【シゴトを知ろう】審判員 ~番外編~

  • ようこそ、ゲストさん
  • ログイン
  • メンバー登録(無料)
  • エリア設定
MENU
閉じる
  • ようこそ、ゲスト さん

    メンバー登録(無料)

  • 適学・適職診断無料!

    診断を受ける

  • エリア設定

現在4校がカートに入っています。

一度に最大30校までまとめて資料請求することができます。

閉じる

「マイナビ進学」サイトが別タブでが開きます。

【シゴトを知ろう】審判員 ~番外編~

2017.10.27

提供:マイナビ進学編集部

メイン
テーマ

【シゴトを知ろう】審判員 ~番外編~

普段は仕事をしながら、週末に活動するアマチュア野球審判員。学生野球の審判も担当することから、指導者としての意識も持ちながらジャッジをしているといいます。「プロとアマチュアの違いは?」「球審と塁審って誰が決めるの?」「判定に迷うことはある?」など、誰もが思う素朴な疑問を、国際大会の審判も務めるというS級審判員の山口智久さんに伺いました。

この記事をまとめると

  • アマチュア野球審判員は指導者的立場で選手に注意をする
  • 審判員は日本では「偉そうにしない」、海外では「威厳を見せる」
  • ジャッジの間違いや迷いは引きずらないことが重要

アマチュア野球界ではグラウンドは教室、審判員は指導者

――プロの審判員とアマチュア審判員って、何が違うんですか?

簡単にいうと、プロ野球は審判をすることが仕事で、それによってお給料をもらいますが、アマチュア野球審判員は普段は普通に仕事をして、週末などにアマチュア野球(社会人や大学野球、高校野球)の審判をします。

また学生野球の審判員をすることから、アマチュア野球審判員には指導者的立場という側面もあります。以前先輩審判員から「グラウンドは選手たちの学びの場であり、審判員が教育者である」と言われたことがあります。特に高校野球の場合は試合中に監督がグラウンドに立ち入ることが一切禁じられているので、選手の挨拶や態度・服装・応援の野次など、その場にふさわしくないと判断した場合は、かなり厳しく注意します。確かに試合が始まってしまえば、ゲームコントロールは全て審判員に委ねられていますし、普段は社会人として働いていますから、一般社会では通用しない態度や言葉遣いなど、広い視野で指導をすることもあります。先生や指導者として選手に関わることが難しくても、審判員として野球の知識やマナーを教えることができるのも、アマチュア野球審判員の魅力です。


――審判員の立つ位置は決まっているのでしょうか?

アメリカの審判員ルールブックの「審判の掟」という項目に、「審判員はあらゆるプレーにおいて最も良い位置を取れ」という一文があるんですが、その最も良い位置は自分で見つけるしかありません。でも私は「自分が見えやすい・ジャッジしやすい位置」よりも、選手やお客さんが「この位置から見たら正確なジャッジができるだろう」と納得する位置のことだと思っています。

この最も良い位置を見つけるには、観客席から試合を見て、ボールの動きと連動したベテラン審判員の動きを観察することが一番の近道です。普段からプロ・アマ問わず試合をたくさん観ることは、審判員としての技術向上に欠かせません。

――球審と塁審のどちらを担当するかは誰が決めるんですか?

大きな大会などになると、審判部長のような総括する役職の人が決めます。これは大会前に審判講習会が開かれるので、そこでルール知識や実技のテストがあり、その総合点などを見て決定するようです。

ライセンス制度は、審判員を目指す人へ道筋を示してくれる

――審判員のライセンス制度について教えてください。

平成27年4月から始まったアマチュア野球審判員のライセンス制度は、これまで曖昧だった審判員になる道筋を明らかにし、その技術向上やキャリアアップに役立てられる仕組みです。ライセンスの種別は都道府県大会の審判が可能な「3級審判員」、3級で3年間審判をすると地区大会や都道府県大会の審判ができる「2級審判員」の試験を受験でき、2級で3年間審判をすると全国大会の審判ができる「1級審判員」の試験が受けられます。その上には「S級」という国際大会の審判ができるライセンスが設けられています。認定試験は実技と筆記の科目があり、それにパスすると昇級できるという仕組みです。

この制度の導入により、地方在住のアマチュア野球審判員でもライセンスがあれば全国大会や国際大会にも呼ばれる機会が増えますので、若い人たちにも積極的に審判員になってほしいと思います。


――国際審判員(S級)の資格取得は難しいですか?

私はもともと国際大会の審判は経験していたのですが、ライセンス制度導入のタイミングで改めて試験を受けました。合格ラインは審判実技で80%、ルールの筆記試験で80%の得点、全国から1級クラスの審判員が40名ほど集まって受験し、合格したのは21名でした。もちろん実技中の“I got the second!(セカンドに行きます!)”といった発声も英語でしますので、決してハードルは低くない試験だと思います。資格取得は楽ではありませんが、国際審判員は日本の審判員を代表して行く立場。海外から日本の審判レベルを査定される責任を伴う役割なので、ある程度の難易度も必要かと思います。

――国際大会での苦労話などはありますか?

