【シゴトを知ろう】利き酒師 編

  • ようこそ、ゲストさん
  • ログイン
  • メンバー登録(無料)
  • エリア設定
  • 保護者・先生の方へ
MENU
閉じる
  • ようこそ、ゲスト さん

    メンバー登録(無料)

  • 適学・適職診断無料!

    診断を受ける

  • エリア設定

現在4校がカートに入っています。

一度に最大30校までまとめて資料請求することができます。

閉じる

「マイナビ進学」サイトが別タブでが開きます。

【シゴトを知ろう】利き酒師 編

2017.09.26

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】利き酒師 編

日本酒の輸出金額はここ10年で2.5倍(2006年は約61億円、2016年は約156億円)となり、世界的に人気が高まっています。ボトルには、精米歩合や日本酒度など味の傾向を示す情報が記載されてはいますが、数ある銘柄の中から好みの日本酒を見つけるのは難しいものです。漫才コンビ「にほんしゅ」の北井一彰さん(画像右)とあさやんさん(同左)は「利き酒師(=唎酒師)」の資格を取得したことが転機となり、現在は漫才を通して日本酒を広める活動をされています。にほんしゅのお二人に、仕事のやりがいなどについてお話を伺いました。

この記事をまとめると

  • 日本酒の魅力を多くの人に伝える! 提案次第で人の気持ちを動かせるやりがいのある仕事
  • 酒販店に住み込んで勉強!? 大阪の漫才師が上京し、自分たちならではの強みを模索
  • 日本酒についての知識だけではなく、取捨選択する力や伝える力が必要

自分たちの提案がお客さまの心を動かす

Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えてください。

北井さん・あさやんさん:
唎酒師は、「日本酒版のソムリエ」というと分かりやすいかもしれません。日本酒を販売しているお店や居酒屋などの飲食店、日本酒をテーマとするイベントにおいて、お客さまから味の好みやご希望の価格帯などを伺って、お客さまに合った日本酒を提案しながら日本酒の歴史や知識、魅力を伝えています。

唎酒師の資格は、日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)が認定しています。認定を受けるには、基本的に講習を受けて試験に合格する必要があり、現在、約3万人が資格を所有しています。

<ある一日のスケジュール>
09:00 酒販店の開店前にお店入り、商品の納品、棚への陳列、倉庫管理
12:00 昼食
13:00 接客、イベントの際は出店準備、テイスティング、日本酒の味わいや飲み頃の温度などをお客さまにご案内
18:00 仕事終了
※イベントによっては、仕事終了が23:00以降になることも。


Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?

北井さん:
唎酒師としても漫才師としても人に喜んでもらうことが好きなんです。唎酒師としては、お客さまの好みを伺って、その方が探している日本酒に限りなく近い、またはそれ以上のものをご紹介できるように思考を巡らせている時にやりがいを感じますね。

お客さまは、ボトルに貼ってあるラベルだけではどのような味なのかが分からなくて私に質問されます。最終的に私の提案によって日本酒を購入された方に対しては、「買っていただいてありがとうございます」という気持ちになりますし、お客さまから「選んでくれてありがとう」とおっしゃっていただけるご案内ができたときはうれしいですね。これは、私たちのベースとなっている漫才の世界に通じるものがあります。

あさやんさん:
私たちの提案がきっかけで日本酒にはまるお客さまがいらっしゃるとうれしいです。
以前博多で、主に福岡県内の蔵元が集うイベントがありました。県外から来場されたお客さまにある日本酒を薦めたところ、「とてもおいしいですね!」と喜んでくださったんです。そして、他の蔵元のお酒も気になるとおっしゃって、その日のうちにそのイベントに出店していた10の蔵元ブース全てに足を運んで日本酒の飲み比べをされたそうです。そこまで気に入っていただけてありがたいと感じました。


Q3. 仕事で大変なこと・つらいと感じることはありますか?

