【シゴトを知ろう】手描き職人 編

  • ようこそ、ゲストさん
  • ログイン
  • メンバー登録(無料)
  • エリア設定
MENU
閉じる
  • ようこそ、ゲスト さん

    メンバー登録(無料)

  • 適学・適職診断無料!

    診断を受ける

  • エリア設定

現在4校がカートに入っています。

一度に最大30校までまとめて資料請求することができます。

閉じる

「マイナビ進学」サイトが別タブでが開きます。

【シゴトを知ろう】手描き職人 編

2018.01.31

提供:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】手描き職人 編

絞りや型染めではなく、自然を題材にした優美で豪華、かつ写実的な図柄などを生地に直接手で描くのが手描き職人の仕事です。
加賀友禅は約300年前に、京都の扇絵師であった宮崎友禅斎によって加賀(金沢を中心とする現在の石川県南半部)に伝えられた着物の模様や染色技法です。3代にわたって加賀友禅の創作に携わってきた平野利明さんに、手描き職人についてのお話を伺いました。

この記事をまとめると

  • 加賀友禅が好き! 時間を忘れて作業し、気付いたら夜中ということも
  • 祖父の代からの技術を受け継ぐだけではなく、新たな技術の習得に挑戦
  • 創作と生活、仕事をする上での向き合い方をアドバイス

新しいものを生み出す楽しさが、次の創作につながっている

Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えてください。

私は加賀友禅が生まれた金沢で生まれ育ち、祖父の代から続く加賀友禅を作る仕事をしています。着物に直接絵を描いて染め上げる手描き職人の仕事を中心に、小中高校生向けの学校の授業や加賀友禅を知ってもらうことを目的とした職業体験の催し、海外で加賀友禅の魅力を伝えるワークショップなどにも関わっています。

黒留袖や色留袖といった着物、ドレスの他、びょうぶやサンシェイドなどのインテリア用品も加賀友禅の技法を用いて創作していて、いずれも図案から仕上げまで全工程を一人で行っています。

<ある一日のスケジュール>
08:00 1時間かけて作業準備
09:00 作業
12:00 昼食
13:00 作業
18:00 夕食
19:00 作業
24:00 作業終了
※朝まで作業を行うこともある。


Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?

友禅の創作はこの上なく楽しい仕事です。着物が完成するとうれしくて、何度も何度も見返します。お金もうけではなく作業そのものが楽しいですね。
同じ図柄のものは1度しか作りません。日々新しいものを生み出していく楽しさが、次につながっています。

お客さまから依頼されて一緒に図案を考えたり、色や配置を考えたりするのも楽しい作業です。
着物の形になってから絵を描くのではなく反物から仕上げていくので、図案を紙に書き起こす際は、着物になった時にどのような見え方をするのかについて考えることから始めます。


Q3. 仕事で大変なこと・つらいと感じることはありますか?

創作をしている時は時間の区切りを考えないので、朝から夜中まで缶詰め状態で作業をすることもあります。しんどいと感じる時もあるのですが、やはりこの仕事が好きなんですよね。

つらいのは、着物を着る人が減ってきていることです。それによって個性を出せる作家や技術を継承できる作家が減ってきているように思います。
職人にとって手を休めることは技術の低下に直結します。私の場合、依頼される仕事がなかった時期は自分で生地を買って絵を描き、技術を維持していました。

加賀友禅創作の全工程を行う夢を20年かけて実現

生地に命を吹き込む地染めの作業場。地染めには集中力とスピードが要求される

生地に命を吹き込む地染めの作業場。地染めには集中力とスピードが要求される

Q4. どのようなきっかけ・経緯でこの仕事に就きましたか?

