池の水質や生態系を守るため!? 公園の池の水を抜くとどうなる?

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池の水質や生態系を守るため!? 公園の池の水を抜くとどうなる?

2017.10.11

提供元:マイナビ進学編集部

池の水質や生態系を守るため!? 公園の池の水を抜くとどうなる?

私たちが日ごろ目にする公園の池。この池の中には鯉などの魚がいる場合がありますが、実は水質や生態系を脅かすあるものが増えがちなことをご存じですか? 池の中は、一体どうなっているのでしょうか?

この記事をまとめると

  • かいぼりのメリットには、外来生物の駆除、生態系の改善などがある
  • かいぼりは、皇居のお濠(ほり)や大きな公園でも行われている
  • 普段は入れない池の底をめぐり歩く「池底ツアー」を開催した公園もある

池の中に溜まった土砂やヘドロ……どうすればいい?

長い間、野外で池の水が溜まったままの状態であると、外の環境からの影響を多く受けることになります。例えば、外から風に乗って飛んできた土や砂が土砂となり、また、池の中に生息する微生物をはじめとする生物の死骸や排泄物などは降り積もるとヘドロとなり、池の底に溜まっていきます。このような土砂やヘドロが池の中で増え堆積すると、水質にも悪影響を及ぼします。

さらに、大きな公園などの池で増えがちなのが外来種(ほかの地域から入ってきた生物たち)の魚。池の中で外来種が増えてしまうと、在来種(その地域に古くから存在する生物たち)の生態系を崩すことにもつながるため、害があるといわれています。

公園の池などでは、これらの水質や生態系への悪影響を防ぐために、池の水を一時的に抜くことが行われています。池の水を抜くとは、一体どういうことなのでしょうか?

池の水を抜いて、水質を改善する「かいぼり」

池の水を一時的に抜いて、水質や生態系の改善を図る作業を「かいぼり」といいます。もともと日本の農地では、農作業をしない時期にため池の水を抜き、魚の捕獲や護岸の補修・点検をしていました。これが、かいぼりの始まりです。

このかいぼりは、有名なお濠(ほり)や公園でも行われています。皇居の周辺を取り囲む「皇居外苑濠」でも、これまで定期的にかいぼりを実施してきました。皇居外苑濠は、もともとは江戸城を守るお濠として作られましたが、一時期、濠の一部ではアオコ(プランクトンの一種)が大量に発生し、水質が悪化してしまいました。その後、水を浄化する施設の設置やかいぼりによって徐々に水質は改善され、お濠の生態系もプランクトンから水生植物が主体になったそうです。

また、東京都三鷹市と武蔵野市にまたがっている井の頭恩賜公園では、開園100周年を迎える際の取り組みとして、かいぼりを実施。その際、多くの人に関心を持ってもらえるように、「かいぼりボランティア」という企画も行われました。かいぼりボランティアでは、体験イベントとして、普段は入れない池の底をめぐり歩く「池底ツアー」を開催。また、池干し期間中には、かいぼりの状況を伝えるための「かいぼり屋<かいぼりステーション>」が池のほとりに開設されるなど、ユニークな取り組みが行われています。

かいぼり前の井の頭公園の池は水質が悪化し、外来種だらけの生態系でした。しかし、かいぼりをしたことにより、これまで絶滅したと考えられていたイノカシラフラスコモといった在来の水草が、約60年ぶりに復活。さらに、外来種を駆除したため在来種を捕食する魚類もいなくなり、モツゴ、エビ類といった在来種が増加したそうです。

水を抜く理由は、池の底を空気にさらすため!

かいぼりは、池の底を空気にさらすことで、水質改善を可能にしています。水が濁っている池は、庭泥から窒素やリンが水中に溶け出し、アオコなどの植物プランクトンが繁殖しています。しかし池底を空気にさらせば、窒素が空気中に発散され、リンは水に溶けにくい状態に変わるのです。

また、池の水を抜いた際に、生態系を荒らす外来生物の駆除、水生植物の管理、ゴミの駆除なども行うことができるという点も、かいぼりのメリットとして挙げられます。池の中の生態系が守られれば、在来種が外来種に食べられてしまったり、絶滅してしまったりすることを防ぐことができます。

「生物学」は、このような地球の生態系から生物の細胞の世界まで、さまざまなレベルで起きている生命現象を実験・観察することで研究する学問です。研究対象は、人間を含めた動物・植物・微生物など、あらゆる生命体です。かいぼりの他にも、生態系を改善する方法がないか探ってみたい人にとってはぴったりの学問だといえるでしょう。また、公園などのある環境における生物の暮らしなど、生物と環境の関わりを研究することも生物学の分野にあたります。

また、実際に公園といった公共の場の環境整備を行うのは、「官公庁」です。官公庁とは、国と地方自治体の役所の総称。今回紹介した皇居外苑濠の水質改善は、「環境省」が行っており、井の頭恩賜公園のかいぼり事業は、「東京都建設局」が行っています。

かいぼりを通して生物の生態系を改善すること、生物に関わることに興味が湧いた人は、ぜひ生物学を学んで、将来その学びをどのように生かせるのか考えてみてくださいね。

【参考文献】
井の頭恩賜公園|かいぼり
http://inokashirapark100.com/water_green/kaibori/#torikumi

この記事のテーマ
農学・水産学・生物」を解説

私たちはほかの生物から栄養をもらって生活をしています。しかも、採集や狩猟だけではなく、食物を生産するという手段を得て、今日のように繁栄しました。人口増加や環境悪化などに対応し、将来的に安定した食料の確保を維持するためには、農業、林業、水産業などの生産技術の向上が必要です。さらに突き詰めて考えれば、動植物や微生物などの多様な生物に対する研究も重要です。自然との共生が大きなテーマになる学問です。

「農学・水産学・生物」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「生物学」
はこんな学問です

マクロな地球の生態系からミクロな細胞の世界まで、さまざまなレベルで起きている生命現象を実験・観察することによって研究する学問である。人間を含めた動物・植物・微生物など、あらゆる生命体が研究対象となる。主な研究分野としては、タンパク質を中心にした生体内の高分子の機能をその構造から研究する「構造生物学」、生態系の構成要素である生物と環境の関わりを研究する「環境生態学」などがある。

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