【シゴトを知ろう】ルポライター 編

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【シゴトを知ろう】ルポライター 編

2017.12.19

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】ルポライター 編

ルポルタージュとは、社会問題や事件などを題材に現地を訪れて取材した事実をまとめて報告する記録文学のことで、略してルポと呼ばれます。そのルポルタージュの執筆をする仕事がルポライターです。
今回は『さいごの色街 飛田』『葬送の仕事師たち』『親を送る』など多くのルポルタージュ作品を上梓(図書を出版すること)している井上理津子さんにお話を伺いました。

この記事をまとめると

  • ルポは現場主義。実際に足を運んで客観的事実を集める地道な作業の集積
  • 一冊の本を出版することはそれまでのしんどさが報われる大きな喜び
  • 学生時代は書く仕事になかなか結びつかず働き出してから学び直した

実際に現地へ行って調査・取材。集めた客観的事実を作品にまとめる

Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えてください。
 
ルポライターの仕事は、現場に出て行って人と会って話し、リサーチや調査を重ね、それらから得た事実の集積を一つの作品にまとめあげるというものです。
一つの作品にかける時間は、作品によっても大きく異なりますが、短時間に量産できるというものではありません。
現在取り組んでいる東京都・台東区にある山谷という日雇い労働者の町のルポは、関わって4年になりますし、大阪・西成区にある、かつての遊郭の匂いを色濃く残した町について書いた『さいごの色街 飛田』には10年以上の歳月を費やしました。常に複数の企画が同時進行で動いています。
ルポライターは、机上だけで仕事を成り立たせる事はできません。たくさんの事実や関係者の話を集め、地面に這いつくばって足で稼いだことを書くのがルポライターの世界。現場主義の泥臭い仕事だという認識でやっています。

<ある一日のスケジュール>
8:00 起床。執筆の構想を練りつつメールのやりとりなどの事務処理 
16:00 執筆開始。決まったノルマは設けていないが1日約5〜8時間程度執筆する
22:00 執筆終了
24:00 就寝


Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?
 
自分の書いた文章が一冊の本になるのは、何冊出してもしびれるくらいうれしいことです。本になった時点で、それまでのしんどかったことがみんな消えてなくなったように感じられます。

ルポルタージュ作品とは、社会的な問題を含有しているある事象について、私自身はこう取材してこのように見えましたという報告であり、見た事実を記した行間に書き手の思いがおのずと記されるものです。そのため本が上梓されると、大きな充実感とうれしさの反面、まるで自分が丸裸になって世間にさらされているような恥ずかしさと、「やってしまった」という恐怖感が同時におそってきます。そしてさまざまな読者の反響があります。もちろん批判もきますが、それも含めてうれしいですね。


Q3. 仕事で大変なこと・つらいと感じることはありますか?

一握りのすごく売れている人は別でしょうが、この仕事は、よほどのことがない限り儲かりません。利益の追求を優先させたい人には難しいと思います。ルポを書くには時間も経費も必要ですから。

また、テーマによっては名前を出して仕事をするということは怖い部分もあります。これまでに危険を感じたこともあります。「怖がってたらこの商売やってられませんよ!」と格好良く言えたらいいんでしょうけど、怖くないとはいえません。

それから、徹夜で執筆しなければならない時はつらいです。コツコツと原稿を書き貯めることができるなら徹夜などしないで済むのでしょうが、私はダメ。昼間は「言葉の神様」が降りてきてくれず、書いては消し、消しては書き……の繰り返しです。なかなか原稿が進まず、夜中になってやっと筆がのり始め、そして徹夜になってしまうことが今でも月に2〜3日あります。

働きながらようやくやりたい仕事に結びつく勉強を始めた

Q4. どのようなきっかけ・経緯でこの仕事に就きましたか?
 
以前航空会社に勤務していた時はシフト勤務だったので、編集教室・文学学校・コピーライタースクールに通っていました。自分のやりたい仕事に結びつく勉強を、働き出してからようやく始めました。

結局航空会社は2年で辞め、書籍の編集プロダクションでの編集アシスタントを経て、タウン誌の発行元「女性と暮し社」で取材記者になりました。その時に、ある魅力的な働く女性をインタビューしたことがきっかけとなり、働く女性たちをもっと深く取材してみたいという思いが生まれました。ルポというのは緻密なインタビューの集積だと思います。フリーランスのルポライターになった後、92人の女性の仕事についてのインタビュー集「女・仕事」(共著)という書籍をまとめたのもそうした考えが元となっています。


Q5. 大学では何を学びましたか?
 