実際に国際大会に行くと、ミーティングは英語とスペイン語で行います。現地では日本チームの審判はできませんので、プレー中に抗議を受ける際も全て外国語。審判員に通訳はつかないので、込み入ったケースの場合は審判員仲間が仲介をしてくれることもあります。

国際大会では審判員として威厳を保つことが非常に大切で、攻守交代の時に演出としてあえて腕組みをしたり、厳しい雰囲気を出さなければいけません。抗議を受けたら絶対に言い返しますし、下品で悪い言葉遣いをされたらすぐに退場を通告、強い口調が必要なときは日本語も使います。日本国内の試合では、審判員は偉そうにしてはいけないと言われているので、普段とは真逆の態度が必要かもしれません。

間違えないことよりも大切な「裏付ける練習」と「引きずらない気持ち」

――ジャッジに迷ったり、間違えることはありませんか?

迷いに関して言えば、コンマ何秒の世界だと思いますが、あります。ただ迷いを表に出したり、コールまで時間がかかれば選手も不安になり迷いの末に出したジャッジという誤解を受けかねません。「慌てず、急がず、正確に」というのが審判員の基本ですので、落ち着いて毅然とジャッジを出すように心掛けています。

どうしても生まれる迷いをいかに少なくするかというと、これは練習と経験しかありません。選手たちのオフシーズンやキャンプ時期の2月頃は、審判員にとっても勉強会や練習会があり、次のシーズンへの準備期間に充てられています。日常的にスピード感に慣れておくため、試合の入らない週末に練習試合の審判を頼んでやらせてもらうこともあります。練習の積み重ねが自分の自信になって、本番でミスのないジャッジにつながると思っています。

またミスジャッジに関しては、試合中「今のジャッジはどうだったかな?」「間違えたか」と頭をよぎることも正直あります。例えばストライクとボールの際どい判定のときに限って、次のボールで逆転につながるようなヒットになったりするので(笑)。しかしそれを引きずらずに次のプレーに集中することが非常に重要で、こういう部分で試合前のメンタル準備が効きますね。基本的にジャッジへの抗議は受け付けていないのですが、明らかに間違ってしまった場合などは、4人の審判員が話し合ってより正しい方に変えることもあります。昔はそのまま押し切るケースが多かったようですが、今は誰もが納得するジャッジが望ましいという方向に変わってきているようです。


――審判をしていて気を付けていることは?

試合進行をスピーディに行うことを心掛けています。これは野球全体の試合時間短縮を目指したものでもありますが、実は以前先輩審判員から「ピンチとチャンスのために時間を貯めておけ」と言われたことがあるんです。どんな試合であっても、ピンチとチャンスは必ず両チーム平等に訪れます。その時に選手や監督たちが焦ったり、試合が途中で切り上げなどにならないよう、通常の試合進行はスピーディにするようにしています。



正確なジャッジをするために、オン・オフシーズン関係なく練習を重ねるという野球審判員。また日本を代表して海外に赴き華やかなイメージがある国際審判員ですが、海外ではU-18など若い選手ほどフレンドリーに接してくる傾向があるため、「厳しく威厳ある態度を崩さないように気を張っている」と苦労話も語ってくれました。技術力や清廉な態度を求められる野球審判員。いくつになっても野球に携わることができる、野球好きにとっては夢の職業かもしれませんね。


【profile】アマチュア審判員 山口智久

この記事のテーマ
健康・スポーツ」を解説

スポーツ選手のトレーニングやコンディション管理に関わる仕事と、インストラクターなどの運動指導者として心身の健康管理やスポーツの有用性を広く一般に伝える仕事に大別できます。特に一般向けは、高齢化の進展や生活習慣病の蔓延が社会問題化する中、食生活や睡眠も含めて指導できる者への需要が高まっています。授業は目指す職業により異なります。

「健康・スポーツ」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「審判員」
はこんな仕事です

スポーツの試合を円滑に進行させるために、各競技のルールにのっとって判定をする仕事。野球やサッカー、ボクシングや柔道、競馬や競輪など、さまざまなスポーツ分野に審判が存在する。競技のルールについて熟知していることは当然だが、試合中に長い時間動き回ることもあるため、十分な体力が必要になる。審判員になるためには、格闘技ではレフェリーは各団体に所属し、競馬や競輪などの場合各団体に就職する。プロサッカーの審判は資格が必要であり、公益財団法人日本サッカー協会が認定する資格を取得しなければならない。

「審判員」について詳しく見る

あなたの適性にあった学びや仕事が見つかる

適学・適職診断

無料

進学・適職診断を受ける