【シゴトを知ろう】販売促進 ~番外編~
コミュニティを軸としたサンプリングを手掛けている藤田拓馬さん。常に新しい企画が求められる販売促進のお仕事ですが、そのアイデアのヒントはどこから得ているのでしょうか。企画提案の際に大切にしていることや、お仕事のあるあるエピソードについても伺いました。
この記事をまとめると
- 学生時代にやっていたマジックのおかげで、人前で堂々と話せるように
- 友人からも担当する商品に関する意見を聞き、企画の参考にしている
- 企画書は、内容はもちろん読みやすさも大切
情報収集のためアンテナを広く張り、街の広告物にも注目
――新しい企画を考えるときのインスピレーションになるものは?
新聞やインターネットのニュースをはじめ、いろいろな情報に広くアンテナを張るようにしています。街や電車内で見かける広告や、業界紙からも、他社がどんなことをしているかを知ることができます。たとえそれが担当クライアントと全く違う業種であっても、アイデアのヒントを得られることも多いです。
――仕事以外の経験で、仕事にもプラスにつながっているものはありますか?
私はもともと人前で話をするのがあまり得意ではありませんでした。でも中学から始めたマジックで何度もステージに立つうちに、人前でも堂々と話せるようになりました。
現在の仕事は1対1で話したり大勢の前でプレゼンしたりする機会も多く、マジックでの経験が非常に役に立っています。ちなみにマジックは今も続けていて、イベントや余興などで依頼があった時に披露しています。
商品への愛情を依頼主と共有し、二人三脚で進む
――この仕事をされて、事前のイメージとのギャップはありましたか?
仕事でお会いするのはメーカーのマーケティング部の方など、キャリアも年齢も私より上の方ばかり。お話をする時には今でも少し緊張してしまいます。またこの仕事を始めて、企業のマーケティング担当の方々の商品に対する愛情を改めて実感しました。どのお客様も商品をまるで自分の子どものように思い、真摯に向き合っていらっしゃいます。そのような方々と「商品のために何ができるだろう」と一緒に考え、仕事をさせてもらえることは、自分にとっても大きな励みになっています。
――お仕事にまつわる「あるある」エピソードがあれば教えてください。
私が担当する商品はシャンプーや歯磨き粉といった日用品が多いのですが、友人に会うとつい「シャンプーはどのブランドを使っている?」などと聞いてしまいます。もちろん自分が担当しているブランドを使っていたらとてもうれしいですし、そうでない場合も、そのブランドを愛用する理由やヘアケアで気をつけている点などを教えてもらっています。友人だからこそ素直な意見が聞けますし、その声を依頼主への提案時に参考にすることもあります。
――企画を提案する時に心掛けていることは?
見やすい資料を作るように心掛けています。依頼主に提出する企画書は、文字の大きさや配置など、ちょっとしたことで印象がだいぶ変わります。いくら内容が素晴らしくても、見た目が汚かったり読みづらかったりしては、きちんと読もうという気になりませんよね。でも私自身少し大雑把なところがあるせいか、気をつけていても上司から指摘を受けることがあります。
案件はチームで担当し、社内で連携し合うことも
――1つの仕事にかかる期間は?
ブランドの長期的なプロモーション計画を立てたり、すぐに実行できるサンプリングを依頼されたり、案件によってもさまざまです。基本的にその商品が使われるシーズンに先駆けてプロモーションを行うので、たとえば冬は日焼け止め、夏に保湿剤の企画を考えている感じですね。営業スタッフと進行管理を行うオペレーションスタッフの、3~4名のチームで仕事を行っています。
――社内のチーム同士で協力し合うことはありますか?
プロモーションに使う印刷物を制作する時には、ミスがないかを他チームのスタッフにもチェックしてもらっています。自分では完璧だと思っていた制作物も、別の人に先入観なしに見てもらうと意外と誤字脱字があったりするんです。
また、定期的に社内ミーティングを行い、各チームの状況を共有するようにしています。他チームがサンプリングを行ったコミュニティが自分の担当商品ともマッチしそうな時など、日頃の情報交換が役立つ場面も多いですね。それぞれ違うブランドを担当していても、気軽にアドバイスし合える雰囲気が作られています。
高校生の皆さんも、イベントやキャンペーンなど、日常の中でさまざまな商品プロモーションに触れる機会は多いと思います。そんな時に、「販売促進のためにどんな工夫がされているのだろう」と注目してみると、プロモーションの企画意図が見えてくるかもしれませんよ。
【profile】株式会社バンブック コミュニティマーケティング 藤田拓馬
https://bambook.jp
この記事のテーマ
「ビジネス・経営」を解説
法律などの専門知識を学び、文書作成などの技能を磨くほか、資格取得や検定合格を目指すカリキュラムもあります。小売業や不動産売買、経営コンサルタントや税理士など、各ビジネス分野におけるスペシャリストも育成します。国家試験の合格が求められる高度な資格を必要とする仕事もありますが、専門学校の中には受験指導に実績を誇る学校もあります。
この記事で取り上げた
「販売促進」
はこんな仕事です
商品を購入してもらうために、さまざまな動機付けを行う仕事。例えば、商品を試してもらうために街頭や店頭で商品サンプルを配布したり、商品やサービスの情報をメールマガジンで配信したり、SNS(ソーシャルネットワークサービス)を通じて直接顧客にプロモーションを行ったりする。また、イベントを実施し、商品やサービスを多くの人に知ってもらうことも販売促進の重要な業務。さらに小売店で、直接販売指導を行うことや、セールストークのマニュアルを作成することもある。
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