【シゴトを知ろう】ミミズによる廃棄物処理に関する職業 ~番外編~

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【シゴトを知ろう】ミミズによる廃棄物処理に関する職業 ~番外編~

2017.10.24

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】ミミズによる廃棄物処理に関する職業 ~番外編~

ミミズコンポストを製造販売することで環境問題と向き合っている光和商事株式会社(広島)の久保幸路(こうじ)さん。コンポスト(生ごみ処理機)に使われるミミズや事業を形にするまでの苦労、これからの夢などについてお話を伺ったので、番外編としてご紹介します。

この記事をまとめると

  • ミミズに快適に過ごしてもらうための環境を作るために試行錯誤
  • ミカンは苦手、野菜は好き。ミミズにだって食の好みがある!
  • ミミズ堆肥を使った循環型農業のモデルを作りたい

ミミズ博士と出会い、コンポスト事業を立ち上げる

――コンポストにもさまざまな種類がありますが、なぜミミズコンポストにされたのでしょうか?
 
生ごみ処理の問題について調べているうちに「広島ミミズの会」に出会い、それが大きなきっかけになりました。

広島ミミズの会は、代表の加用誠男(かよう のぶお)さんが自宅でミミズコンポストを始めたことからスタートした会です。加用さんはミミズ博士の愛称で知られていて、小学校や公民館でミミズコンポストの講習会などをされています。

ミミズが生ごみを処理できることを初めて知った時は驚きましたね。それで加用さんにいろいろと教えていただくうちに、ミミズコンポストの良さに惹かれていきました。

海外では普及しているミミズコンポストが、日本では一部の愛好家のものでしかないことが残念で、もし一般の人でも手軽に扱える製品があればもっと普及するのではないかと思い、弊社でミミズコンポストを作ることにしたのです。


――ミミズコンポストの仕組みについて教えてください。

ミミズが生息しているコンポスト容器に生ごみを入れると、ミミズが生ごみを食べてふんをします。そのふんを微生物が分解し、良質な堆肥ができる仕組みです。

ミミズが生息する環境のことをミミズの床(とこ)と呼び、それを整えることが大切です。腐葉土やミミズが作った堆肥、ココナッツ繊維を混ぜてミミズの床を作るのですが、完成させるまで試行錯誤の日々でした。ミミズはデリケートな生き物なので、新しい環境が気に入らないと出て行ってしまうこともあるんです。


――ミミズの床を作ること以外に、どのような苦労がありましたか?

海外からミミズコンポストを取り寄せて、日本の家庭で使いやすい仕様に設計・開発しました。どんな素材を使ったコンポスト容器にすれば良いのか分からず苦労しました。今でも改良を繰り返しています。

また、ミミズは生き物なので気温や天候によって成長度合いが変わり、大きさが4倍近く違うこともあるんです。そうすると、ミミズを出荷する時の作業に影響します。弊社が販売しているミミズコンポストセットには、500gのミミズをつけて出荷しています。ミミズがあまり成長していなくて小さいままだと、集めるのも一苦労です。

1日の食事量は体重の半分! ミミズは意外と大食いだった

ミミズコンポストに使われるシマミミズ。出荷する時は、土の中から1匹ずつ集める

ミミズコンポストに使われるシマミミズ。出荷する時は、土の中から1匹ずつ集める

――ミミズコンポストの特長を教えてください。

まずは生ごみが臭わないことです。生ごみが臭うのは、酸素が無いところで腐るからです。ミミズコンポストだと、酸素が行き渡った状態で腐らせた生ごみをミミズが食べるため、匂いがほとんどありません。環境フェアなどで、ミミズコンポストの実物をご覧になった多くの方が驚かれます。

次に、電気が要りません。ミミズコンポストがあればいつでも生ごみを処理できるので、収集日に出すごみの量を減らせます。

そして、良質な堆肥ができます。生ごみを食べたミミズのふんからできた堆肥は栄養満点なので、野菜や花の栽培に最適です。


――1日にどれくらいの量の生ごみを処理できるのでしょうか?

