【シゴトを知ろう】いのちの電話相談員 編

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【シゴトを知ろう】いのちの電話相談員 編

2017.10.17

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】いのちの電話相談員 編

いのちの電話は自殺防止を目的としてボランティアで電話相談を受けている団体です。相談員になるには23歳から65歳の心身ともに健康な人という条件がありますが、「誰かの役に立ちたい」という気持ちがあれば研修を受け、目指すことができます。30代後半の頃から相談員の活動を続け、現在は研修講師として団体に携わる末松渉さんに、あまり知られていないいのちの電話相談員の活動について詳しく伺いました。

この記事をまとめると

  • アドバイスをするのではなく、気持ちと気持ちをやり取りする
  • 人への興味や想像力があって人を思いやれる人に向いている
  • 学ぶことは自分を知っていくこと。あらゆることが学びにつながる

相談者の今の気持ちにフォーカスする

Q1. 活動の概要を教えてください。

いのちの電話は、自殺を考える人、孤独を感じている人たちの悩みを聞く電話相談機関です。現在全国に52カ所の拠点があり、相談員は皆ボランティアです。私が所属する東京センターは24時間体制で、相談員は4時間程度のシフトを月2回担当します。相談の時間は1回あたり平均30分程度。お互いに名乗ることはありません。人生・家族・仕事上の悩みを抱えている方や、精神の病にかかっている方、孤独でつらい思いをしている方など、悩みは大抵一つではなく、いくつかの問題を抱えて電話を掛けてこられる方が多いです。

いのちの電話のキャッチフレーズは「こころとこころをつなぐ」。私たちは気持ちの通い合いを大切にし、基本的にアドバイスはしません。相談者の今の気持ちに寄り添い、耳を傾け、相手の思いをきちんと受け止めることを大切にしています。必要な時には、問題を解決するのに適切な機関をご紹介することもあります。


Q2. どんなときに活動の楽しさ・やりがいを感じますか?

一緒に活動している相談員仲間の存在が大きいですね。私たちは約2年の研修期間を経て相談員になりますが、研修生時代の同期とは今でも仲が良いです。また、私は現在研修講師としての立場なのですが、そこでも出会いは広がります。仕事だけをしていたら接点がなかったであろう、さまざまな年齢・職業・バックボーンを持つ方々と出会え、「少しでも悩んでいる方の力になれたら」という志を仲間と共有できることに喜びを感じます。


Q3. 活動の大変さを感じるのはどんなところですか?

ボランティアで携わっているため、本業が忙しいときに相談員のシフトが入ると、つい気持ちに余裕がなくなってしまうこともあります。でも電話を掛けてくださる方は、私のそのような状況など知らないわけですから、いつでも心を整えて対応しないといけません。気持ちの切り替えが最も大変ですね。

臨床心理学やコミュニティ心理学を学んだ経験も生かしたかった

Q4. どのようなきっかけでこの活動に参加しましたか?

都立高校の教員だった38歳のときに、妻が相談員のボランティアをしていたことをきっかけに私も始めました。大学院で臨床心理を専攻していたので、それを生かしたいという思いもありました。


Q5. この活動に参加するためにどのようなことを学びましたか?

これまでの人生経験が、この仕事に就くための学びでもありました。

大学は法学部で学び、卒業後は百貨店に3年半ほど勤めました。入社した当初から職場が合わないと感じ悩んでいましたが、悩み続けたその3年半が今の相談活動に役に立っています。大切な時期でしたね。

退社後に学士入学で哲学を学び、教員となりました。当時はいじめが社会問題となっていた頃。力で抑える指導法に疑問を持ち、カウンセリングについて学びたいと思って、臨床心理学とコミュニティ心理学を学ぶために大学院へ進学しました。コミュニティ心理学は学校や医療機関などの領域にこだわらず、地域全体で支え合おうというもので、今考えると、いのちの電話のコンセプトに通じるものがありますね。


Q6. 高校生のとき抱いていた夢や経験したことが、現在の活動につながっていると感じることはありますか?

直接つながっていることはありませんが、さんざん馬鹿をやってきたことは今につながっているかもしれません(笑)。賢く真面目に生きていただけでは分からなかったかもしれない、人生の豊かな味わいを知ったのは、良かったなと思います。自分なりの物の考え方ができた時期でした。

やりたいようにやりなさい

Q7. どういう人がこの活動に向いていると思いますか?

温かい人でしょうか。そして素朴で相手を大切に思う心を持っている人。相談員を募集する際は、自分自身が悩み事を抱えている方には、それが落ち着いてから応募してくださいとお伝えしています。同時に、悩み・思うようにいかないことを乗り越えてきた方にこそ向いている活動でもあります。そういう経験が温もりにつながりますし、問題に対処できる力も身に付きますからね。自分のことしか考えられない人ではなく、人への興味や想像力があって、人を思いやることができる人がいいと思います。


Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします。

周りに気を遣い過ぎたり、周りの評価を真に受けたりするのでなく、「やりたいようにやりなさい」と言いたいです。そうじゃないと、生きる力は身に付きません。私たち大人の責任でもありますが、冒険することを怖がったり、ちょっと失敗しただけで心を閉じたりしてしまう子が多いように思います。傷つくことが怖いのは分かりますが、そのようなリスクを引き受けないと人は変われません。自分を変える体験にどんどんチャレンジしてほしいなと思います。

どんな学びであっても、学ぶことは自分を知っていくことにつながります。私は相談員の活動を始めてから、そのことに気付きました。回り道をしてきましたが、そのおかげで自分を知り、人への理解も深まり、それが相談業務に生かされました。学ぶというのは本当に楽しいことです。ぜひそれを知ってほしいなと思います。



末松さんは定時制高校や進学校のスクールカウンセラーとしても活動されているので、高校生と接する機会は多いそうです。「やりたいようにやりなさい」という温かいメッセージが心に残りますね。


【profile】社会福祉法人いのちの電話 理事 末松渉
https://www.inochinodenwa.org

この記事のテーマ
福祉・介護」を解説

現場で福祉を担う介護福祉士などのスペシャリストや、福祉サービスの企画・提案ができる人材を育成します。通常の生活を営むことが困難な人の生活を助けるための専門知識、技術を身につけ、職種により就業に必要な資格取得を目指します。高齢化が進む中、精神的なケアや寝たきりを防ぐための運動指導など、必要な専門知識や技術も幅広くなっています。

「福祉・介護」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「いのちの電話相談員」
はこんな仕事です

自殺を考えている人からの電話を匿名で受け、悩みを聞いて心の支えとなる仕事。活動は原則として月2回。相談員に認定されるには、書類審査や面接などの手続きを経て、所定の養成課程を修了する必要がある。養成期間は各地域のいのちの電話団体で異なるが、基本的には2年間。1年目は座学とロールプレイング、2年目はインターン実習で共感力や聴く力を訓練する。完全無報酬のボランティアで、交通費および数万円の研修費用もすべて自己負担だが、尊い人命を水際で救っているという誇りと使命感を持つことができる。

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