超オシャレな義足に車いす!? 最近の福祉用具ってカッコいい!

皆さんは、高齢者や身体的障がいのある方が使用する福祉用具に注目したことがありますか? 足を失った方には「義足」、目の不自由な方には「白杖」、歩くことが困難な方には「車いす」。彼らにとって福祉用具とは、体の一部のようなものです。そんな福祉用具の世界に今、新たなムーブメントが起きています。
この記事をまとめると
- 身体的障がいを抱えるスポーツ選手やモデルが、世界中で活躍している
- 義足や車いすなどを扱う福祉用具業界に、デザイン性向上の波が訪れた
- 障がいに対するイメージをポジティブにしてくれるカッコいい福祉用具は、「社会福祉学」で学ぶことができる
障がいのあるスポーツ選手やモデルたちに、「カッコいい」と思わず感動!
皆さんは、身体的障がいのある人が出場するスポーツ大会を見たことがありますか? 世界規模で行われる大会であればテレビ放送される機会も多く、一度は目にしたことがあるかもしれませんね。
しなやかなフォルムの義足を着けて走る選手や、サイボーグのような義手でアーチェリーの弓をかまえる選手。そうした姿に思わず、「カッコいい!」と声を上げてしまいそうになります。このように義手や義足をはじめとする「福祉用具」に対してポジティブなイメージを与えてくれるのは、実はスポーツ選手だけではありません。
現在国内海外を問わず、義足や義手のファッションモデルが数多く活躍しています。彼らは洋服やテーマに合わせて福祉用具のデザインを変え、用具を生活のためだけではなくファッションの一部として、大いに活用しているのです。中には芸術的とまでいえる用具もあり、身に着けたモデルはファンタジーや、SF世界の主人公にも見えます。
思わず使いたくなる、カッコいい福祉用具が続々登場!
福祉用具のデザイン性向上の波はファッション業界だけでなく、身近な介護や福祉の世界にもおきています。皆さんも、機能性が高くても「カッコ悪い!」と感じたものはあまり使いたくありませんよね。福祉用具の場合もそれは同じ。どんなにいいものでも、本人が気に入らなければ使ってもらえず、結果として身体的負担になってしまう場合があるのです。
こうした問題を解決するべく、最近ではさまざまな福祉用具メーカーが、デザイン性の向上に力を入れています。例えばWHILL株式会社の「WHILL Model A / Model C」は、スッキリとした近未来的なフォルムが特徴の電動車いす。今までの電動車いすのイメージとは大きく違う、魅力的なデザインです。
また、高齢者や靴が履きづらい人向けに、「リハビリシューズ」という福祉用具があります。これまでリハビリシューズは、まさにお年寄り向けのデザインが主流でした。しかし、最近ではスポーツ用品で有名な株式会社アシックスもリハビリシューズ制作に乗り出し、スタイリッシュでスポーティーな製品が売り出されるようになってきたのです。
海外では手に障がいのある子どもに向け、義手を提供するプロジェクトが注目を集めています。義手のデザインはカラフルで可愛く、まるでおもちゃのロボットのよう。義手を身に着けた子どもたちの姿は、映画やアニメのヒーローにそっくりです。こうした福祉用具によって、心を救われた子どもがいるかもしれません。
障がいに対するイメージを180度変える、福祉用具の力!
このように福祉用具のデザイン性が向上し、カッコいい車いすやおしゃれな義手が登場したことで、障がいを持つ人へのイメージがポジティブなものに変化しました。
例えば、先ほど子ども向けの義手を紹介しましたが、義手を手に入れる前は障がいが原因でいじめの対象になる子どもたちがいたのだとか。しかしヒーローのような義手を手にしたことで、周囲の反応が「僕も欲しい!」というポジティブなものに変化していったそうです。
利用する人が「使いたい!」と思えるデザインは、健常者にも魅力的に見えるもの。福祉用具には利用者だけではなく、周囲の人間の心をも動かす力があるといえます。社会福祉学ではこうした福祉機器をはじめ、高齢者や手助けを必要とする人たちに対する支援方法を学ぶことができます。障がいのある人と健常者の垣根がない世界を創るために、社会福祉学は欠かせない学問なのです。
【参考】
WHILL株式会社
https://whill.jp/
株式会社アシックス(リハビリシューズ・ライフウォーカーシリーズ)
http://www.asics.com/jp/ja-jp/walking/lifewalker
Enabling the Future
http://enablingthefuture.org/
Viktoria Modesta オフィシャルHP
http://www.viktoriamodesta.com/
FUND「義足のポップミュージシャン。彼女にしかできないパフォーマンスで人々を魅了する」
http://fundo.jp/17917
TABI LABO「決して夢を諦めなかった「義手のモデル」が教えてくれたこと」
http://tabi-labo.com/283504/amputee-model
FREE PAPER dictionary「かっこいい義足って何だろう?」
http://freepaperdictionary.com/article/gisoku/
greenz people「障がいによる”できないこと”を隠さず、チャームポイントにつくり変える。新しい手でたくさんの子どもに希望をとどける「Enabling the Future」」
https://greenz.jp/2015/04/06/enabling_the_future/
TechCrunch Japan「3Dプリント人工装具の未来」
http://jp.techcrunch.com/2016/06/28/20160626the-future-of-3d-printed-prosthetics/
この記事のテーマ
「福祉・介護」を解説
大きな戦争の減少、食糧事情の向上、医療技術の発達などにより、おもに先進国では平均余命が伸びています。同時に、生きてはいるけれども健康ではないという、要介護状態の高齢者が増加し、医療費の伸びや介護保険費の膨張など、大きな問題が山積しています。福祉は、子どもから高齢者まで人間の発達段階に応じた社会支援の理想的なあり方を探求します。個人だけでは解決できない問題を、集団・組織として考える視点を学びます。
この記事で取り上げた
「社会福祉」
はこんな学問です
社会的に手助けが必要とされるお年寄りや子ども、障がいを持つ人々への支援方法を身に付け、その仕組み、国が行う政策なども研究する学問。学校によって、支援の専門知識と技能を持った専門職を育てるための授業もある。めざすことのできる資格には、社会福祉士や精神保健福祉士、社会福祉主事任用資格などがある。
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