【シゴトを知ろう】舞台監督(ステージ) ~番外編~

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【シゴトを知ろう】舞台監督(ステージ) ~番外編~

2018.02.06

提供:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】舞台監督(ステージ) ~番外編~

舞台監督として活躍されているMars A Sol代表の杉村向陽さんに、舞台監督業についての詳しい話や、仕事に対する杉村さんの思いについて伺いました。

この記事をまとめると

  • アートが刺激的で面白い時代に10代を過ごし、考え方にも影響を受けた
  • ステップアップのためには、それまでの仕事のやり方を全て捨てることも必要
  • クリエーティブな舞台制作に欠かせないのは、時間のゆとりを作るマネジメント

キャリアをある程度積んだ頃、全てがうまくいかなくなった

―― 美術・芸術方面の仕事を志す人は、杉村さんのように幼い頃からの環境によるものが大きいと思いますか?
 
そんなことはないと思います。ただ、舞踊家・クラシック音楽家・伝統芸能をする人には、小さな子どもの頃からはっきり道が決まっている人が多いという印象がありますね。

自分に関しては、ませた子どもだったと思います。私は秋田県出身ですが、子どもながらに自分のやりたい仕事はここにはないかもしれないと感じていたし、東京のフリー・ジャズやアートパフォーマンスに惹かれ、そういう場所で仕事をしたいと思っていました。
 

――これまでのキャリアにおいて、印象に残っている出来事はありますか?

30代になった頃、経験も積んできたので、自分の判断や段取りでおおむねうまくやれるだろうと仕事に対する自信がついてきた頃に、全てがうまくいかなくなったことがあります。

例えば一つのプランを進める時に、いつまでに決定し、いつまで待つべきかなどの判断や、いつ誰に相談し、どの段階で誰に話すかといった段取りが全て裏目に出るようになってしまったのです。今思えばまだまだマネジメントに対する意識が低かったと感じます。依頼される仕事はどんどんステップアップしているのに対して、自分自身がステップアップできていなかったんですね。その結果、トラブルが立て続けに起こりました。


――どのようにしてその苦境を乗り越えてこられたのですか?

これまでしてきた仕事のやり方を一旦全部捨てました。その頃の私には思考回路を変える必要があったのです。何事も自己判断せず、人に言われた通りに一つずつ慎重に取り組みました。1時間でできる準備に5時間かけることもありました。連絡の取り方や喋り方など、何から何まで全てを変えました。

大変でしたが、舞台監督として自分の存在を証明したいという思いや、実力は同業の先輩たちに比べても絶対に劣っていないというプライドを持っていましたから、やり方が悪いのなら変えればいいと考えて乗り越えました。

プレッシャーも大きいがやりがいのある舞台監督という仕事

――これまでの中で印象に残っている仕事についてお聞かせください。

デザイナーの山本寛斎さんがアドバイザーを務める熊本県でのイベントです。イベントの開始のキュー*を出す役目だったのですが、合図と共に照明や炎といった舞台装置が一斉に始動するので、うまくいくかとても緊張しました。この緊張感こそがこの仕事の醍醐味なんですけどね。最後の決断をするというのは、やはりしびれるもので、開始直後は汗が噴き出ました(笑)。

大きなホールでのコンサートなどでも、照明をいきなり全部消すと「わーっ!」と歓声が上がる。その後タイミングを見て一斉に照明が点いてから演奏が始まるというように、舞台においてタイミングをはかることは、非常に重要です。

*キュー:舞台におけるスタートの合図のこと


――日頃から心掛けていることはありますか?
 
自然をよく観察するようにしています。最長で250日以上同じ劇場に詰めていたことがあり、仕事外の時間は大抵自然を求めて外に出ていました。例えば、舞台上で空の色を作るというと、思いつくのは青か朝焼け、夕焼けの赤色くらい。でも実際の空にはいろいろな色がありますよね。見落としていることに気づかされることが意外と多いので、自然のある所へ行くことは大切だと思っています。

また、この仕事を長くやっているとお客さんの目線を忘れがちになってしまうので、作り手の都合が優先することのないように気を付けています。


――最後になりますが、今後の目標についてお聞かせください。

外国の方と仕事をしたり、海外で仕事をしたりした経験を通じて、日本の舞台監督の「段取り」力は非常に優れていると感じています。

限られた時間と予算の枠組みの中で、タイムテーブルを作ったり、空間をマネジメントしてきちんとまとめ上げたりするという部分においては、日本は世界一なのではないかと思っています。

しかし、ヨーロッパやアメリカは、舞台の企画が動き出す前段階からリハーサルの前までにかける時間とお金が日本とは全然違い、試行錯誤を繰り返し素晴らしい作品を作ります。日本の舞台制作の現場にはそういったものは与えられていないから、勝負しても勝てない時があります。

マーケットの大きさの違いもありますから、仕方のない部分はあるのですが、私が悔しいのは、今の日本のアーティストやスタッフに、舞台をクリエーティブなものにしたいという発想がすごく欠けているということ。

ですから、今の私の課題は、いかにクリエーターに時間のゆとりを提供できるか、時間の余裕のあるマネジメントができるか、を考えるということです。仕事を効率的にやるだけじゃなくて、迷い、試行錯誤し、さらに良いものにしたいと思える時間の余裕を作る。そんなマネジメントができるようになりたいと思っています。


日本人には高い技術や能力があるにも関わらず、ゆとりがないことで良い創作ができにくくなっているというのは、ステージ業界に限らず、今多くの分野が抱えている共通課題なのではないでしょうか。厳しい状況にあっても、杉村さんのように明確な問題解決の意識を持って前向きに仕事に向かう姿勢が舞台監督として必要な資質なのだといえるでしょう。

【profile】有限会社Mars A Sol (マルス エイ ソル)
代表取締役 杉村向陽
Mars A Sol http://www.mars-a-sol.com/index.html

この記事のテーマ
音楽・イベント」を解説

エンターテイメントを作り出すため、職種に応じた専門知識や技術を学び、作品制作や企画立案のスキル、表現力を磨きます。音楽制作では、作詞・作曲・編曲などの楽曲づくりのほか、レコーディングやライブでの音響機器の操作を学びます。舞台制作では、演劇やダンスなどの演出のほか、舞台装置の使い方を学びます。楽器の製作・修理もこの分野です。

「音楽・イベント」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「舞台監督(ステージ)」
はこんな仕事です

演劇やミュージカルなどで、演出家の意向に沿って美術、照明、音響など裏方スタッフを取りまとめる仕事。それぞれの仕事内容を熟知し、調整能力やリーダーシップが求められる一方、安全チェックやスケジュール・予算の管理、各種の届けなど細かな業務もこなす。舞台監督助手、または照明や音響部門のチーフなどの実務経験を経て、演出家や制作部門から指名されることが多い。舞台稽古の前の読み合わせの段階から参加することもあり、作品に対する理解も必要。劇団や制作会社に所属する人とフリーで活動する人がいる。

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