すき家、またも値上げ? 人件費と材料費と経営の関係

ファストフードの牛丼チェーンといえば「安くておいしい」はずですが、値上げを検討している企業もあるようです。しかし、値上げの理由は売上が減っていることではなく、他のところにあるのだとか。それは一体何でしょうか?
この記事をまとめると
- 牛丼チェーンの「すき家」が、価格の値上げを検討
- 売上は増えているのに値上げした理由は、営業利益が減ったことが原因
- 商品価格はさまざまな原因が反映されて決定される
すき家が牛丼の値上げを検討
日本には、そば、ラーメン、ハンバーガー、カレーなど、さまざまな食べ物のファストフード店があります。ファストフード店の代表格である牛丼チェーンの一つ「すき家」が、値上げを検討していると発表しました。
値上げをすると聞くと、売上が伸び悩んでいるからだと思いますが、今回はこのケースには当てはまりません。すき家を経営する株式会社ゼンショーホールディングスの売上高は、2017年度の中間決算では約2,900億円と、前年の同時期に比べて8.3%増えています。では、なぜ値上げが必要なのでしょうか。その理由は、売上高ではなく利益に視点を置く必要があったからです。
値上げに踏み切った理由は、営業利益が減ったこと
2017年度の中間決算を改めて確認すると、売上高は上がっているものの、営業利益は100億円で、前年と比べて5.9%減っています。
その原因は、人件費の上昇と原材料の高騰です。まずアルバイトの時給は上がり、2002年に708円だった東京都の最低時給は、2016年には958円に引き上げられました。加えて、牛肉価格や米などの食材価格の上昇が追い打ちをかけました。
このように売上は増えても、営業利益が減れば会社は伸び悩んでしまいます。このことが原因で、すき家は値上げをすることにしたのです。
会社経営には商学の知識が必須
すき家のように売れた数値だけではなく、きちんと利益が出ているか、なぜそのような数値が出るのかなどを基に総合的な把握をしなければ、会社の経営は成り立ちません。
そうしたお金の流れや会社の状態を把握するには、商学の知識が必要です。商学では、消費動向を調査するマーケティングや、売上・原価・利益などを計算し分析する会計学など、企業と消費者の関係に注目した学業を学ぶことができます。興味があれば商学を学べる学校を調べてみてもいいかもしれません。
【参考サイト】
ゼンショーホールディングス
https://kabutan.jp/news/?b=k201711080052
すき家は、なぜ「牛丼値上げ」に踏み切るのか(東洋経済ONLINE)
http://toyokeizai.net/articles/-/196736
会計学を学ぶ前に理解すべきポイント
https://pharm-kusuri.com/account/kaikei.html
この記事のテーマ
「経済・経営・商学」を解説
そもそも「どうすればお互いにとって必要な物資が手に入れられるか」という極めて単純な動機から始まった商取引が、極めて高度に煩雑化してしまいました。だからといって、すでに引き返すことができないのは事実であり、現状を正確に把握して最適な選択をするのが私たちの役割でしょう。しかも、単純に取引価格だけですべてが決まる時代ではありません。国家間の争いや異常気象など、カバーしなければならない要素が目白押しです。
この記事で取り上げた
「商学」
はこんな学問です
企業と消費者を結び付けるビジネスそのものを学ぶ学問。経済学が企業を取り巻く経済活動を研究し、経営学が企業内の経営管理を主な研究テーマとするのに比べて、商学は、商業という個別の企業と消費者の関係に注目する。たとえば、マーケティングでは、消費者との持続的な関係をいかに築くかがテーマとなり、ターゲットである消費者の特性に応じたアプローチが研究される。また、商取引に関わる分野としては、ほかに貿易、金融などが挙げられる。
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