北井さん:
夏には「夏酒」、秋には「ひやおろし」というように日本酒には季節に合った商品があり、このような商品は基本的にその季節に売っていかなければなりません。ですので、思っていたよりも販売数が伸びない時や売れ残ってしまった時などは、蔵元さんの顔が思い浮かんでしまうのでつらいですね。お客さまへのお薦め方法などをもっと工夫すればよかったと反省することもあります。

あさやんさん:
1日に何百種類もの日本酒の香りを嗅いだりテイスティングをしたりしていると酔いが回るので、イベントが続くとつらいときがあります。また、仕事なので、「体調が悪いから今日は飲むのをやめよう」というわけにはいきません。もともとお酒を飲むことが好きで始めた仕事なので、幸せなつらさなのですが(笑)。

ほかには、どのお酒も甲乙つけ難いので、評価して順位付けしなくてはならない時は大変です。

漫才を通して日本酒の魅力を伝える。自分たちにしかできない役割に出合えた

日本酒に関するセミナーで講師をすることも

日本酒に関するセミナーで講師をすることも

Q4. どのようなきっかけ・経緯でこの仕事に就きましたか?

北井さん:
私たちは大阪出身のコンビのお笑い芸人で、もともとは大阪の劇場で漫才をしていました。芸歴を6、7年重ねた時、お客さまに自分たちをもっと見てもらえるチャンスを増やすため、好きなことを極めようと思ったんです。
知人から日本酒に関する資格があると聞いて、「日本酒ナビゲーター」(*1)の資格を取りました。そして、その時の講師の方の実家が千葉県で酒販店をされていたので、唎酒師の資格を取る勉強をするために当時の所属事務所を辞めて上京し、住み込みで約7カ月間仕事をしながらお酒や日本酒のことを勉強しました。

その酒販店が入っているビルは、地下1階が居酒屋、1階が酒販店、2階が事務所、3階がバーの通称「お酒ビル」で、酒販店の仕事をしながら唎酒師の資格を取得し、地下の居酒屋で週に1度お酒をテーマにした漫才を披露していたことが、「漫才師」であり「唎酒師」という私たちの今のスタイルにつながっています。


Q5. 大学では何を学びましたか? もしくは、この仕事に就くために何を学びましたか?

北井さん:
大学に進学し、文化歴史学部で古代歴史について学びました。歴史やお寺、神社に興味があったので、歴史に関連するいろいろな場所へ行くことが趣味の一つでしたね。

あさやんさん:
高校時代はサッカーに夢中の日々を送り、チームワークなどのスポーツマンシップや直感で動くことを学びました。その経験が、唎酒師として酒蔵の杜氏(*2)の方や酒販店の皆さんとイベントを作り上げていく現在の仕事に役に立っている気がします。


*2 杜氏(とうじ):日本酒を造る職人たちをまとめる現場の最高責任者のこと。日本酒を造る職人のことを指す場合もある。


Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?

北井さん:
高校生の時は「漫才師になろう!」と心に決めていました。大学では歴史を専攻しましたが、結局回り回って日本の歴史についての知識も必要とされる唎酒師と漫才師の仕事をすることになり、半分宿命のようなものを感じています。

あさやんさん:
サッカー選手になることが夢だったので、まさか漫才の世界に入ってから日本酒について勉強し、現在のような活動をしていることは想像もしていませんでした。でも、サッカーに力を注いでチームで連携することの楽しさや大切さを知ったことが、今の仕事につながっているのかもしれません。

知識を披露する仕事ではない! コミュニケーション力が求められる

イベントでの一コマ。日本各地のさまざまな銘柄の日本酒を試飲するあさやんさん

イベントでの一コマ。日本各地のさまざまな銘柄の日本酒を試飲するあさやんさん

Q7. どういう人が唎酒師に向いていると思いますか?