私は短期大学の国文学科に在籍していたのですが、当時は勉強にはあまり身が入らず遊んでばかり。文芸部活動をしたり、短期留学をしたり、アルバイトしたりして、学生生活を満喫していました。

就職に際しては、やはり書く仕事がしたいと思い、ある地元の新聞社の説明会に行きました。しかし、その新聞社では当時、女性が配属されるのは「婦人部」や「家庭部」といった部署と聞き、仕事内容にあまり魅力を感じなかったので、新卒採用の求職では書く仕事を諦めました。そして、航空会社に就職しました。


Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?
 
高校時代は旅行ライターになりたかったんです。乗り鉄(*)でしたので、よく列車で一人旅してユースホステルに泊まったりしていました。旅先で見た景色などの素晴らしさや、当地の宿や店を文章で伝えるような仕事がいつかできればという淡い思いがあったんですね。

雑誌『旅と鉄道』の読者ライターの企画に応募して選ばれたこともありました。大阪と秋田を鈍行電車で往復して旅行記を書き、掲載されました。それから旅行関係のコピーコンテストで入賞し、グアム旅行を勝ち取ったこともありました。それがうれしくてうれしくて。今思えば、ライターとしての原体験ですね。

3年生で進路を決める時に、担任の先生に旅行学科や観光学科に進学したい希望を伝えたら、「何をしょうもないことを言うとるんや」と頭ごなしに否定されました。おそらく、その先生にはそのような学科についての情報が少なくカテゴリー外だったのだと思います。当時、私の通っていた高校では、特に決まった目標がない限り、文系の場合、男の子は経済学部、女の子は文学部に進学するのが大多数でしたので。

*乗り鉄:列車に乗ることを重視している鉄道ファンのこと。

へこまない・くじけない・あなどらない

Q7. この仕事をするのに必要な適性や資格はありますか?
 
ルポライターに向いている資質は、「へこまない・くじけない・あなどらない」。取材をする中で多種多様な人に会い、いろいろなことを言われます。もちろんへこむのもいたしかたないのですが、落ち込んだままで萎縮してしまうのではなく、何を言われても立ち直れる人。鈍感力も必要だと思います。


Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします。
 
最初からフリーのルポライターを目指すというのは少々無謀な気がします。まずは組織に所属して、組織ジャーナリズムの中に入って、仕事についての基本を学び、経験を積み人脈を築くことが最初の一歩かと。その上で、その後も組織に残るか、フリーになるかをお決めになった方がいいのではないかと個人的には思います。
 
 
高校生の時から書く仕事がしたいという明確な思いがあったにも関わらず、当時の社会状況もあいまって、回り道をした末にルポライターになった井上さん。しかし、他の勉強や仕事を経験したからこそ「今本当に好きな仕事をやれているし、これが自分にとって一生の仕事だ」と強く自覚できるのではないでしょうか。

 
【profile】ルポライター 井上理津子 
井上理津子 http://inoueritsuko.com/

この記事のテーマ
マスコミ・芸能・アニメ・声優・漫画」を解説

若い感性やアイデアが常に求められる世界です。番組や作品の企画や脚本づくり、照明や音響などの技術スタッフ、宣伝企画など、職種に応じた専門知識や技術を学び、実習を通して企画力や表現力を磨きます。声優やタレントは在学しながらオーディションを受けるなど、仕事のチャンスを得る努力が必要。学校にはその情報が集められています。

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この記事で取り上げた
「ルポライター」
はこんな仕事です

ルポルタージュとは第一次大戦後に発生した報告記事で、作為を加えず社会事象や社会現象、事件をできるだけ客観的に叙述すること。記録文学、報道文学、ノンフィクションなどとも呼ばれ、その書き手がルポライターだ。実際に現場を取材して歩き、ありのままを報告することが任務とされる。主に出版社や新聞社から依頼されるほか、自分でテーマを決めて取材して文章を書き上げ、自ら売り込むこともある。社会に対する鋭い洞察力や広い視野、問題意識と、好奇心を持って臨まなくてはならない。

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