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40年間無人で探査!? 宇宙で使う探査機は何の力で動いているの?

2018.02.05

提供:マイナビ進学編集部

40年間無人で探査!? 宇宙で使う探査機は何の力で動いているの?

1977年、宇宙に打ち上げられた探査機ボイジャー1号・2号。理科の教科書などでその名前を聞いたことがあると思いますが、この2機が40年たった今も宇宙空間を飛び続けていることはあまり知られていないかもしれません。太陽系のさまざまな惑星や衛星の現象を観測してきたこの2機の無人探査機は、エネルギーの補給もないまま、なぜ40年も動き続けているのでしょうか?

この記事をまとめると

  • 探査機ボイジャーが40年間稼働できたのは効率的なエネルギーシステムがあったから
  • 原子力電池、イオンエンジンなど長く稼働するシステムが宇宙探査に不可欠
  • 効率的なエネルギー変換技術を研究するのが「エネルギー学」

無人探査機・ボイジャーの孤独な旅が明らかにしてきたこと

無人探査機ボイジャー1号と2号は、1977年にアメリカのフロリダ州ケープカナベラルから宇宙へ打ち上げられました。

両機の主な任務は太陽系の各惑星とその衛星の調査ですが、この無人探査機はこれまでにいくつもの発見を私たち人類にもたらしてきました。木星の表面に見える「大赤斑(だいせきはん)」という地球2個分の巨大な渦、土星の衛星であるタイタンが地球に似た大気を持っているということ、海王星の衛星トリトンで氷火山が低温物質を噴出する様子など、貴重な現象を観測したのもボイジャーの大きな功績です。

そして2012年8月にボイジャー1号は太陽系を飛び出し、地球から約210億キロメートル離れた星間空間に突入しました。地球から最も遠くにある人工物であるボイジャーの孤独な旅はまだ終わることはなく、探査機の心臓ともいえる原子力電池が尽きるまで続くといわれています。

ボイジャーはどうして40年以上も無人で活動できるのか?

では、どうして40年もの間、ボイジャーは無人で活動できるのでしょうか? その秘密は「原子力電池」にあります。

原子力電池とは、原子核崩壊(放射線を出し、他の種類の原子核に変化すること)の際に発生するエネルギーを利用して発電する電池を指します。その燃料となる放射性元素に半減期の長いものを採用することで、数十年といった長寿命を実現できるというメリットがあります。ボイジャー1号・2号などの宇宙探査プロジェクトは数十年単位で探査機が無人稼働しなければならないという技術的な背景があり、長い年月の稼働を実現できる原子力電池が活用されているのです。

原子力電池の仕組みはいくつかありますが、最もメジャーなのが「熱電変換方式」というものです。熱電変換とは簡単に説明すれば温度差を使って電力を発生させる現象のことで、さまざまなエネルギー問題に対して有効な技術だと注目されています。

このように宇宙で有効活用されている原子力エネルギーですが、現在NASAでは有人太陽系探査を見据えて、原子力ロケットエンジンが開発されています。原子力ロケットとは原子力を動力源として利用するものです。従来のロケットエンジンよりも2倍以上も効率がいいというメリットがある反面、安全性に関しての懸念があるために未だ実用化には至っていません。しかし、ボイジャーよりももっと遠い宇宙へとたどり着くために、原子力ロケットエンジンのような効率のいい動力システムの研究が進められていくことでしょう。

宇宙開発から日常生活までを守備範囲とする「エネルギー学」

NASAの原子力ロケットエンジンのように効率の良い動力システムの研究は日本でも行われていました。

それが日本の小惑星探査機「はやぶさ」に搭載されたイオンエンジンです。エンジンシステムの基本的な仕組みは「ガスを高速で噴射して推進力を得る」というもので、燃料を燃やしたり原子力を使ったりして「ガスを高温高圧にする」という方法がとられています。イオンエンジンはイオン化したガスを高速噴射させることで推進力を得るシステムです。一般的な燃料を燃やすタイプのエンジンよりも推進力が小さいのですが、効率が良く寿命が長いというメリットがあります。

宇宙探査の難しさは、一度打ち上げられた探査機は外部からのエネルギー補充ができないというところにあります。もちろん全くないわけでなく、太陽からの光もありますが、それでもその量は限られています。だからこそ、いかに効率良くエネルギーを生み出すかという仕組みが不可欠となっています。

宇宙探査のような人類の夢を乗せたプロジェクトを支えているのが「エネルギー学」です。
原子力電池、熱電変換、原子力ロケットエンジン、イオンエンジンといった今回紹介した技術はどれもこの学問の成果です。そして効率よくエネルギーを変換する技術についての研究開発を行うこの学問は、宇宙開発だけでなく私たちの日常生活にも「省エネ」という形で密接に関係しています。

さまざまな問題に対してエネルギーという観点から切り込めることが、エネルギー学の特徴といえます。身近なものを効率よく動かすためにはどうすればいいのか、また、どんな燃料が有効なのかといったことに興味がある人は、ぜひエネルギー学を学んでみてくださいね。

【参考文献】
AFPBB NEWS
http://www.afpbb.com/articles/-/3141626
ナショナルジオグラフィック
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/b/090800112/
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXNNSE2INK05_T10C10A6000000/
NIKKEI STYLE
https://style.nikkei.com/article/DGXDZO09458180Y0A610C1W02201?channel=DF130120166043&style=1&page=2
宇宙航空研究開発機構
http://www.jaxa.jp/article/special/hayabusa/kuninaka_j.html

この記事のテーマ
地球・環境・エネルギー」を解説

私たちの暮らす地球では、火山噴火、地震、台風、干ばつなど、人類にとっては有害な現象がいまも続いています。こうした現象を研究・解明し、うまく折り合いをつけていくことが必要です。また、豊かな生活を求めるあまり、限りある地球資源を枯渇させてしまったり、自然環境を破壊してしまうことは、人類の絶滅を意味します。こうしたことを防ぐためには、技術系の学問だけではなく、政治や行政などに関する幅広い知識も必要な分野です。

「地球・環境・エネルギー」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「宇宙・地球学」
はこんな学問です

地球の構造から入り、太陽系の惑星、太陽、そしてその先の宇宙へと広がる世界を研究する学問である。あらゆる観察技術を使い、地球誕生までさかのぼり、さらに宇宙の始まりと進化まで探る。研究する分野も広大であり、宇宙からやってくるさまざまな光線や電波をキャッチし、分析している。また、観測技術においても常に新しい技術を取り入れながら前進を続けている。

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