祖父が地染め(*)の仕事を始めてから、2014年で100年となりました。祖父の地染めの技術を引き継いだ父の仕事を幼い頃から間近で見ていて、大人になったら自分もこの仕事を継ぐのだという気持ちがずっとありました。

大学受験の際、地元の美術系大学と東京の文系大学に合格してどちらに行くか迷いましたが、父の願いもあって美術系大学に進学し、家業を継ぐ気持ちを固めました。そして大学を卒業後、父に弟子入りする形で友禅の仕事を始めました。

私の代では図案の作成や彩色など手描き職人の仕事にも取り組むことを目標とし、十数年前に実現しました。


*地染め:生地の地色をはけで染め上げる工程のこと。


Q5. 大学では何を学びましたか?

美術系大学に進学し、伝統工芸から現代アートに至るまで幅広い分野について学びました。

陶芸をしている友達など、友禅とは違う分野の創作に関わっている仲間もたくさんできました。仲間の創作活動からインスピレーションを得ることも多いです。


Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?

高校生の頃から、いつかは祖父の代からの仕事を引き継いで、私のカラーを出せるような友禅作家になりたいと思っていました。そのためには、地染めの技術を伝承するだけではなく、図案を考えたり彩色したりといった手描き職人が行う工程も自分でやりたいと考えたのです。

実現するまでに20年近い時間がかかりましたが、夢をかなえることができて大変満足しています。

夢を追い、無心で創作活動に取り組む

加賀五彩(えんじ・藍・黄土・草・古代紫)を基調とした配色と草花などの写実的な図柄が加賀友禅の特徴

加賀五彩(えんじ・藍・黄土・草・古代紫)を基調とした配色と草花などの写実的な図柄が加賀友禅の特徴

Q7. どういう人が手描き職人に向いていると思いますか?

座っている作業が長いので、それに耐えられる人が向いています。

さらに、友禅に限らず創作活動は、明日食べることを考えずに取り組めるかどうかが重要になってきます。生活と隣り合わせでできる仕事ではないので、無心で創作活動と向き合うことが求められます。


Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします。

やりたい仕事があれば、それが食べていくための仕事なのか、夢を追い続けていくための仕事なのかを考えましょう。そして、まずは食べていける仕事を選びましょう。夢を追い無心で行う創作活動は、その後でも十分にできますよ。


1枚の白い絹地に細かく丁寧な手描き作業を施して生み出される華やかな友禅の着物。この技術は、引き継がれていくべき価値のあるものだと実感しました。

手描き職人に興味のある高校生の皆さんは、ぜひ本物の友禅を見て、職人の手描き技術や卓越した伝統工芸の粋に触れてみてください。


【profile】加賀友禅作家 平野利明

友禅アート染華(せんか) http://www.yuzen-shimomura.jp/index.html

※内容は全て取材時点のものです。

この記事のテーマ
デザイン・芸術・写真」を解説

デザインは、本や雑誌、広告など印刷物のデザイン、雑貨、玩具、パッケージなどの商品デザイン、伝統工芸や日用品などの装飾デザインといった分野があり、学校では専門知識や道具、機器を使いこなす技術を学びます。アートや写真を仕事にする場合、学校で基礎的な知識や技術を身につけ、学外での実践を通して経験やセンスを磨きます。

「デザイン・芸術・写真」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「手描き職人」
はこんな仕事です

着物、羽織などの和服などの生地に図柄や模様を、機械、型を使わずに筆や刷毛で直接描いて染め上げる職人。四季折々の花や鳥などを図柄にすることが多い。例えば、江戸時代に生まれた伝統的な手描き友禅は、図案作成から始まる多くの制作工程があり、今も伝統の手法を受け継いでいる。それぞれの工程別に分業で完成させる場合もあるが、全てを一人で行う場合もある。さまざまな顔料や染料を駆使し、着物に魂を吹き込んでいく表現力や画力が求められる。着物のほかにも、大漁旗や鯉のぼりを扱う手描き職人がいる。

「手描き職人」について詳しく見る

あなたの適性にあった学びや仕事が見つかる

適学・適職診断

無料

進学・適職診断を受ける