【シゴトを知ろう】JAXAの職員 ~番外編~

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【シゴトを知ろう】JAXAの職員 ~番外編~

2017.12.25

提供:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】JAXAの職員 ~番外編~

調布航空宇宙センター(東京・調布)にある宇宙航空研究開発機構(JAXA)の航空技術部門で、大気圏再突入カプセルにおける空力(くうりき)技術などの研究をしている三木肇(はじめ)さんは、超音速旅客機の研究にも携わっています。
空力を研究しているからこその職業病や超音速旅客機開発への思い、JAXAに入って初めて知った宇宙開発の裏側を支えている意外な人々のことなどについてお話を伺ったので、番外編として紹介します。

この記事をまとめると

  • 宇宙開発だけじゃない! JAXAは日本の航空技術の発展も支えている
  • 航空技術者の職業病、大気が飛行機や自動車にぶつかってくる!?
  • JAXAに入社して知ったのは、プロジェクトが多くの人の協力によって成立していること

改良された超音速旅客機の実現を目指す

――一般の人があまり知らない業界の常識ってありますか?

「JAXA=宇宙」のイメージが強いので、JAXAが航空機の研究をしていることを知らない人が多いと思います。私がJAXAで働いていると話すと、「つくばで宇宙の研究をしているんですか?」と聞かれることもあります。

また、研究開発に携わる仕事をしている人は、高性能の特殊なコンピューターを使っていると思われがちですが、実は皆さんと同じようなコンピューターを使っている人が多いんですよ。もちろん、高度な計算やデータ処理をする際には特別なコンピューターを使っています。

実験や研究をしているからといって、1日中デスクに向かっているわけではありません。実験には体力が必要な場面もあって、大きなボンベを転がして運ぶことがありますし、風洞(*1)実験に使う模型も結構重いんです。私は会社のサッカー部に所属して、体力が落ちないよう心掛けています。


*1 風洞(ふうどう):自動車や航空機などの研究・開発に用いられる実験装置。人工的に空気の流れを作り出し、実験模型の周りでどのような風の流れが発生するのかを可視化したり、風の中でどのような影響を受けるのかを確認するために使われる。


――超音速旅客機が実現したら、何が大きく変わるのでしょうか?

現在使われている飛行機の倍くらいのスピードで飛べるので、アメリカ東部やヨーロッパまで6時間程度で行けるようになります。

以前、イギリスとフランスが共同で開発したコンコルドという超音速旅客機があったのですが、騒音が大きかったり燃費が悪いなどの問題があり、事業として成立しないと判断されて2003年に運航中止となりました。
しかし、騒音の低下や燃費の向上、環境負荷低減の研究を進めていくことで、実現はかなり近付いてきていると感じています。世界においても超音速旅客機開発の動きは活発になっていますので、近い将来、また超音速旅客機が空を飛ぶ可能性は高いと思いますよ。

速さは飛行機の大きなメリットになります。日本の航空技術が、コンコルド以降停滞している超音速旅客機の分野に風穴を開けることができればうれしいです。

速度表示を見ると、ついついマッハに換算してしまう

「なんで飛ぶのか?」と幼少期に紙飛行機を見て感じたことも現在につながっている

「なんで飛ぶのか?」と幼少期に紙飛行機を見て感じたことも現在につながっている

――航空技術者の職業病のようなものはありますか?

常に速さを「マッハ(*2)」で考えてしまうのが職業病かもしれません。新幹線や自動車の速度が「時速○○km」と表示されていると、ついつい「マッハだと△△くらいか。そこまで速くないな」と感じてしまいます(笑)。

音速と比べているので遅く感じるのは当然なのですが、速度を目や耳にするとマッハに換算したくなるんですよね。

他には、空力の研究者として、乗り物のデザインが気になります。新幹線のパンタグラフの両脇に立っている壁が気になり調べてみたところ、騒音を軽減するための遮蔽(しゃへい)板のようなものでした。

