【シゴトを知ろう】囲碁棋士 編

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【シゴトを知ろう】囲碁棋士 編

2017.10.12

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】囲碁棋士 編

四角い碁盤の上に白と黒の石を並べ、互いの陣地の大きさを競う囲碁。伝統的なゲームでありながら、高校生の皆さんにとっては「ルールがよく分からない」「囲碁棋士は対局以外に何をやっているのだろう」など、知らないことも多いのではないでしょうか。プロの囲碁棋士として活躍する大橋拓文六段に、仕事についてお話を伺いました。

この記事をまとめると

  • 対局は月2~3回。トーナメント戦で勝ち進むほど対局数は多くなる
  • 活動を通じて囲碁の楽しさ・面白さを伝えたい
  • 囲碁棋士は集中力が高く、思い込んだら一筋タイプが多い

対局の他、イベントや海外での大会など、さまざまな仕事がある

Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えてください。

メインの仕事はやはり対局です。対局は平均すると月に2~3回ですが、トーナメント戦なので、勝ち進んでいけばその分対局数は増えていきます。その他、イベントなどでエキシビション対局(目隠し碁など)を行うこともあります。

また囲碁の普及も囲碁棋士の大切な仕事の一つです。土日を中心に各地で囲碁のイベントが行われており、そのような大会で指導をしたり、審判を務めたりしています。最近では対局や普及活動で海外に出掛ける機会も多いですね。「ヨーロピアン碁コングレス」という、欧州各国の選手によって行われる囲碁の大会があって、今年はドイツに行ってきました。

<一日のスケジュール>
10:00 対局スタート
11:45 昼食
12:30 対局再開
18:00 対局終了、感想戦
※対局により終了時間は異なる。長いと深夜までかかることも

Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?

うれしいのはやはり対局で勝った時です。また普及活動をする中で、囲碁の楽しさを人に伝えられた時には大きなやりがいを感じます。最近は執筆活動や講演を行う機会も増え、「どうすれば囲碁の面白さを伝えることができるだろう」と、これまで以上に考えるようになりました。

例えば子どもは感覚で覚えられることが多いのですが、大人の場合は理屈を説明した方が納得してもらいやすいケースもあります。なるべく専門用語を使わず分かりやすく説明するなど、伝え方もいろいろと工夫しています。


Q3. 仕事で大変なこと・つらいと感じることはありますか?

対局に負けると悔しくて、3日くらい家に引きこもって敗因を悶々と考えてしまうこともあります。あとは普及活動の中で感じる、人に伝えることの難しさです。ある将棋棋士の先生が、「棋士には勝負師・研究者・芸術家の3つの面がある」とおっしゃいました。囲碁棋士も同じで、盤上の勝負だけでなく、面白さを追求する部分もあると思うんです。ただ囲碁は「囲碁を全く知らない人が見ると分かりづらい」と言われることがよくあり、そこをどう打破していけばいいか、いつも頭を悩ませています。

子どもの頃から囲碁に打ち込み、プロの卵である院生を経て囲碁棋士に

Q4. どのようなきっかけ・経緯でこの仕事に就きましたか?

囲碁好きだった父の影響で、子どもの頃に囲碁を習い始めました。続けるうちにだんだん強くなり、小学生の全国大会で上位の成績をおさめられるように。その後プロの卵である日本棋院の院生になり、囲碁棋士になるためのリーグ戦を戦いました。院生にはAからDまでのクラスがあり、Aクラスで上位になるとプロ棋士になることができます。入段できるのは毎年女流棋士を含めて計6人。私がプロになったのは17歳の時でした。


Q5. この仕事に就くために学んだことは?

院生時代は週に4~5日道場に通い、1日10時間くらい囲碁の勉強をしていました。勉強は主に練習対局と、「棋譜(きふ)」という過去の対局記録の研究、それから石の生き死にを問題にした「詰碁(つめご)」です。今後はそれに加えて、AI(人工知能)を活用した研究も必要になるでしょう。

院生はクラスごとのリーグ戦で、対局に参加しないと不戦敗になってしまいます。対局は土日に行われるため、中学生の頃は運動会や校外授業などの学校行事を欠席することも多かったです。


Q6. 進学についてはどのように考えていましたか?

