【シゴトを知ろう】環境分析技術者 編

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【シゴトを知ろう】環境分析技術者 編

2017.09.29

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】環境分析技術者 編

「イタイイタイ病」や「水俣病」といった公害問題について授業で学んだ方は多いのではないでしょうか。これらの原因でもある有害物質から人や環境を守るために、河川や土壌に含まれる成分を分析する仕事を「環境分析技術者」といいます。

今回は株式会社オオスミで分析を行っている石川潤さんに仕事内容や、仕事のためにした勉強について伺いました。

この記事をまとめると

  • あらゆる環境調査のために物質中に含まれる有害物質を分析している
  • 大学と専門学校に通い化学や分析化学の技術を学んだ
  • 環境保全は現状の認識が重要であり、環境分析技術者の担う役割は大きい

分析結果が一般に公表されることもあり、責任とやりがいを感じる

Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えてください。
 
私が所属する会社は、行政や建設会社・食品工場といった企業に依頼される環境調査を行っています。調査内容はさまざまで、土壌調査や水質調査・排水調査・アスベスト(建築資材に含まれ、肺がんの原因になる物質)調査など多岐に渡ります。土壌や水には、発がん性があるPCB(ポリ塩化ビフェニル)という油や、有毒性がある有機リン化合物といった有害物質が含まれている可能性があります。私は環境分析技術者として、採取したサンプリングに含まれる有害物質の量を分析しています。普段は実験室で分析を行っていますが、月に2〜3回は河川や工場、建設現場へ出向きサンプルを採取するようなフィールドワークの日もあります。

また、分析は班を組んで行っており、私は班長を担っています。班の全員が効率的かつ個人の得意分野を生かして分析にあたれるように、業務調整することも私の役割です。

<一日のスケジュール例>
09:00 朝礼
09:15 分析作業
12:00 昼食
12:50 昼礼
13:00 分析作業
16:00 お客様へ結果を速報
18:00 分析結果のチェック
18:45 実験室の片付け、見回り
19:00 日報作成、終了報告
19:30 退社
 
 
Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?
 
私が携わった調査のデータをお客様が活用して、環境保全事業を実施している様子を見るとこの仕事をしていてよかったなと思います。

また私たちは、神奈川県や横浜市などの市町村からも依頼を受けており、分析したデータは県や市が公表する河川や地下水の水質調査結果の一部として活用いただいています。公表された分析データは数十年後まで変わらずに「その時、その場所の水質」として記録に残り続けますので、大きな責任とともに、仕事のやりがいを感じます。

そして私たちが働く実験室には、一般的な理科室には絶対にないような機器も多くあります。職人さんが作った精巧なガラス器具や先人の知識と知恵から生み出された分析機器。これらの道具を上手く使いこなせるようになると、技術者としての楽しさを感じられます。
 
 
Q3. 仕事で大変なこと・辛いと感じることはありますか?
 
お客様の中には早急に結果を知りたいと依頼する方もいます。年度末には予算の都合上「年度内に調査結果を知らせてほしい」という依頼がありますし、時には「工場排水が漏えいしたため、今すぐ水質分析をして問題がないか教えてほしい」という依頼もあります。急ぐあまり誤った結果を出すわけにはいきませんので、急ぎながらも慎重かつ冷静に分析を行います。そのため、遅い時間まで分析をする日もあり大変ですが、お客様の困り事を解決するために尽力しています。
 
 

さまざまな環境問題に関われる環境分析技術者に魅力を感じた

Q4. どのようなきっかけ・経緯で環境分析技術者の仕事に就きましたか?
 
大学の研究室で水質浄化を研究しており、その中で浄化装置の性能を評価するために水質分析をしたことがきっかけです。それまで私は、研究開発や環境保全の裏側で分析作業が行なわれていることも、分析専門の仕事があることも知らなかったのです。しかし、もともと「さまざまな環境問題を解決する仕事に就きたい」と考えていたため、環境分析技術者の仕事を意識するようになりました。

大学3年生の冬頃に環境分析技術者を目指し、分析化学の専門学校へ通いつつ大学の研究室で浄化装置開発の研究補助をして経験を積み、大学を卒業した2年後に今の会社へ就職しました。
 
 
Q5. 大学・専門学校では何を学びましたか?
 