地下鉄のホームで、電車が近付いてくる時に起こる風と電車が発車した時に起こる風を感じて流体(*3)について考えることもあります。普通の人なら特に気にならないと思いますが、このようなことが引き金となって日常生活の中で流体のことを考える瞬間があるのは、きっと職業病なんでしょうね。

あと、一般の方は、飛行機や自動車が大気に向かって進んでいると考えますが、私の場合は、大気が飛行機や自動車にぶつかってきていると考えます。これは、風洞を使った実験をしているからこその職業病というか、独特な考え方かなと思います。


*2 マッハ:人工衛星や飛行機など、物体が超高速で移動する際に用いられる速度の単位。マッハ1は音速と同じで秒速およそ340m、時速およそ1225km(気温15℃、1気圧の時)だが、気温や気圧の影響を受けて変わる。マッハ3は音速の3倍。

*3 流体:物質の形状において、固体以外の気体・液体を表す総称。外から力が加わった場合に、形状を柔軟に変化させる特性を持つ。

宇宙開発は多くの方々に支えられて成り立っている

――仕事をされるようになって気付いたことはありますか?

入社後に宇宙部門で研修していた時、小型ロケットの打ち上げを発射台から100mくらいの距離で見学したことがあります。音や振動を間近で感じてとても感動したのですが、それと同時に、打ち上げ作業以外にも大変なことがあることを知りました。

ロケットを飛ばすとなると空の安全を確保しなくてはいけないので、航空関連機関へ連絡したり、打ち上げたロケットを太平洋上に落とすのであれば、漁船に危険が及ばないように関係機関に通知したりしなければならないんです。

ロケットの打ち上げや宇宙開発が周辺住民の方に支えられていることも、JAXAに入ってから初めて分かったことです。

気球を打ち上げて、そこから機器を切り離して観測するプロジェクトの際には、切り離された機器を回収するために地元の漁師の方たちにご協力いただいたり、内之浦宇宙空間観測所(鹿児島)でロケットを打ち上げた時には、民宿の方が職員たちを家族のように温かく迎えてくださったりしました。

プロジェクトの核となる部分はJAXAが進めていますが、多くの方々の力でプロジェクトが成り立っていることを感じた経験でしたね。


ご自身が開発に携わった技術が活用された超音速旅客機がいつか空を飛ぶ可能性があるという三木さんのお話を伺って、本当に夢のある仕事をされているなと感じました。そう遠くない未来に、超音速旅客機が日本の空を飛ぶ日が訪れるかもしれませんね。

JAXAが宇宙・航空分野の技術開発に取り組むことによって、通信や放送、漁業や農業、医療、防災など多くの分野における問題を改善・解決することができます。JAXAで働くことに興味がある人は、どんな技術が私たちの生活に影響を与えているのかについて、調べてみてはいかがでしょうか。


【profile】国立研究開発法人 宇宙航空開発機構(JAXA) 航空技術部門 三木肇(みき はじめ)

国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA) http://www.jaxa.jp/
ファン!ファン!JAXA! 調布航空宇宙センター http://fanfun.jaxa.jp/visit/chofu/

この記事のテーマ
自動車・航空・船舶・鉄道・宇宙」を解説

陸・海・空の交通や物流に関わるスキルを学びます。自動車、飛行機、船舶、鉄道車両などの整備・保守や設計・開発、製造ラインや安全の管理、乗客サービスなど、身につけるべき知識や技術は職業によってさまざまで、特定の資格が求められる職業も多数あります。宇宙については、気象観測や通信を支える衛星に関わる仕事の技術などを学びます。

「自動車・航空・船舶・鉄道・宇宙」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「JAXAの職員」
はこんな仕事です

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、航空宇宙に関するさまざまな研究や開発を行う日本の公的専門機関。人工衛星やロケット、航空技術の開発や宇宙飛行士の管理などの業務を行う。入社後は技術系職員、事務系職員の2つの選択肢があるため、必ずしも理系出身である必要はないが、技術系職員を目指すのなら高度な航空知識、物理学や天文学の知識を求められるので、これらの学問を習得しておく必要がある。

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