【シゴトを知ろう】公文書館専門職員(アーキビスト) 編

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【シゴトを知ろう】公文書館専門職員(アーキビスト) 編

2017.11.10

提供:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】公文書館専門職員(アーキビスト) 編

公務のために作成された文書は、作成当時の情報を知ることができる歴史的な資料になる可能性があります。それらを収集し、保管したり情報として提供したりする人を「公文書館専門職員」または「アーキビスト」といいます。

今回は江東区の区政資料室で公文書を管理している大木悠佑さんに公文書館専門職員の仕事について伺いました。

この記事をまとめると

  • 区政資料室に勤務し、公文書の選別や保存をしている
  • 大学院では公文書の保存や収集について学ぶ「アーカイブズ学」を学んだ
  • 現在の日本ではなじみのない仕事だが、今後注目される可能性がある

公文書の保存や整理、修復などの保存措置をしている

Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えてください。
 
公文書館専門職員とは、国や自治体が作成した法令の原本や外交書といった公務に関する文書である「公文書」の保存や管理をする仕事です。

私は以前、武蔵野市にある公文書館で働いていて、現在は江東区総務部総務課にある区政資料室で働いています。区政資料室では江東区が業務上作成した公文書のうち、重要な価値を有する歴史公文書や行政が作成した刊行物を保存しています。公文書に限らず、区民が所有している歴史的な資料も収集・保存しています。それらは職員の業務に必要な参考資料として使用される他、職員や区民に閲覧されたりしています。

私が担当している業務は大きく分けると「公文書の評価選別」「歴史公文書の整理」「資料の保存措置」の3つです。

公文書の評価選別とは、保存期間を満了した公文書が組織にとってどれほどの重要性があるかを判断する業務です。現在の価値や将来的な利用の可能性について検討し、アーカイブズ(保存される記録)として永久的に保存するかを判断しているのです。その後、歴史公文書の整理として歴史公文書の目録を作成したり、中性紙の容器に入れたりして永久的な保存に適した処置を施します。また損傷や劣化している歴史公文書を修復したり、デジタル画像を複製したりする業務が資料の保存措置です。この他にも、職員からの問い合わせに対応する場合もあります。

<一日のスケジュール>
08:30 出勤
09:00〜12:00 評価選別
13:00〜15:00 歴史的公文書の整理
15:00〜17:00 デジタル化対象文書の確認
17:15 退庁
 
 
Q2. 公文書館専門職員の楽しさ・やりがいは何ですか?
 
公文書館を利用する人は自分の先祖に関する資料を見たい、土地の所有権を確定したいといったさまざまな目的を持っています。利用者との対話から必要な資料を特定して求められている公文書を見つけられると、とてもうれしくなります。公文書を残しておいてよかったと思いますし、記録を残すことには意義があると実感します。

そのため、記録を残すか判断する公文書の評価判別は一番やりがいを感じる業務です。将来過去を振り返るとき、必要になるかもしれない公文書の扱いを決めることに責任を持ち、今後公文書を使用する人に対して恥ずかしくない仕事をしようと思っています。
 
 
Q3. 公文書館専門職員で大変なこと・つらいと感じることはありますか?
 
現在の日本で公文書館専門職員は、まだなじみのない職業です。そのため仕事内容や意義がなかなか理解されず、仕事を進める中で支障をきたす場合があります。今まで歴史公文書を保存する仕組みがなく、保存期間を満了した公文書を全て廃棄していた組織もありますので、なぜ公文書を保存するのか、なぜ社会に必要とされているのかという仕事の根本を説明していかなければいけません。
 

歴史の研究中に過去の記録を公開する重要性に気付いた

Q4. どのようなきっかけ・経緯で公文書館専門職員の仕事に就きましたか?
 
大学院で歴史学の研究を進めるうちに、歴史的な検証をするには過去の記録と、それを多くの人が利用できるようにする仕組みが大事だと思うようになりました。その後、記録史料の保存や収集を行うための理論や方法を研究する「アーカイブズ学」という学問を知り、これを体系的に学べる大学院に進学して、在学中は公文書館で働いて経験を積み重ねました。
 
 
Q5. 大学では何を学びましたか?
 
