【シゴトを知ろう】蒔絵師 編

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【シゴトを知ろう】蒔絵師 編

2017.12.19

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】蒔絵師 編

独特の艶と深みのある色合い、存在感がありながらも柔らかな手触りを持つ漆器は、日本を代表する伝統工芸品の一つ。茶道具や高級家具といった美術品としての一面がありながら、軽くて丈夫なため日常の食卓でも利用されるなど、その多様性が魅力です。
日本に数ある漆器の産地の中で400年近い歴史を持つ金沢では、加賀蒔絵と呼ばれる華やかで緻密な加飾技法が用いられています。加賀蒔絵の職人である清瀬明人(あきひと)さんに、職人の道へ進んだきっかけなどについてお話を伺いました。

この記事をまとめると

  • 蒔絵師は、漆の強力な接着力を利用して漆器に金・銀の装飾を施す
  • 祖父、父も蒔絵師。自分も蒔絵師になるものだと思って育った
  • 伝統工芸は職人の世界。技術や知識は現場で学ぶことが多い

金沢漆器という伝統産業に関わる誇りと責任

Q1. 仕事の概要と一日のスケジュールを教えてください。

蒔絵師は、漆塗りの茶道具や調度品、印籠や万年筆などに、金・銀の粉を用いて装飾を施す職人です。接着力が非常に強い漆の性質を利用して、漆で描いた絵や文様の上から金・銀の粉を蒔(ま)いて付着させて乾かし、磨いて仕上げます。

仕事の忙しさには波があり、月末など作業が立て込むと深夜12時ごろまで仕事場にいることがあります。もっと忙しいときは、徹夜をすることもありますね。

父も蒔絵の仕事をしているので、現在の仕事場は私が生まれ育った実家です。家族と暮らす自宅から仕事場に毎日出勤しています。

<一日のスケジュール>
08:30 仕事の準備、作業
12:00 昼食
13:00 作業
17:00 作業終了(忙しい時は、深夜や朝まで作業を行う場合もある)


Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?

自分の思った通りに仕上がった作品をお客さまが選んで、購入していただけたときはうれしいです。注文を受けてから作る作品も多く、その場合、お客さまが望むデザインを私が図案に起こしてから漆器に装飾していきます。

金沢漆器は、正しくメンテナンスをすれば半永久的にその美しさを保つことができます。自分が亡くなった後もずっと受け継がれていく作品を作ることにとても誇りを感じますし、それと同時に責任を感じます。


Q3. 仕事で大変なこと・つらいと感じることはありますか?

蒔絵は立体の漆器に施します。私は図案を見れば色や仕上がりが想像できますが、お客さまはそうではありません。平面に描いた図案が立体になったときにどのようになるのかを、お客さまにうまく伝えるのが難しいですね。

また、装飾に使う金・銀の粉を付着させるために漆器に塗った漆が乾くタイミングは季節によって違うので、その管理が大変です。

乾きが速いと、漆で絵を描いているうちに乾いてしまい、粉がうまくついてくれません。逆に、温度や湿度によっては、なかなか乾かないこともあります。漆は生き物のようなんです。

高校時代、伝統工芸に関わる仲間と出会う

加賀蒔絵の名工である父・清瀬一光(いっこう)さんと共に蒔絵の作業を行う

加賀蒔絵の名工である父・清瀬一光(いっこう)さんと共に蒔絵の作業を行う

Q4. どのようなきっかけ・経緯でこの仕事に就きましたか?

父だけではなく祖父も蒔絵師で、私で3代目になります。小さな頃から父の手伝いをしていて、いつからか、自分も父の跡を継いで蒔絵師として独り立ちしたいと考えるようになりました。

でも、高校卒業後すぐに蒔絵の仕事を始めたわけではありません。少し外の世界を見た方が良いと思い、蒔絵とは全く関係のない自動車整備の仕事を2年ほどしました。


Q5. この仕事に就くために何を学びましたか?

金沢市内の工業高校の工芸科で、漆器や染色、陶芸など金沢の伝統工芸全般について学びました。漆器は家業であるため知っていることもありましたが、工芸科では木地に漆を塗るところから学んだので、今でも役に立っている知識はたくさんあります。また、染色や陶芸など初めてその制作方法を知った技術については、いろいろと興味深く学ぶことができました。

蒔絵師だけではなく陶芸家を目指す人など、伝統工芸に関わる仲間ができたことも良かったですね。今でも仕事上で付き合いがありますよ。


Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?

蒔絵師になりたいというよりも、なるものだと思って育ちました。子どもの頃から父が蒔絵の仕事をするのをずっと見てきたので、憧れがありました。当然、現在の仕事につながっていますね。

上手な絵を描く技術やセンスよりも根気が必要

清瀬さんが制作に1年をかけた「前田家写 黒棚」は、創業200年を超える老舗漆器店・能作で展示販売されている

清瀬さんが制作に1年をかけた「前田家写 黒棚」は、創業200年を超える老舗漆器店・能作で展示販売されている

Q7. どういう人が蒔絵師に向いていると思いますか?

細かい作業を繰り返すので、根気がある人が向いています。美術的なセンスもある程度は必要ですが、絵の上手下手は、実はそれほど大きく関わってきません。なぜなら、平面に描く絵が上手だったとしても、立体である漆器に描く絵が上手だとは限らないからです。
また、仕事のイメージが想像できて段取りのいい人には、楽しい仕事だと思います。


Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします。

蒔絵師など伝統工芸の仕事に就きたい人は、まず現場に入ることをおすすめします。蒔絵の技術を習得したいのならできるだけ早く蒔絵師に弟子入りする方がいいですが、もちろん何歳からでも蒔絵師を目指すことは可能ですよ。


伝統工芸の世界で一人前になるのは簡単なことではありませんが、自分が作った作品が数百年も受け継がれていくことを考えると、何ともいえないロマンを感じますね。

蒔絵の仕事に興味のある方は、金沢をはじめ輪島(石川県)や京都、会津(福島県)など蒔絵の伝統技術が伝わる地域を訪れ、たくさんの作品を自分の目で見ることから始めてみてはいかがでしょうか? 実際に蒔絵を作る体験ができる漆器店や工房も数多くあります。


【profile】加賀蒔絵師 清瀬明人(きよせ あきひと)

漆器の能作(のさく) http://www.kanazawa.gr.jp/nosaku/index.html

取材協力:漆器の能作


●参照URL
http://www.icnet.or.jp/dentou/national/08.html

この記事のテーマ
デザイン・芸術・写真」を解説

デザインは、本や雑誌、広告など印刷物のデザイン、雑貨、玩具、パッケージなどの商品デザイン、伝統工芸や日用品などの装飾デザインといった分野があり、学校では専門知識や道具、機器を使いこなす技術を学びます。アートや写真を仕事にする場合、学校で基礎的な知識や技術を身につけ、学外での実践を通して経験やセンスを磨きます。

「デザイン・芸術・写真」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「蒔絵師」
はこんな仕事です

漆器に金・銀の粉で絵や文様を描く「蒔絵」の職人。蒔絵とは、接着力が非常に強い漆の性質を活用し、漆で描いた絵や文様の上から金・銀の粉をまいて付着させる装飾技法のこと。漆器、家具、仏壇、万年筆などの装飾に用いられている。繊細な技術を習得し、一人前になるまでに時間を要するが、経験を積むごとに奥深い魅力に触れることができる。大学の美術系学部で学んだ後、漆器の生産地で先人の蒔絵師の仲間に加わるのが第一歩。印刷でも蒔絵表現の技術は向上しているが、伝統技術の継承者だけが本物をつくり出せる。

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