「古事記」にも登場 日本語に2,000語以上ある「オノマトペ」って?

日本語に欠かせない存在ともいえるのが、オノマトペ。ワクワク、ドキドキ、ヒヤヒヤなど、日常会話の中でも当たり前のように使うオノマトペの歴史は古く、その数はとても多いのです。なぜ、日本語にはオノマトペがここまで多く存在するのか、その理由を紹介します。
この記事をまとめると
- 日本語に欠かせないオノマトペは2,000語以上が存在している
- オノマトペは増殖する
- 時代を反映して増えるオノマトペ
なんと2,000語以上! 世界で2番目にオノマトペが多い日本語
ふわふわ、ビュービュー、しーん。普段からよく使うこれらの言葉を「オノマトペ」といいます。オノマトペとは、動作や態度を表す擬態語や人の声や動物の鳴き声以外を表す擬音語のこと。意識していなくても、日本語を話す私たちは毎日多くのオノマトペを使用しているはずです。それもそのはず。実は、日本語は韓国語に次いでオノマトペが多い言語といわれているのです。
国立語学研究所によると、その数は辞書に掲載されているものだけで2,000語以上なのだとか。もちろん辞書に載っていないものもあるので、実際はそれ以上が存在しています。またそれらのオノマトペのうち、日常生活で使われるのは400~700語といわれています。日本語には欠かせないオノマトペですが、その歴史はとても古いもの。なんと、日本最古の歴史書といわれる『古事記』にも登場しているのです。
基本になるオノマトペから多くの言葉が生まれた
では、日本語にはどうしてこんなにもオノマトペが多いのでしょうか。それを紐解くために、「ばた」というオノマトペに注目してみましょう。実はこの「ばた」を基本に、いくつかのオノマトペが生まれているのです。例えば、撥音(日本語の「ん」)を加えた「ばたん」、促音(日本語の小さな「つ」)を加えて「ばたっ」、さらに繰り返すことで「ばたばた」といった具合です。さらにこれらを応用することで、「ばったんばったん」「ばたり」「ばったり」「ばたーん」といった言葉につながっていきます。「ばた」という一つのオノマトペから、複数のオノマトペが増殖しているのです。
この増殖はもちろん他のオノマトペでも見られます。「ふわ」という言葉を思い浮かべてみてください。「ふわふわ」「ふんわり」「ふわっふわっ」など、いくつものオノマトペにつながっていきます。
時代を反映するオノマトペ 今後も増え続ける!?
さまざまな物事を「音」として、表現するオノマトペ。同じ言葉から派生したものでも、物事のわずかな違いを見事に表しています。オノマトペがあるだけで、日本語の表現力はぐんと広がるといっていいでしょう。『古事記』の頃に使われていたオノマトペは、残念ながら現代には残っていません。しかし、時代を反映して、新たなオノマトペは誕生してきました。例えば電子レンジの音である「チンッ」などは、『古事記』が書かれた時代にはありえない表現です。このように日本語に欠かせないオノマトペは、今後も増えていくことが考えられます。
オノマトペの今後はもちろん、その歴史や成り立ちについて、もっと調べてみたいなら、世界の言語の一つとして日本語という語学を研究してみませんか。私たちが、当たり前のように使っている日本語の奥深さに触れることができるかもしれませんよ。
【参考サイト】
国立国語研修所 研究情報誌「ことばの波止場」vol.2 2017年9月
https://www.ninjal.ac.jp/publication/digest/files/digest-v02.pdf
国立国語研究所
https://pj.ninjal.ac.jp/archives/Onomatope/column.html
コラム - 日本語に「擬音語・擬態語」はいくつある? -
https://pj.ninjal.ac.jp/archives/Onomatope/column/nihongo_3.html
日本語に欠かせないオノマトペ、実は古事記にも登場していた
https://news.infoseek.co.jp/article/mag2news_246060/
この記事のテーマ
「語学・外国語」を解説
世界中にはさまざまな言語が存在します。言語は思考の原点ですから、それだけ多くの考え方が世界にはあり、言語の数だけさまざまな文化が存在するということです。世界中の人々が幸福に生活するためには、相互理解が欠かせません。その架け橋となるのが語学です。言語の成り立ちや文法、発音などの構造的な特徴を追究し、外国語を習得してコミュニケーション能力を高めることで、国際人としてのグローバルな視野を養います。
この記事で取り上げた
「語学(日本語)」
はこんな学問です
自国の言葉である日本語を、世界の言語の一つと考えて、客観的に学ぶ学問。構造や成り立ち、変化、地域性など日本語の特質を研究する。日頃は無意識に使っている日本語や周囲を取り巻く日本文化を客観的に捉えることで、日本語を正しく教える能力なども含めて、幅広く正確な表現力を身に付ける。また、言語と文化の関わりを客観的に分析することで、日本文化を世界に発信していく役割など、異文化コミュニケーションにもつながる力を養う。
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