大学では生物資源科学部に通い、環境工学や農業土木、自然環境の物質循環などを学んでいました。化学物質を扱うような化学の勉強はしていませんでしたが、大学3年生のころ、就職を意識してからは少しずつ勉強しました。

専門学校では、化学や生物、環境問題を学び、資格取得のための講義も受講していました。実習ですと、環境分析の世界で「手分析」と言われる機器をあまり使わない分析作業を中心に、環境分析の基礎を学びましたね。

それぞれの学校に通ってみて分かったことは、大学は社会貢献につながる研究をしている教授や講師から教わるので、研究に興味があり、勉強をしたい人にとって良い学びの場になるということ。部活動やサークル活動といった授業外の活動も盛んで、さまざまな面で知見が広がりました。専門学校は就職を意識した授業構成でした。仕事を始めてから感じたのですが、専門学校には就職先で即戦力になれる技術が身に付く環境が整っていました。

また、有機溶剤作業主任者(有機溶剤を扱う作業現場を指導するための資格)や危険物取扱者(危険物の取り扱いや取り扱いに立ち会うために必要な資格)といった資格取得にも取り組んでいました。
 
 
Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?
 
高校生の頃は夢といえるような目標はありませんでした。しかし生物や地理、数学が好きで、好きな分野が生かせるような学部に行きたいと生物資源科学部がある大学を選びました。高校生の頃に好きだった科目が、結果的には今の仕事につながっていると思います。

また、高校生の頃は自然の中で遊ぶことも好きで、よく川や池で釣りをしたり泳いだりしていました。当時は遊び場として捉えていた川が仕事場になるとは思ってもいませんでした。
 
 

環境保全における環境分析技術者が果たす役割は大きい

Q7. どういう人が環境分析技術者に向いていると思いますか?
 
環境問題に興味がある人は向いていると思います。特に実験室での分析作業や細かな作業が好きな人なら、精密機器を扱う分析に適しているかもしれません。また化学や生物、物理が好きで、理論に基づいて物事を考えられる人も向いています。

河川や海などで行うフィールドワークもあるので、力作業が好きな人だとよりいいですね。加えて、観察力があり、常に冷静でいられる人がこの仕事に向いています。
 
 
Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします。
 
現状では、環境分析技術者という仕事の認知度は低いです。しかし私は、環境問題が注目される現在や未来において環境分析技術者の果たす役割は大きいと感じています。環境保全には、現状を知るための調査が不可欠だと思うからです。

環境分析技術者を目指す方は、さまざまな環境問題に関わる分、幅広い知識が求められますので、まずは日本や世界で起きている環境問題に興味を持ってみてください。皆さんが少しでも環境分析技術者という仕事に関心を寄せてくださると幸いです。
 
 
環境保全の第一歩は、現状を認識すること。現状を知るための手段として、環境分析は重要な役割を担っているのですね。環境保全に関心がある方は、どのような過程で保全が行なわれているか調べてみてはいかがでしょうか。分析だけではなく、分析機器の製造など、自身の得意分野を生かせる職業に気付くかもしれません。
 
 
【profile】株式会社オオスミ 分析技術グループ 石川潤

この記事のテーマ
環境・自然・バイオ」を解説

エネルギーの安定供給や環境問題の解決など、自然や環境を調査・研究し、人の未来や暮らしをサポートする仕事につながります。また、自然ガイドなど、海や山の素晴らしさと安全なレジャーを多くの人に伝える仕事もあります。それぞれ高い専門性が求められる職業に応じて、専門知識や技術を学び、カリキュラムによっては資格取得や検定も目指します。

「環境・自然・バイオ」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「環境分析技術者」
はこんな仕事です

環境保全のプロとして、さまざまな自然環境の調査や分析を行う仕事。公的な環境研究所や調査会社、環境コンサルティング会社、化学メーカーなどに勤務する。大気汚染や水質汚濁、騒音などについて研究し、化学的な専門知識・技術を用いて改善策や防止策を立案する。たとえば、工場排水や家庭用排水などの水質汚濁が生態系に与える影響や、ダイオキシン、アスベストによる地質汚染などについて調べ、資料やマニュアルを作成することが重要な業務となる。

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