大学では文学部史学科で日本近史(江戸時代)を専攻していました。江戸時代の文書や記録には活字を使った読みやすい資料がある一方、活字に書き直されていない資料もありました。そのため江戸時代に使われていた「くずし字」と呼ばれる文字を覚え、解読する必要があるのです。

現在の仕事では江戸時代の文書を読む機会はほとんどありませんが、明治、大正期に書かれた文書を解読するときにくずし字の知識が役立ちますので、大学の頃に勉強していて良かったと思います。
 
 
Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?
 
高校生のころは博物館の歴史系学芸員になりたいと思っていました。歴史には現代にも通じる教訓や学ぶべきことがあります。そのため、より多くの人に歴史に興味を持ってもらい、人生の役に立つ知識を知ってもらいたいと考えたのです。

当時目指していた職業とは異なりますが、歴史について研究した結果アーカイブズ学へ関心を持つようになりましたので、現在の仕事に就く過程でつながっていると思います。
 

公文書館を利用して必要な資料や求められている対応を考える

Q7. どういう人が公文書館専門職員に向いていると思いますか?
 
働く組織によっては、江戸時代に書かれた古文書から現代のデジタル技術で作成された記録まで扱う場合があるため、歴史はもちろん、法律やデータベースを運用する知識が求められます。また、仕事を進めるためには専門的な理論や方法論を理解しなければいけませんので、求められる能力は専門的かつ多岐にわたります。そのため自分のフィールドに閉じこもるのではなく、いろいろなことに挑戦できる人が向いているのではないでしょうか。

また、自分の仕事に没頭したい人よりは人の役に立ちたいと思う人が向いている仕事だと思います。公文書と向き合うだけではなく、利用者の興味、関心に応じてアーカイブズ資料を提供することも仕事の一つだからです。
 
 
Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします。
 
世間を賑わせた2017年の小学校建設をめぐる事件では、公文書が適切に管理されていないことによって売買契約の交渉過程を検証できないという問題が起こりました。公文書館専門職員はあまり耳にしない職業ですが、公文書の適切な保管によって世の中の人々に社会の根本を伝える重要な仕事なのです。また、国が公文書を国の資産として重要だと認識するようになり、2011年から公文書管理法が施行されました。そのため公文書館専門職員の仕事は今後大きく注目される可能性があると考えています。

専門的な知識やスキルは進学後に学べますので、高校生の間は実際に公文書館を利用することが重要だと思います。先祖探しのために公文書館を利用する人もいますので、まずは自分に関係ある情報を知ることができる場所だと思って活用してみてください。実際に公文書館に行ったらどのような記録があれば良いのか、利用者にどんな対応をすれば良いのかを考えてみてはいかがでしょうか。公文書館を利用した経験は公文書館で働くようになったときにきっと役立ちます。
 
 
歴史的な事実を知るだけではなく、ニュースとして取り上げられるような事件にも公文書は関係しているのですね。公文書館専門職員に興味を持った方はニュースなどを見て、どんな場面で公文書が活用されているかにも注目してみてはいかがでしょうか。
 
 
【profile】江東区総務課総務部 区政資料室 大木悠佑
【取材協力】日本アーカイブズ学会

この記事のテーマ
教育」を解説

教育機関や子ども向けの施設で、教育指導に関わる仕事を目指します。小・中学校や高等学校の教員を目指す場合、大学や短期大学の教職課程で学ぶ必要がありますが、専門学校の中にも、提携する大学や短期大学の通信教育を受けて、教員免許状を取得できる学校もあります。語学教師や臨床心理士など希望する職種により、必要な資格や免許が異なります。

「教育」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「公文書館専門職員(アーキビスト)」
はこんな仕事です

公文書(アーカイブ)とは、国や自治体が作成した法令の原本や外交文書などの歴史資料のこと。公文書館専門職員は、それらの重要な公文書を保存・管理する公文書館にて、専門知識を生かして調査研究を行い、来館者に対応する。日本ではまだ認知度が低く、2012年に日本アーカイブズ学会登録アーキビスト資格認定制度が発足したばかり。また、公文書をデジタルデータとして蓄積し、ネットワーク活用するプロをデジタル・アーキビストともいい、NPO法人日本デジタル・アーキビスト資格認定機構による専門の資格もある。

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