【シゴトを知ろう】解剖組織技術者 編

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【シゴトを知ろう】解剖組織技術者 編

2017.11.21

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】解剖組織技術者 編

医・歯学部の学生たちが必ず行う解剖学実習。この実習は、「献体」といって医学の発展のためにご遺族によって提供されたご遺体の存在なくして行うことはできません。

今回は、解剖組織技術者として大学に所属し、研究を行いながらご遺体の引取や管理を行う櫻井秀雄さんに、その仕事内容や学生時代に学んでいたことについて教えていただきました。

この記事をまとめると

  • 大学医・歯学部基礎部門に所属し解剖学教室と献体事務室を兼務している
  • 土日でも献体の引取連絡がきたらすぐに対応する必要がある
  • 採用に至る経緯、基礎となる医学知識を学ぶ背景はさまざまである

ご遺族からの感謝と安堵の言葉をもらうと報われた気持ちになる

Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えてください。

私は解剖組織技術者として、医科大学の基礎医学科に所属し解剖学教室と献体事務室を兼務しています。解剖学教室では医学部1年生と2年生を対象にした肉眼解剖学の講義、実習などの教育業務がある他、教授以下4名の教員がそれぞれ教育・研究業務を行っています。献体事務室は独立した部署として献体に関わる業務の全般を担っていて、私は献体事務室事務長として事務室を運営しています。

献体事務室での業務は、大きくわけて5つに分類されます。まず献体登録の受付や問い合わせ対応を含めた献体の受入と引取に関する業務、献体の防腐処置など献体の管理に関する業務、解剖学実習やサージカルトレーニング(臨床解剖実習)に関する業務、実習後のご遺体に関する業務(火葬、ご遺骨の管理、ご遺族への返還、納骨堂と墓地の管理など)、納骨堂参詣者の対応や感謝状伝達式(解剖学実習が終わりご遺骨をお返しする時期に文部科学大臣からの感謝状を伝達する式典)、解剖慰霊祭の準備と実施があります。

一日の業務は、献体問い合わせの電話対応や来室者との面談(献体の相談)が突然入ることも多く、予定通りに進まないこともよくあります。また、献体の引取の連絡はいつ入るか全く予想がつかず、朝から2件の連絡が入り、一日中引取対応に終始するという日もあります。
 
 
Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?

献体された方のご遺族が火葬に立ち会われた際に「献体してよかった」と涙ながらに感謝と安堵の言葉をかけてくださると、自分たちの仕事が報われる気がします。

また、私は解剖学教室では獣骨の鑑定と動物の骨格標本の作成整理に携わっています。この仕事は私自身のライフワークであり、作業に当たっている時間は充実していますね。特に埋蔵文化財センターによる遺跡発掘で出土した獣骨の鑑定などはとても楽しいです。
 

Q3. 仕事で大変なこと・つらいと感じることはありますか?

土日にも引取の待機当番があり、週休2日で勤務時間が固定されている職種と違って気が休まらないことが多い点です。もちろん待機中に引取の連絡が来た場合、どんなときでもすぐに動かなくてはなりません。

また、人の死に関わる仕事であり、ご遺族にとっては一生に一度の出来事なので、慣れを見せずに真摯な態度で対応することが大切です。日々気持ちを切り替えて取り組むことに努めています。

高校生の頃の写真家になる夢がこの仕事に役立った!?

Q4. どのようなきっかけ・経緯で解剖組織技術者の仕事に就きましたか?
 