中学を卒業する時点で院生の上位にいたため、このまま囲碁に集中すればプロになれるだろうと考え、高校には進学しませんでした。小学生の頃から全国で戦っていると、海外の大会に参加する機会も増え、自然と将来はプロの囲碁棋士になるという意識を持つようになるんです。他の道を考えたり、棋士になれなかったらどうしようなどと焦ったりすることもありませんでした。ただ最近では、以前に比べ、高校や大学に通いながら活躍する囲碁棋士も増えていると思います。

専門分野や文化の異なる人たちとの交流は大きな価値がある

Q7. どういう人が囲碁棋士に向いていると思いますか?

一つのことに集中できる人ですね。周りの囲碁棋士を見ても、思い込んだら一筋というタイプが多いです。囲碁に集中している間は学業が疎かになりがちですが(笑)、方向転換をして学業に集中した途端に学校で成績トップになった、という話も聞きます。囲碁棋士への道を諦めた元院生の中にも、短期間で難関の国家資格を取得した人や、一流大学に入学して大学リーグやアマチュアリーグで活躍している人もいます。

「酒は別腸、碁は別智」という昔の言葉があります。酒は体の大きさに関係なく酒の入る別の腸がある、また碁を打つための脳は普段使う脳とは違うものだ、という意味です。自分では意識していませんが、この言葉通り、囲碁を打つ時は少し特殊な脳の使い方をしているのかもしれません。


Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします。

現在、囲碁の世界にもAIの波が押し寄せてきています。チェス、将棋ときて、後10年はかかるといわれていた囲碁にも、ついにAIがやってきました。そして自動運転や画像認識など、さまざまなジャンルで活用され始めています。これらは何か一つの専門的な作業に特化した能力を持つものですが、今後はいかに汎用的なAIを開発するかが課題となるでしょう。

その中で重要になるのが、他の分野との情報交換・意見交換だと思います。私も最近AIに関わる講演や対談を行う機会が増えており、他分野の専門家の方々と交流すると、新たなアイデアや可能性が見えてくることがあります。人との交流やクリエイティブな作業は、人にしかできないことですよね。

高校生の皆さんも、今の環境から積極的に外に出て、他の専門分野・文化を持つ人たちと交流していってほしいと思います。私は普及活動で海外に行くことも多いですが、そこではただ囲碁が強ければいいという訳ではなく、交流すること自体にとても大きな価値があります。いろいろな人と交流する中で、相手の良さと同時に自分の良さも再確認できると思います。


プロの卵である日本棋院の院生になるには、14歳を迎える年度(4月2日~翌年4月1日)以下である必要があります。院生以外でも4月1日の採用時に23歳未満であれば外来試験を受けることができますが、なかなか厳しい道のりのようです。一方で、囲碁はルールさえ覚えればすぐ楽しめるようになると大橋六段は言います。

大橋六段は講演や本の執筆などにも力を入れており、最近では『囲碁AI時代の新布石法』(マイナビ出版)が出版されました。囲碁に興味を持った方は、関連書籍などを読んでみると、これまで知らなかった世界を知ることができるかもしれませんね。


【profile】日本棋院東京本院所属 大橋拓文 六段
Blog  http://blog.goo.ne.jp/minamijyuujisei_1984
Twitter https://twitter.com/ohashihirofumi
日本棋院 http://www.nihonkiin.or.jp/

この記事のテーマ
マスコミ・芸能・アニメ・声優・漫画」を解説

若い感性やアイデアが常に求められる世界です。番組や作品の企画や脚本づくり、照明や音響などの技術スタッフ、宣伝企画など、職種に応じた専門知識や技術を学び、実習を通して企画力や表現力を磨きます。声優やタレントは在学しながらオーディションを受けるなど、仕事のチャンスを得る努力が必要。学校にはその情報が集められています。

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この記事で取り上げた
「囲碁棋士(いごきし)」
はこんな仕事です

中国で誕生した陣取りゲームの一種で、黒と白の碁石を交互に置いていき陣地の広さを争うのが囲碁。この対局者(プレーヤー)を棋士(きし)という。プロ棋士になるには、公益財団法人日本棋院の「院生」になるか、外来として日本棋院の棋士採用試験を受ける必要がある。院生の審査は14歳(中学2年在学中)までの年齢制限があり、外来として試験を受ける際にも23歳未満の制限がある。プロとなってからは、タイトル獲得・勝数・賞金ランキングによる昇段制度があり、段位が上がることで収入も増える。

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