付けの仕事でした。

知人の紹介で九谷焼の問屋に勤めることになり、配達などの下仕事から始めて、1年たった頃、九谷焼を学べる専門学校へ週に1、2回通うようになりました。

そこで九谷焼の絵付けに関する専門的な技術を学び、卒業してから師匠となる絵付師の下で約20年間仕事をし、独立して工房を開き現在に至ります。


Q5. 専門学校では何を学びましたか?

私は1度社会に出てから学校に通い始めたので、働きながらでも通えるコースを選択しました。絵付けの基礎となる実習から、古九谷の写しや赤絵細描(*)など造形力や色彩センスに関わる内容まで、多くのことを学びました。

現在、私は絵付師として創作活動をしていますが、学校でロクロ実習をはじめ絵付けに限らず九谷焼の全てに関わる幅広い技術を学んだ経験が役立っています。


*赤絵細描(あかえさいびょう):九谷焼の伝統的な絵付け技法の一つ。赤い顔料を使って、細い線で緻密な絵や文様を描く技法のこと。


Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?

子どもの頃から絵を描くことが好きでしたが、九谷焼の絵付師になりたいとは思っていませんでした。ですが、高校生の頃も毎日のように絵を描いていましたから、将来、好きな絵を描くことが仕事にできたらいいなという漠然とした夢のような、憧れのようなものはありました。

ほぼ1日座って絵を描き続ける作業だが、絵が好きな人なら問題ない

Q7. どういう人が絵付師に向いていると思いますか?

絵付けは地味な仕事です。ほぼ1日座って作業をすることになりますので、そのような環境でも淡々と仕事を続けていける人が向いています。

また、赤絵線描など高い技術が要求される絵付けもあり、息を止めて作業をするほどの集中力が必要です。絵を描くことが何よりも好きで、繊細な作業が苦にならない人や集中力のある人なら絵付師に向いているといえます。


Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします。

最初の就職先は絵付けの仕事とは無関係の業界でしたが、その後、自分が大好きな絵を描く仕事に就くことができました。少し遠回りをしましたが、好きなことを仕事にできてとても良かったと思っています。

高校生の皆さんには、すぐに実現が難しい場合でも夢を持ち続けてほしいですね。


子どもの頃から大好きだったことを仕事として続けていくのは大変なことに思えますが、高畠さんのように夢をかなえて創作活動に打ち込めるのはとても幸せなことだと感じました。

陶磁器に描かれた絵柄には、驚くほど繊細で緻密なものがあります。絵を描くことが好きで、絵に関わることができる絵付けの仕事に興味がある人は、書籍やWebだけではなくぜひ実物を見て、線や色で人を感動させることができる仕事の魅力に触れてみることをお勧めします。


【profile】九谷焼絵付師 伝統工芸士 高畠敏彦

取材協力:野村右園堂 http://uendo.jp/

写真提供:(2枚目)石川県・金沢市

この記事のテーマ
デザイン・芸術・写真」を解説

デザインは、本や雑誌、広告など印刷物のデザイン、雑貨、玩具、パッケージなどの商品デザイン、伝統工芸や日用品などの装飾デザインといった分野があり、学校では専門知識や道具、機器を使いこなす技術を学びます。アートや写真を仕事にする場合、学校で基礎的な知識や技術を身につけ、学外での実践を通して経験やセンスを磨きます。

「デザイン・芸術・写真」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「絵付師」
はこんな仕事です

絵付師とは、陶磁器に意匠を施す職人のこと。陶芸の表現方法の中でも重要な工程が、絵付けである。例えば、有田焼の場合、素地に絵や模様を描く「下絵付け」、表面に釉薬をかける「釉掛け」、高温で焼き上げる「本焼き」。さらに、本焼きした器に赤や緑など色絵の具で絵を付ける「上絵付け」といった工程を経て、美しく繊細な色絵が完成する。高度な画力とデザイン力、正確さが要求される仕事だが、美術系の大学や専門学校で学んだ後、窯元や食器メーカーなどに就職し、日々腕を磨くことで一人前に成長できる。

「絵付師」について詳しく見る

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