専門学校時代に友人が勤めていた解剖学教室を都合により退職することになり、その後任として私を紹介してくれたのがきっかけです。そしてこの教室で出会った骨の形態学に魅せられたことが、今日まで仕事を続けてきた理由です。あくまでこれは私の例で、この仕事に就く人の中には大学を卒業した方もいますし、人によって経歴はさまざまです。また、業務の性質上定期的に募集・採用を行う仕事でもありません。

現在の職業に就くまでにガソリンスタンド、病院での検査補助、喫茶店のマスターといったアルバイトも含めいろいろな仕事をしましたが、どれも楽しく現在の仕事に少なからず役立っています。医学のごく基礎的な知識は専門学校で習得しましたが、現在の職場に入ってから学んだ解剖学的知識は膨大で、好奇心が刺激される機会も多かったです。好きなこと、楽しいことを仕事にしていく原動力になっていたと思います。


Q5. 専門学校では何を学びましたか?

臨床検査技師(医療機関においてさまざまな臨床検査を行う技術者)を養成する学校に通って解剖学・生化学(生命現象を化学的に研究する生物学)などの基本的な医学知識や、検査に必要な機器の使用法を学びました。この仕事は薬品も多く扱いますので、化学の基礎的な知識は必要不可欠かもしれません。また、感染予防や消毒などの概念もご遺体を取り扱う上で役に立っています。

 
Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?
 
高校生の頃は写真家になりたくて、写真関係の大学に進もうと思っていました。解剖したご遺体の断面や臓器を撮影する機会も多いので、写真の技術は研究業務においても大きな役割を担っており、この仕事に就いてから現像・焼き付けといった技術はすぐに生かせました。写真がデジタルになった今では無用の長物となってしまいましたが(笑)。

応用力と発想の柔軟性があると仕事の幅が広がる

Q7. どういう人が解剖組織技術者の仕事に向いていると思いますか?

解剖は長丁場になることも多いので、根気がある人が向いていると思います。また、決めた目標に向けてきちんと作業を進めていくことができる、計画性がある人も向いていますね。


Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします。

この仕事に就く人のほとんどは大学に所属して活動することになりますが、大学はそれぞれ在籍する研究者も多種多様で、仕事の仕方も個々人で全く異なります。専門的なスキルを持つことも大切ですが、応用力と発想の柔軟性があるとより仕事の幅が広がると思います。

ですので、まずは皆さんも幅広くたくさんのことに挑戦してみてください。一見関係ないようなことでも役立つ機会は多く、私のようにいろいろなアルバイトの経験を積むのも効果的だと思います。この仕事に就く、就かないに限らず、将来必ずその経験は生きてくるはずです。
 

献体に関わる多くの業務を担当している櫻井さん。皆さんにはまだあまり馴染みがない世界かもしれませんが、献体にはご本人の意思だけではなくご遺族の承諾も必要であり、取り扱うには重大な責任が伴います。自らの研究活動に加え、医・歯学の発展に不可欠な献体の管理をする解剖組織技術者の仕事。興味のある方は、まずは身近な大学の解剖学教室や献体に関係する団体を調べてみるといいかもしれませんね。
 
 
【profile】解剖・組織技術研究会 代表幹事 櫻井秀雄
【取材協力】一般社団法人 日本解剖学会

この記事のテーマ
医療・歯科・看護・リハビリ」を解説

医師とともにチーム医療の一員として、高度な知識と技術をもって患者に医療技術を施すスペシャリストを育成します。医療の高度化に伴い、呼吸器、透析装置、放射線治療などの医療・検査機器の技師が現場で不可欠になってきました。専門的な技術や資格を要する職業のため、授業では基礎知識から医療現場での実践能力にいたるまで、段階的に学びます。

「医療・歯科・看護・リハビリ」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「解剖技術者」
はこんな仕事です

研究や教育のための解剖用遺体の引き取り・管理・保存を中心に、人や動物の標本作製なども行う仕事。この仕事に就くために資格や推薦は必要ないが、技術認定制度として「解剖組織技術者」認定資格がある。医療系の学校、研究機関、医療系企業などに勤務しているのが一般的。技術者としての専門知識や技術を身に付けることはもちろんのこと、遺体を取り扱うことが人の尊厳に関わることをよく認識し、責任感を持って業務にあたることが大切である。

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