木造の高層ビルも造れちゃう!? 木材を使った次世代の建設って?

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木造の高層ビルも造れちゃう!? 木材を使った次世代の建設って?

2018.02.23

提供:マイナビ進学編集部

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木造の高層ビルも造れちゃう!? 木材を使った次世代の建設って?

皆さんは童話『3匹の子ぶた』のあらすじを覚えていますか? 子ぶたたちがそれぞれわらの家、木の家、レンガの家を建てますが、わらの家と木の家はオオカミに吹き飛ばされてしまう……というお話でしたね。一瞬で吹き飛ばされた木の家を見て、「木は壊れやすい! レンガが強い!」と思った人もいるのではないでしょうか。そんな一見もろそうな木を使った建物ですが、実は近年進化を遂げていることをご存じですか?

この記事をまとめると

  • 近年世界では、木材を使用した高層ビルの建築が行われている
  • 木質建材CLTが開発されたことにより、強くて、環境にも配慮した木造建築が可能に
  • 今後、日本でもCLTを活用した建築が進められそう

世界で注目されている木造の高層ビル建築

日本の古い建物のほとんどは、木を使った木造建築が主流でした。しかし近年学校や塾、デパートなど私たちが足を運ぶ施設のほとんどは、鉄筋コンクリートで造られるようになりました。またマンションなどの集合住宅に住んでいると、鉄筋コンクリートが使われているため、そもそも木造建築に触れる機会がないという人も多いのではないでしょうか。

確かに鉄筋コンクリートは、鉄とコンクリートという2つの強力な素材からできていることから、強度が高く地震や防音に強いというメリットがあります。また火にも強いため、火事で倒壊するというリスクも防げるという側面もあります

しかし近年木材を利用した建物も、こうした強度などの点を考慮した研究が進められています。2017年カナダのバンクーバーでは、18階建の高層木造ビルが建築されました。この建物には柱や床といった建物を支える主要な部分に木が用いられており、木材を利用したビルとして世界一の高さを誇る建物として注目されています。

こうした木造の高層建築を造る動きはカナダだけではなく、世界の各地でも進められています。2009年にはイギリスで9階建ての集合建築が、2013年にはイタリアでも9階建ての公営住宅が建設されています。このように世界的にも各地で木材を素材に取り入れた建築物を建てる動きがあるのです。

強くて環境にもやさしい木質素材「CLT」の登場

では、なぜこのように世界各地で木造建築が積極的に取り入れられているのでしょうか。そこには次世代の木質建材が大きな注目を集めていることが背景にあるのです。この建材は「CLT(直交集成板)」というもので、細長い木の板を並べた層を互い違いに何層も重ねて圧着したものです。

木材というと「壊れやすい」「もろそう」というイメージが強いかもしれません。しかしこのCLTは、重量あたりの引っ張り強度がコンクリートの5倍あるといわれています。さらに鉄筋コンクリートの代わりに、壁や床としても使用できるため、高層ビルの建築にも使用されるようになったのです。

また、CLTは環境面でも注目を集めています。これまで火や揺れに強く頑丈ということで頼りにされていた鉄筋コンクリートは、鉄やコンクリートといった素材からできているために製造時に多くのエネルギーを使い、同時に二酸化炭素を排出します。そのため環境への負荷が大きくかかってしまうという課題がありました。CLTはこうした鉄筋コンクリートが生み出す環境への影響や、森林資源の活用といった部分で注目を集め、建築の世界で取り入れられるようになっているのです。

CLTによる高層建築は今後さらに世界で進んでいくといわれています。イギリスでは昨年春にケンブリッジ大学の建築学科の教授が80階建の高層ビルを木造で建てるという構想を立案し、ロンドン市長に提出しました。これが実現すれば近い将来、「木造建てのタワー」が誕生する日がやってくるのかもしれません。

建物の素材・建築方法・環境などを総合的に学ぶ建築学

世界の各国で建築が進められているCLTを使った建築ですが、日本ではどのような取り組みがされているのでしょうか。

日本ではホテルや福祉施設など民間の建物を始めとして、最近では国の庁舎整備でも採用されることが発表されました。また建物を建てるには、建築物そのものや建築方法に関する法整備なども必要になります。今後さらにCLTを用いた建築が進められるにつれて、こうしたルール作りも明確に行われるようになってくるでしょう。

そしてこのような建築の素材、構造などをはじめとし、建物の建築に関する知識を総合的に学ぶのが「建築学」です。建築学では素材や建築方法の研究だけに留まらず、災害時の安全対策、街並みや景観などの都市計画、古い建物の復元や保存など、建物を幅広い側面から学んでいきます。

CLTの話を聞くと、従来の木の持つイメージを覆す強さが分かったのではないでしょうか。「これから建築を学びたい!」という人は、こうした建物を形作るさまざまな素材について考えてみるとより興味が深まるはずですよ。


【参考文献】
マイベストプロ
http://mbp-osaka.com/solarcom/column/29461/
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO17229310S7A600C1000000/
日経ビジネス
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/278209/072600143/
読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20160712-OYT8T50044.html
WIRED
https://wired.jp/2017/06/24/wood-skyscrapers/
日本CLT協会
http://clta.jp/clt/
日刊建設工業新聞
http://www.decn.co.jp/?p=92016

この記事のテーマ
工学・建築」を解説

工業技術や建築技術の発達は、私たちの生活を画期的に快適で安全なものに変えてきました。先人たちの生み出した知恵に新しい技術をプラスすることで、その進歩はいまも日々、進んでいます。インフラの整備や災害に強い街作り、エネルギー効率の高い動力機械や高い知能を持ったロボットの開発など、工学や建築に求められるものはますます増えるでしょう。自然との共生も大きなテーマです。理系の中でもより実地的な分野だと言えます。

「工学・建築」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「建築学・意匠」
はこんな学問です

「建築学」は、建築について総合的に学ぶ学問。学ぶ領域は広く、住宅、ビル、超高層建築の生産、建築資材の研究開発、災害時の安全対策など現代建築の建築工学分野と、団地や道路の造成、都市計画などの都市工学に加え、歴史的な建築物、集落の保存や復元についても研究する。「意匠」は、建築物を美学的に捉えて芸術的意義を追究する学問。建築物や街並み、自然環境、構造や材料についても美学的に追究して評価する。

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