【シゴトを知ろう】介護トレーナー ~番外編~

  • ようこそ、ゲストさん
  • ログイン
  • メンバー登録(無料)
  • エリア設定
  • 保護者・先生の方へ
MENU
閉じる
  • ようこそ、ゲスト さん

    メンバー登録(無料)

  • 適学・適職診断無料!

    診断を受ける

  • エリア設定

現在4校がカートに入っています。

一度に最大30校までまとめて資料請求することができます。

閉じる

「マイナビ進学」サイトが別タブでが開きます。

【シゴトを知ろう】介護トレーナー ~番外編~

2017.10.02

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】介護トレーナー ~番外編~

寝たきりや車いす生活など重度の要介護状態を防ぐため、筋力を維持するトレーニングを行う機能訓練型の介護サービス(デイサービス)があります。一見してスポーツジムと見間違えてしまうような施設ですが、一体どのような介護サービスが提供されているのでしょうか。株式会社早稲田エルダリーヘルス事業団で介護トレーナーとして働く服部孝大さんに、その特徴などについて聞いてみました。

この記事をまとめると

  • 油圧式のトレーニング機器は高齢者の安全に配慮された作りになっている
  • IT機器を活用し、正確なデータ取得と改善案を利用者に提供している
  • 自治体が主催する介護予防事業に介護トレーナーが参画する機会が増えた

さまざまな機器やテクノロジーを利用した介護サービスを提供

――店舗にはさまざまな機器や用具が設置されていますね。これらの装置にはどのような特徴があるのでしょうか?

通常のジムにあるトレーニング機器にはプレート(おもり)が付いているのですが、当社のマシンは全て油圧式でプレートがありません。例えばマシンを使って片足を上げたとき、通常のマシンでは元の位置に戻ろうとするときにも足に荷重がかかります。油圧式の場合、プレートの重量による反動がないため、途中で重さに耐えられなくなり思わず手足をマシンから離してしまっても安全なのです。

あとは天井から吊るされたロープを用いるトレーニングも行っています。これは姿勢の矯正やストレッチ効果があります。同時にバランス感覚も養えるため、体幹を整える効果も期待できます。上半身、特に肩周りの硬さがなくなることによって衣服の着脱がスムーズになるのです。さらにロープに両足を通し浮かせた状態で足を左右に動かせば股関節周りのストレッチ効果もあるのですが、これによって歩行や入浴時に浴槽をまたぐ動作がスムーズになります。

歩行訓練に関してはIT化が進んでいて、歩行解析装置を利用者さんの腰に装着してもらい歩く速度や歩幅、左右両足のバランスといった要素をデータ化しています。これらの結果はパソコンや携帯電話などの端末で見ることができるのですが、データを見てもらうことによって介護トレーナーも体の状態や改善策を利用者さんへ説明しやすくなりました。利用者さんにとっても一目で自分の正確な状態を知ることができるようになり、どのようにトレーニングしたらよいのかイメージしやすくなったと思います。

市区町村主体が行う介護予防事業に協力

――お仕事とリンクする、休みの日にありがちな「あるある」があれば教えてください

街で歩いている高齢者を見ると、まず歩き方に目がいってしまいますね。「もっとこうすれば安定して歩けるのになぁ」と思わず声を掛けてしまいたくなります。当施設の利用者さんも、利用中はトレーニングをしているという意識もあり、人から見られている緊張感もあるため背筋が伸びていますが、ひとたび自宅に戻ると気が抜けて悪い姿勢になっているのではないかと思うと少し複雑な気持ちになります。


――国を挙げた介護予防の事業(*)が提唱されるようになりましたね。これにより、服部さんのお仕事環境に変化はありましたか?

最近、自治体(市区町村)からの依頼で歩行訓練のレッスンをスタートしました。先ほどの歩行解析装置を試してもらって、その方の転倒リスクを検証し、結果に基づいたアドバイスを行います。この活動は、現在では東京都内4区で実施するまで広まっているようです。介護予防の事業が始まって自治体から声を掛けていただく機会も増えたので、地域の方々と接する機会は多くなりました。

同時に、一般企業と共同で高齢者の自立支援に取り組むプロジェクトも進行中です。企業が開発したIT機器を利用者さんに試してもらい、そこで得た情報を介護予防に役立て商品化していこうという取り組みです。

*介護予防・日常生活支援総合事業…2015年4月の介護保険改正時に施行された事業計画で、高齢者が住み慣れた自宅で末永く生活していけるよう、企業やNPO、ボランティアなどによる安否確認や家事代行などの生活支援と、生活習慣指導やエクササイズなどの介護予防プログラムを提供し、地域の中で高齢者を支え合っていこうという取り組み。

元気になって「やれること」「できること」が増えるのが理想

――お仕事の中で、一番の思い出や達成感を感じたエピソードについて教えてください。

利用者さんの中に携帯電話で撮影した写真をうれしそうに見せてくださる方がいます。足の悪い方なので遠出は難しいのですが、それでも近場に旅行に行った日には現地で何枚も写真を撮られているようです。外出できるまでに回復してくれて、同時に積極的に外に出ようという意識が芽生えてくれたことはとても印象深い出来事でした。

あとは、私が以前勤務していた施設に通われている方から毎年年賀状をいただくことですね。私が異動して日常的に会わなくなった今でも気に掛けてくれることはもちろん、元気で生活しているのだと分かるとうれしく感じます。

歩行困難と言われた人が独力で歩けるようになれば、「あれをやりたい」「〇○へ行きたい」という意欲が湧いてきます。私たちの場合、自治体や大学、企業とのコラボレーションを重ねてきた実績もあります。元気になったあと、その先にどのようなことができるのか。そういった情報やサービスを提供できるのも介護トレーナーの役割であり、社会的な使命のような気がしています。


比較的若く元気なときから運動や筋力トレーニングを行い、要介護状態にならないための取り組みが全国規模で推奨されています。同時に、これまで施設の中だけに限られていた介護トレーナーが活躍できる場所も徐々に広がりを見せてくることでしょう。

地域の中で、いろいろな職種の人と交流をしながら福祉に携わりたいと考えている人は、介護トレーナーを目指してみてはいかがでしょうか?


【profile】株式会社早稲田エルダリ―ヘルス事業団 服部孝大さん
http://www.waseda-e-life.co.jp/

この記事のテーマ
福祉・介護」を解説

現場で福祉を担う介護福祉士などのスペシャリストや、福祉サービスの企画・提案ができる人材を育成します。通常の生活を営むことが困難な人の生活を助けるための専門知識、技術を身につけ、職種により就業に必要な資格取得を目指します。高齢化が進む中、精神的なケアや寝たきりを防ぐための運動指導など、必要な専門知識や技術も幅広くなっています。

「福祉・介護」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「介護トレーナー」
はこんな仕事です

高齢者の心身の機能低下を防ぐことで、転倒予防、介護予防につながるサポート活動を行うのが介護トレーナーの役割である。高齢者が元気なうちから、適切な指導を継続的に行って、健康で自立した生活を長く保てるように支援していく。たとえば、高齢者福祉施設などで軽度なリハビリテーション運動や失禁予防のための運動を指導するのが仕事となる。その他、各種レクリエーション実習などに取り組み、一人ひとりの高齢者の心身の機能維持・改善を促す。高齢者の心情に寄り添う気持ちが求められる職業である。

「介護トレーナー」について詳しく見る