北井さん:
この仕事は伝える能力がないと難しいです。日本酒についていろいろ知っていることを自慢気に話すような人とは、一緒に会話していても楽しくありませんからね。それでは、その人がただ単に知識をひけらかしているにすぎません。
プロとして相手をよく見て、意を酌んで接することができる人が唎酒師の仕事に向いています。

あさやんさん:
料理に興味がある人がいいですね。お酒に合う料理を提案することで、日本酒の楽しみ方の幅が広がります。私たちは簡単なおつまみくらいしか作れないので、お客さまとより深い会話をするためにも、もっと勉強しなくてはと思っています。

また、積極的に利き酒ができるイベントに出向いて、さまざまな日本酒を飲み比べて舌を鍛えることも大切なので、どんな状況でも楽しめる人が向いています。知識や情報があふれている中で、自分の軸をしっかりと持っていることも必要です。


Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします。
 
北井さん:
私の場合、紆余曲折を経て唎酒師の仕事にたどり着きました。自分が好きなことをどうやったら魅力的に伝えられるかについて、勉強をして知識を積み重ねることが重要です。

日本酒に深い魅力があることに、日本だけではなく世界中の人が気付き出したので、その素晴らしさを伝えるには、銘柄や醸造方法、作られた土地の歴史、気候、食、器(焼き物)についても学ぶ必要があります。
また、唎酒師になれば仕事があるわけではありません。資格取得はあくまでもきっかけにすぎず、どんな表現の場を作っていくかが課題です。私たちは漫才を通じて日本酒の魅力を広めていますが、自分なりの表現方法を考えてどんどんチャレンジしてほしいです。

あさやんさん:
迷ったときは直感が大切です。私は直感を信じてきて良かったと実感しているので、興味があることに出合ったら、あれこれ考えずにそちらへ進むことをお勧めします!


漫才師の在り方に固執するのではなく、より活躍できる場を求めて日本酒の世界に飛び込んだ北井さんとあさやんさん。その決断力と行動力があったからこそ、「にほんしゅ」は唎酒師としても漫才師としても独自の魅力を持つことができています。

何かを人に伝える仕事、物を創造する仕事に就くことを考えている人は、周りの人の意見を尊重しつつも、自分独自の考えを持ったり新たな見方をしたりすることを習慣づけるといいかもしれませんね。


【profile】日本酒のきき酒師の漫才師「にほんしゅ」 北井一彰、あさやん

「にほんしゅ」公式ウェブサイト http://nihonshu-sakemanzai.com

写真提供:にほんしゅ


●参考URL(日本酒輸出金額)
http://www.nta.go.jp/shiraberu/senmonjoho/sake/yushutsu/yushutsu_tokei/index.htm

この記事のテーマ
食・栄養・調理・製菓」を解説

料理や菓子などの調理技術や、栄養や衛生などに関する基礎知識を身につけます。職種に応じた実技を段階的に学ぶほか、栄養士などの職種を希望する場合は、資格取得のための学習も必須です。飲食サービスに関わる仕事を目指す場合は、メニュー開発や盛りつけ、店のコーディネートに関するアイデアやセンス、酒や食材に関する幅広い知識も求められます。

「食・栄養・調理・製菓」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「利き酒師」
はこんな仕事です

民間団体が資格認定を行っている、いわゆる日本酒のソムリエのような資格。飲食店や酒の販売店、宿泊業や旅行代理店で働く人や、日本酒愛好家など幅広い人が取得している。日本酒の知識はもちろん、食品や飲料の知識、テイスティングなどの力を身に付け、顧客の好みや料理に合った日本酒を提案する。和食に限らず幅広い料理に合う日本酒を提案するので、料理に興味がある人にも向く仕事。顧客と会話しながら一人ひとりの好みや体調を知ることも重要であるため、コミュニケーション能力が求められる。

「利き酒師」について詳しく見る

あなたの適性にあった学びや仕事が見つかる

適学・適職診断

無料

進学・適職診断を受ける