【シゴトを知ろう】能面師・神楽(かぐら)面職人 編

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【シゴトを知ろう】能面師・神楽(かぐら)面職人 編

2018.01.26

提供:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】能面師・神楽(かぐら)面職人 編

「能面」と聞くと、無表情で白塗りの女性の顔を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。日本の伝統芸能である能で使われる面は大きく5種類(神・男・女・狂・鬼)に分けられ、その中の女の面が多くの人がイメージする「能面」に近いものです。無表情と思われがちですが、実は面を作る能面師の技が施されていて、見る角度によって表情が変化するといわれています。能面を作るだけではなく、古い能面の修復や調査も行っている後藤祐自(ゆうじ)さんに、あまり知られていない能面師の仕事について伺いました。

この記事をまとめると

  • 能面の制作・修復をするたびに、現代人にはない感性や人間力に圧倒される
  • 大学では日本画を専攻していたが、やがて能面のとりこになった
  • 能面師になるための資格はない。技術を磨くためにたゆまぬ努力を続ける

先人の想いや技術を後世に引き継ぐ仕事

Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えてください。

私の仕事は能面師です。能面師とは新しい能面を作るのが主な仕事ですが、私の場合は室町・安土桃山・江戸初期など古い時代に作られた能面の修復もしています。
また、能面の研究団体「面匡会(めんおうかい)」「祐門会(ゆうもんかい)」を主宰し、一般の方々が趣味として能面を作る技術の指導をしています。

<一日のスケジュール>
08:00 仕事場に入る
09:00 制作
19:00 食事
20:00 制作
24:00 就寝


Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?

私のところには、室町時代から江戸時代初期にかけての古いオモテ(能面)の修復依頼が全国から持ち込まれることが多いのですが、それらは現代人の感性や技術力では写す(*1)ことができない、途方もなく高いレベルのオモテです。
そのようなものを修理できることは幸せですし、他の誰にもできない仕事ですからやりがいがあります。すごいことをさせてもらっているという意識でいます。


*1 写す:手本となる能面の形や色などを忠実に再現して制作すること。


Q3. 仕事で大変なこと・つらいと感じることはありますか?

古いオモテの修復とは別に新しい能面を作る仕事もありますが、400年ほど前に作られた古いオモテを横に置いて同じように作ろうとしても到底かないません。絶対的な能力の差を目の当たりにして、つらさを感じます。
現代人がどれだけ頑張っても、室町時代の人の感性や人間力にはかなわないということですね。

美術教師として働きながら能面作りに没頭

約400年前、江戸時代初期に制作された女面。能の宝生流宗家が使っている

約400年前、江戸時代初期に制作された女面。能の宝生流宗家が使っている

Q4. どのようなきっかけ・経緯でこの仕事に就きましたか?

大学では日本画を専攻しており、卒業後は中学校で美術教師をしていました。日本画を学んでいた関係で能面に興味があり、最初は能面の絵を描くことを趣味にしていたのですが、そのうち、見るたびに表情が変わる能面の魅力にとりつかれました。うまく描けたと思っても、翌朝見ると昨日とは表情が違うような気がするんです。思い通りに描けなくてもどかしい思いをしていましたね。

それならば、絵を描くのではなく作ってみようと思ったことが、能面師になるきっかけです。父が宮大工(*2)だったのでうちには道具があり、材料となる木もありました。しかし、明け方まで能面の制作作業をしていたので当然眠く、授業との両立が大変でした。そのうち古い能面の修理について相談される機会が増えて修復を手掛けるようになり、ますます寝る時間がなくなったため、美術教師を辞めて独立しました。


*2 宮大工:神社や仏閣の建築・補修を専門に行う大工のこと。


Q5. 大学では何を学びましたか?

私は美術大学で日本画を専攻し、日本画の技法や文化史などについて学びました。
大学で学んだことで能面師の仕事に役に立っていることといえば模写ですね。模写では優れた芸術作品の細かいところまで写して描くので、これが能面の世界における「写し」の基礎となりました。


Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?

高校時代は、将来日本画に携わる仕事に就きたいと思っていました。能面師になろうとは全く考えていませんでしたが、当時毎日のように絵を描いていたので、その部分ではつながっているといえます。

夢を形にする努力を怠らなければ、夢がかなう日がやってくるはず

能面の素材となる最高級ヒノキ。型紙は全て、後藤さんが独自に手本となる古面から計測したもの

能面の素材となる最高級ヒノキ。型紙は全て、後藤さんが独自に手本となる古面から計測したもの

Q7. どういう人が能面師・神楽(かぐら)面職人に向いていると思いますか?

一人前になるまで忍耐強く作業ができる人やいろいろな職業を体験し、たくさんの人との出会いを大切にして夢を形にする努力を怠らない人が、この仕事に向いています。

能面師は医者や弁護士などとは違って、資格を取ったらその仕事ができたり、収入が保証されたりする仕事ではありません。私は、「いつ辞めようかなあ」「もうそろそろ辞めて、うどん屋を開きたいなあ」などいろいろなことを考えながら仕事を続けてきました。それでも何とか続けてこられたという感じです。


Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします。

勉強でも部活動でも、まず目の前にあることに精一杯取り組むことを目標にしてください。高校生ですから、やるべきことが必ずあるはずです。夢や目標を持つのはいいことなので、それを夢のままで終わらせるのではなく、その時々で自分にできる最大限の努力をして、日々のやるべきことを行いながら夢に近づいていくといいと思います。

何より大切なことは可能性を狭めないことです。今、やるべきことをおろそかにして、ゲームやスマホに夢中になっていると世俗の人になってしまいます。そうすると、可能性がどんどん狭くなっていきますよ。


後藤さんは、「能面師として独立したのは、古いオモテが次々と持ち込まれたから」とおっしゃっていました。好きなことを突き詰めていったからこそ、見えない力が後押ししてくれたのかもしれませんね。

夢中になれることや将来やりたいことがある人は、漠然と夢を思い描くだけではなく今できることを行動に移すことが、夢を実現させる一番の近道だといえそうですね。


【profile】能面師 後藤祐自(ごとう ゆうじ)

能面・狂言面 後藤祐自・祐門会 http://yuumonkai.sakura.ne.jp/index.html

この記事のテーマ
デザイン・芸術・写真」を解説

デザインは、本や雑誌、広告など印刷物のデザイン、雑貨、玩具、パッケージなどの商品デザイン、伝統工芸や日用品などの装飾デザインといった分野があり、学校では専門知識や道具、機器を使いこなす技術を学びます。アートや写真を仕事にする場合、学校で基礎的な知識や技術を身につけ、学外での実践を通して経験やセンスを磨きます。

「デザイン・芸術・写真」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「能面師・神楽(かぐら)面職人」
はこんな仕事です

日本の伝統芸能である能、神楽で使われる面を作る職人。面打師(めんうちし)とも呼ばれる。能面には大きく分けて「神・男・女・狂・鬼」の5種類があり、その形態自体は桃山時代には完成していたといわれる。以後、その見本(本面という)を基に「写し」を制作することで長く継承されてきた。一方、神楽面には特定の形はなく、演目に合わせて独創も自由に許されている。いずれも働き方としては師匠となる技術継承者に弟子入りするのが一般的。日本古来の芸能に興味・関心があれば、仕事の満足感もいっそう深まる。

「能面師・神楽(かぐら)面職人」について詳しく見る

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