海の砂漠! 「磯焼け」の謎に迫る

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海の砂漠! 「磯焼け」の謎に迫る

2015.10.06

提供元:マイナビ進学編集部

海の砂漠! 「磯焼け」の謎に迫る

磯焼けとはどのような現象か、発生する理由は何かについて解説します。同時に藻場の機能、水産業への影響について取り上げます。なぜ磯焼けがウニ漁獲量に影響するのかについて、藻場とウニの生活史に関する研究の考察を紹介します。

この記事をまとめると

  • 磯焼けとは藻場がなくなること。その影響は?
  • 最近よく起こる磯焼け。その原因はどんなものが考えられる?
  • 磯焼けの影響やメカニズム解明は「水産学」のテーマである

海のゆりかごが消える?

アマモなどの海草やコンブ、ホンダワラなどの大型海藻が茂る場所は藻場と呼ばれ、多くの生物の棲みか、成育の場として大切であるため海のゆりかごとも言われています。

近年、藻場が消えてしまう磯焼けの発生が問題とされています。磯焼けという言葉はもともと伊豆半島の方言で、大型の海藻の大部分が沿岸の一部で枯れてしまいウニやアワビなどの漁獲量が激減することを意味します。

磯焼けは北海道から沖縄県まで太平洋岸から日本海岸を問わず日本各地で起こり、その見た目から英語では「海の砂漠」と呼ばれます。磯焼けが起こると藻場に棲む生物が姿を消すだけでなく、ウニのような水産上重要な生物の水揚げが減るという漁業被害、藻場で光合成により栄養塩が消費されなくなるため環境の汚染が進むなどの問題が起こります。

なぜ磯焼けが起こるの?

現在のところ、磯焼けの原因は大きく分けて3つあります。

1つ目は自然環境の変化、
2つ目は人間活動の影響、
3つ目が植物を食べる動物の影響です。

1つ目には、降雨などの一時的な変化と海水温の上昇、海の養分が少なくなるなどさまざまなものが含まれています。特に近年は地球温暖化の影響により海水温が上昇することにより、昔よりも磯焼けが多く、長期的に発生するのではと心配されています。

2つ目の原因ではダムの影響が有名です。もし雨がたくさん降った場合、推移を調節するためダムの放水が行われます。このとき大量の土砂が海にそそがれますが、このような土砂は海流により流され不安定です。そのため海底の海草の種子、海藻の動く胞子が流されやすくなったり発芽しにくくなったりしてしまうのです。

増えるウニと減る海藻

では、3つ目の原因である植物を食べる生物の影響とはなんでしょうか。このような生物には草食性の魚やウニのような無脊椎動物が含まれます。特にウニは藻場と深い関係にあることで有名で、ラッコの数が減ったためウニが大増殖し、コンブの藻場がなくなったというニュースはよく知られています。ウニは卵からふ化したあと海を漂って生活し、変態、着底して赤ちゃんウニとなります。

このプロセスにおいて、大型海藻群落である藻場が作り出すある物質は変態を妨げます。反対に、無節サンゴ藻類と呼ばれる小さな藻類の群落はウニの変態を促します。赤ちゃんウニの数が少ないと食べられる海藻の量は少なくなり藻場の規模は保たれますが、数が多いと食べられる海藻の量が多くなり藻場は小さくなって磯焼けが進みます。餌の海藻がなくなりウニは死んでしまうため、藻場がなくなるとウニの漁獲量が激減してしまうのです。

磯焼けのような問題は水産業に直接影響するのはもちろん、水質汚染にも関係するため水産学や環境学の研究テーマの一つです。いつまでもおいしい魚、貝、ウニを食べたいという人はぜひ水産学や環境学を学んでみてはいかがでしょうか。

(参考文献)
日本水産学会(編)(1981)『藻場・海中林』恒星社厚生閣.水産学シリーズ38
谷口和也(編)(1999)『磯焼けの機構と藻場修復』恒星社厚生閣.水産学シリーズ120
谷口和也・吾妻行雄・嵯峨有恒(編)(2008)『磯焼けの科学と修復技術』恒星社厚生閣.水産学シリーズ160

この記事のテーマ
農学・水産学・生物」を解説

私たちはほかの生物から栄養をもらって生活をしています。しかも、採集や狩猟だけではなく、食物を生産するという手段を得て、今日のように繁栄しました。人口増加や環境悪化などに対応し、将来的に安定した食料の確保を維持するためには、農業、林業、水産業などの生産技術の向上が必要です。さらに突き詰めて考えれば、動植物や微生物などの多様な生物に対する研究も重要です。自然との共生が大きなテーマになる学問です。

「農学・水産学・生物」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「水産学」
はこんな学問です

海洋に生息する動植物などの水産資源を捕獲・生産する漁業についての学問である。最近では、干潟の埋め立てやごみの不法投棄など、海洋の環境問題についての研究も盛んである。専門分野としては、海の生態系と海洋生物の生態を調査・分析して漁業や環境保全に活用する「海洋生物科学」、水産資源の効率的で持続的な捕獲・生産方法から加工・流通までを研究する「海洋生産管理学」、水産物の食品としての利用技術を研究する「水産食品化学」などがある。

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