生ごみを処理するのは「シマミミズ」という種類のミミズです。シマミミズは体調が5~10cm程度の比較的小さなミミズで、体重は約0.4gほどです。ミミズが1日に食べる生ごみは体重の約半分とされています。

広島県では、4人家族が1日に出す生ごみの量はおよそ500gなので、約1kgのミミズがいれば、多くの家庭で生ごみ1日分を処理できる計算になります。


――ミミズはどんなものでも処理できるのでしょうか?

野菜や果物のくず、ご飯やパン、麺類、コーヒーかすなど、ミミズはいろいろな物を食べます。新聞紙やダンボールも食べますが、ネギやニンニクなど香りの強い物は苦手です。ミカンもダメですね。かんきつ類は嫌いなようです。
あと、コンポストにはジュースやみそ汁などの液体や刺激物は入れない方がいいです。

キューバで見た理想の農園。自然を生かした循環型農業とは?

畳1畳ほどの広さの木箱の中でミミズを養殖。養殖場作成においても改良を重ねた

畳1畳ほどの広さの木箱の中でミミズを養殖。養殖場作成においても改良を重ねた

――海外におけるミミズコンポストの普及状況について教えてください。

ミミズコンポストは、海外では人気の生ごみ処理方法です。環境先進国のドイツにもありますし、北欧でも盛んに取り入れられているそうです。

キューバには、ミミズで堆肥を作って無農薬栽培に取り組んでいる農園もあります。その農園を視察しましたが、とても素晴らしいところでした。
ミミズの床にする牛ふんのために牛を飼い、ミミズを育ててできた堆肥で野菜を育て、野菜を出荷した後に残った野菜くずを牛の餌にするというように、私の理想とする自然の循環がこの農園の中にはありました。


――ミミズコンポストを利用した将来の夢はありますか?

ミミズコンポストでできる堆肥を利用して、循環型農業のモデルを作りたいと思っています。生産者をはじめいろいろな方々と関わりながら、事業を広げていきたいです。
ボランティアで環境問題に関わることも考えていますが、環境問題に取り組む活動を通じて収入が得られ、生活することができ、社会貢献もできることが理想ですね。


日本ではまだ一般的ではないミミズコンポスト。久保さんには、その魅力や商品開発の大変さを教えていただきました。
環境保全のためには、まず自分ができることから取り組むことが重要です。環境問題に関わっている企業の活動を知って、自分たちが生きる未来の環境についてを考えるきっかけにしたいですね。


【profile】光和商事株式会社 環境開発事業部 部長 久保幸路(くぼ こうじ)

光和商事株式会社「はじめようミミズコンポスト」
http://www.kowas.co.jp/mimizu/


●参照URL
http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/1457923323662/html/common/570f2bd8022.html

この記事のテーマ
環境・自然・バイオ」を解説

エネルギーの安定供給や環境問題の解決など、自然や環境を調査・研究し、人の未来や暮らしをサポートする仕事につながります。また、自然ガイドなど、海や山の素晴らしさと安全なレジャーを多くの人に伝える仕事もあります。それぞれ高い専門性が求められる職業に応じて、専門知識や技術を学び、カリキュラムによっては資格取得や検定も目指します。

「環境・自然・バイオ」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「ミミズによる廃棄物処理に関する職業」
はこんな仕事です

ミミズを養殖して生ごみなどをエサとして食べさせることで廃棄物処理を行う仕事。「ミミズコンポスト」とも呼ばれている。主に食品・紙類など有機的な廃棄物が処理の対象で、処理作業に電気などのエネルギーをあまり必要とせず、廃棄物をミミズが食べることで出るフンは有機肥料として利用できる。環境にやさしい廃棄物処理として欧米で始まり、低コストで新たな廃棄物を出さず、かつ臭いの少ないごみ処理方法として、近年日本でも導入する地方自治体などが増えている。

「ミミズによる廃棄物処理に関する職業」について詳しく見る