【シゴトを知ろう】食品衛生監視員 ~番外編~

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【シゴトを知ろう】食品衛生監視員 ~番外編~

2017.10.10

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】食品衛生監視員 ~番外編~

国が異なると製造方法や添加物にも違いがあり、我が国の食経験に応じて製造基準、使用基準が定められているものもあります。そういった輸入食品を監視・検査する仕事が食品衛生監視員。

今回は、食品衛生監視員の杉山彰啓さんに、この仕事ならではの「あるある」や、思い出深いエピソードについてお話いただきます。

この記事をまとめると

  • 検疫所には食に関するさまざまな分野のエキスパートが集まっている
  • 休日は工場見学に出向き、指導に役立てている
  • 普段と異なる環境の中で行う指導は緊張した分、達成感も大きかった

さまざまな分野の専門家が協力する職場

――食品衛生監視員にはさまざまな専門知識を持った方がいらっしゃると聞きましたが、杉山さんの職場ではどんな方が活躍していますか?
 
私が働く横浜検疫所には獣医学や薬学の他に農学、栄養学などの各分野から食品衛生に関するエキスパートが集まっています。輸入食品の監視は添加物だけではなく、微生物や農薬が与える人体への影響も考慮して行われているため、幅広い人材が集まるのです。食という共通の要素を含んでいても、それぞれが異なる専門知識を持っていますので、お互いが持つ知識を生かしながら働いています。
 
 

プライベートな遊びが指導につながっている

――食品衛生監視員ならではの「あるある」を教えてください。

買い物に行くと、食品の表示から生産国や原材料、添加物を確認する癖が身に付きました。

また、休日は検疫所の職員と一緒に酒蔵や食品の工場見学をすることもあります。食品そのものが好きな人が集まっているので、みんなで遊びに行くとしたら自然と工場見学になってしまうのです(笑)。プライベートとして足を運んでいますが、業者へ指導するときに製造ラインを知っていると具体的な指導内容をイメージしやすくなりますし、仕事にも役立っています。
 
 
――日本の法律に詳しくない方へ指導をする際に心掛けていることはありますか?

審査や検査は日本の食品衛生法に基づいているのですが、近年の状況を踏まえて法律が改正される場合があります。改正に伴って検疫所で行う検査の方法や検査項目も変更しますので、輸入業者の方にはこうした指導の根拠となる部分を噛み砕いて説明するようにしています。その際には、改正の通知はどこで確認できるのか、改正にいたる背景や解釈も含め分かりやすく伝えるよう心掛けています。

他にも検査が必要な食品が届出されたときや、必要な検査についての相談があれば、同様の説明をしています。また、その後の輸入業者さんが取るべき対応についても、具体的な例をあげて理解しやすい指導を心がけています。
 
 

アジア最大級の食品展示会では、輸入相談に行列ができた

――仕事の中で一番の思い出や達成感を感じたエピソードを教えてください。

食品衛生監視員になって4年目の頃、上司が輸入食品の相談役として大規模な食品展示会に派遣され、その補助をした経験がありました。その食品展示会は海外の食品を紹介することを目的としていて、多くの日本の食品業者が良い食材はないかと足を運んでいました。その規模はアジアの中でも最大級で、出展ブースは国内外の参加者を合わせると約4,000ブース、来場者は約85,000人もいました。

私は展示会場に設置された輸入相談用のブースで、輸入経験のない方からの輸入手続きに関する質問に答えていました。相談者の多くが「そもそも輸入をしてもいいのですか」「どうすれば輸入ができるんですか」といった初歩的な疑問を抱く方や、「自分の国では一般的に食べられているけど、日本で流通していない食品を輸入してもいいのでしょうか」といった相談をする外国人の方でした。こうした質問には、法律や届出の書き方を丁寧に説明する必要があるのですが、あまりにもたくさんの人が足を運んでくれたこともあって、ブースには行列ができてしまったのです。その様子を目にした私は、こんなに待たせてしまっていいのかなというプレッシャーを感じていたのですが、上司の手助けもあって、相談者に対して必要な手続きや書類の説明ができました。

普段とは異なる環境の中で説明をする緊張もありましたが、相談が終わったときに相談者から感謝の言葉をかけられて、大きな達成感を得られました。
 
 
国が違えば食品に使用する添加物も、製造方法も異なります。杉山さんのお話から、さまざまな側面から食品を監視することで食の安全が守られていると分かりました。

輸入食品に対して不安な気持ちを持つかもしれませんが、食品衛生監視員の役割を知っていると安心して食事ができそうですね。
 
 
【profile】横浜検疫所 食品監視課 杉山 彰啓
【取材協力】厚生労働省

この記事のテーマ
食・栄養・調理・製菓」を解説

料理や菓子などの調理技術や、栄養や衛生などに関する基礎知識を身につけます。職種に応じた実技を段階的に学ぶほか、栄養士などの職種を希望する場合は、資格取得のための学習も必須です。飲食サービスに関わる仕事を目指す場合は、メニュー開発や盛りつけ、店のコーディネートに関するアイデアやセンス、酒や食材に関する幅広い知識も求められます。

「食・栄養・調理・製菓」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「食品衛生監視員」
はこんな仕事です

全国の主要港の検疫所において、輸入食品の安全監視および指導、検査、検疫衛生などの業務を行う仕事。厚生労働省が認定する資格で、国・地方自治体など行政機関の職員である。食品衛生法の規定に基づき、食品に起因する食中毒や衛生上の危害などを防止し安全を確保する、人の健康を守るための重要な仕事だ。受験資格があるのは、養成施設や大学の薬学、畜産学、水産学、農芸化学科の卒業生。専門知識を身に付けることはもちろん、さまざまな輸入業者と接することが多いので、コミュニケーション能力も求められる。

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