【シゴトを知ろう】介護食士 ~番外編~

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【シゴトを知ろう】介護食士 ~番外編~

2017.11.01

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】介護食士 ~番外編~

「【シゴトを知ろう】介護食士 編」では、社会福祉法人伸康会が運営する「平成の家」で働いている田中美菜子さんに、仕事のやりがいや苦労について教えていただきました。高齢者の食事量向上のためにはさまざまな工夫が必要になるようです。

では実際にはどんな工夫を凝らした介護食を提供しているのでしょうか。番外編では田中さんが今までに実践した提案や介護食士ならではの「あるある」について伺いました。

この記事をまとめると

  • 味を良くするだけではなく、食への関心を高める工夫をしている
  • 自宅で料理しているときも柔らかくて食べやすい食事を作ってしまう
  • 「ソフト食」を開発し、認知症の方の食事量が向上した

おいしい食事を作る以外にも提案できる方法がある

――栄養管理だけではなく、いかに食事を楽しむかを模索する必要があるようですが、どんな工夫をしているのでしょうか?
 
福祉施設では常に快適な室温を保っているため、季節感が分からなくなってしまう方がいます。そういった方にも季節を感じてもらえるように旬の食材や季節に合った料理を提供しています。入居者さんに人気の料理は、春はちらし寿司や天ぷらですね。夏は冷やし中華やそうめんといった食べやすい料理、秋はカボチャやキノコを使った料理を楽しんでいただいています。年初めにはおせちが人気で、私たちも力を入れて料理しています。

また、自分で作った食事を食べることも食への関心につながると考え、週に一度料理教室を開いてお客様と一緒に食事を作っています。1時間という短い時間の中で行いますので、ドーナツやホットケーキといった簡単なおやつが多いです。入居者さんの中には女性も多く、「このおやつ、私も昔作ったよ」と懐かしそうに話してくれます。
 
 

うっかり自宅で柔らかい食事を作ってしまうことも

――このお仕事ならではの「休日あるある」やついしてしまう癖を教えてください。

家で食事を作るときに、仕事中の癖でつい食材を小さく切ってしまいます。自分では気付かないのですが、家族から「そんなに細くしなくても……」と言われてはっとするのです(笑)。その他にも煮物を食べているときに固いと思っても、周囲の人には共感してもらえないこともあります。
 
 
――一般的には知られていない意外な事実を教えてください。

正しいアルコール消毒の方法は、意外と知られていないのではないでしょうか。皆さんは手を洗った後、すぐにアルコール消毒をしていませんか? 実はアルコール消毒は乾いた手にするというのが大事なポイントです。水で濡れた状態では消毒効果がさほどありませんので、しっかりと水気を取ってから消毒してください。
 
 

常食の見た目に近い、新しい介護食の開発に取り組んだ

ソフト食の技術を活用して調理したおでん

ソフト食の技術を活用して調理したおでん

――仕事の中で一番の思い出や達成感を感じたエピソードについて教えてください。

私が福祉施設に入所した頃、「ソフト食」の開発が始まりました。ソフト食というのは、ミキサーでペースト状にした常食に専用の粉末を加えて加熱し、もとの形に成形した食事です。細くした食事は食べやすいのですが本来の形が分かりません。自分が何を食べるのかということが分からなければ、入居者さんは食事への意欲が湧かないのです。そのため、柔らかい食事をより食べたくなる工夫として開発され始めたのです。

私が入所した頃にはソフト食はありませんでしたので、粉末は何を使えばいいのか、どれくらい加熱すれば形ができるのかと全て手探りの中で進めました。何度も試作した結果、2〜3カ月後には見た目は常食に近く、歯茎で潰せるほど柔らかいソフト食の基盤となる調理方法を確立したのです。

ソフト食を食べるお客様は主に認知症が進んでいる方なので、直接声を掛けていただいた経験はほとんどありません。それでも介護士の方から「入居者さんが前よりもたくさん食べてくれるようになりましたよ」と声を掛けていただき、さらに日々の残食率が低くなっている結果が出たことで、入居者さんに喜んでいただけているのだと達成感を得られました。

現在ではソフト食の技術を応用してさまざまな介護食を作っています。最近はカボチャの甘煮を再現しました。一度カボチャの皮の部分を作り、その上から実の部分を流し込んで成形したのです。二層構造のソフト食は調理に時間を要しますが、入居者さんの食事量向上のために取り組んでいます。
 
 
おいしい食事を作っているだけではなく、季節感にこだわったり一緒に料理をしたりとさまざまな方法で入居者の食への関心を高めているのですね。あらゆる視点から食について考え、アイデアを練る力も求められそうです。

介護食士に関心を持った方は、「自分はどんなときに食事を楽しいと思うだろう」と日常生活を普段とは異なる視点で見てみるといいかもしれませんね。
 
 
【profile】社会福祉法人伸康会 平成の家 田中美菜子

この記事のテーマ
食・栄養・調理・製菓」を解説

料理や菓子などの調理技術や、栄養や衛生などに関する基礎知識を身につけます。職種に応じた実技を段階的に学ぶほか、栄養士などの職種を希望する場合は、資格取得のための学習も必須です。飲食サービスに関わる仕事を目指す場合は、メニュー開発や盛りつけ、店のコーディネートに関するアイデアやセンス、酒や食材に関する幅広い知識も求められます。

「食・栄養・調理・製菓」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「介護食士」
はこんな仕事です

介護が必要な人に食事をつくる仕事。かむ力や飲み込む力が弱い高齢者、食事制限がある病人、身体が不自由な人など、要介護者の状態に適した調理技術や栄養学の知識を身に付け、栄養源かつ楽しみでもある食生活をサポートする大切な役割を担う。1級~3級の資格があり、1・2級は受験資格を設定。介護福祉士、ホームヘルパーなど介護関係の仕事に携わる人や、調理師、栄養士など食のプロが取得することが多い。介護施設などで働くほか、外食産業や持ち帰り食品など「中食」を提供する場でも活躍が期待される。

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