【シゴトを知ろう】スクールカウンセラー ~番外編~
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前回の記事、「【シゴトを知ろう】スクールカウンセラー 編」では、東京都の公立学校でスクールカウンセラーとして働いている、小林友也さんにお話を伺いました。記事を読み、スクールカウンセラーの仕事のやりがいや苦労などを知って、仕事内容に興味を持った高校生もいるのではないでしょうか。
こちらの記事では、番外編としてスクールカウンセラーの「あるある」や、お仕事にまつわるトリビアについてお話いただきました。
この記事をまとめると
- じっくり座って話をする仕事だと思われがちだが、意外と体力仕事
- スキルアップのために、休日でも研修会、勉強会に参加している
- スクールカウンセラーは、人の心理が読めるわけではない
子どもの話題についていくために、YouTuberの動画も見る!
――このお仕事ならではの、仕事上の「あるある」なことを教えてください。
スクールカウンセラーというと、業界外の人からはじっくりと座って話をする静かな仕事だと思われがちなのが「あるある」だと思います。
でも、「次の時間は、〇年〇組に行く」「その次は校庭に行く」など実は活動的な仕事でもあるんです。小学校だと、児童と一緒にドッジボールをやったり一輪車で遊んだりもするので、意外と体力仕事だと思います。
ずっと相談室にいて児童・生徒が来るのを待つだけでなく、今はこちらから生徒や先生に対して積極的に声掛けをすることが大切です。
――お仕事とリンクする、休みの日にありがちな「あるある」があれば教えてください。
児童・生徒の話題についていかなければいけないので、休みの日は、彼らが見そうなコアなアニメやマンガ、アイドル、流行の音楽について情報収集しています。人気YouTuberの動画を見ることもあります。
また、スクールカウンセラーは、休日でも、スキルアップのために研修会、勉強会に参加しています。スクールカウンセラーの多くが持っている臨床心理士の資格は、5年ごとに更新されるので、一定のスキルの維持が必要になるからです。私は月1回ほどのペースで参加していますが、月2回以上のペースで参加する人もいるようです。
「週1回しか働いていないからいいね」と言われるけど、実はもっと働いている!
――意外と知られていない、このお仕事の知られざる事実やトリビアを教えてください。
実は、学校とは別の企業や機関でもカウンセラーをしている同業者は多いんですよ。私も、小・中学校で働いていない日は、発達支援センター(発達障害児、発達障害者への支援を行う機関)に勤務しています。けれど学校の生徒たちからは、「先生、週1回しか働いていないからいいね」と言われてしまうことも(笑)。
あと、他業種の友人からは「カウンセラーって、人の心理を読めるんでしょ?」とよく言われますね。でも実際は心理を読むというよりも、話を丁寧に聞いていく中で、その人の気持ちを理解していくというのが正しいかな、と思っています。
卒業式では、達成感・充実感でいっぱいになる
――最後に、お仕事の中で、一番の思い出や達成感を感じたエピソードについて教えてください。
卒業式で、私に相談しに来てくれた児童・生徒が巣立っていくのを見たときは、本当に感動します。つらい思いや、悩みが解決したときの安心感といった感情を共有した子たちが卒業していく。彼らの成長を感じ、達成感と充実感を覚えます。「次のフィールドでもがんばってね!」という気持ちでいっぱいになる瞬間ですね。
スクールカウンセラーの方が、子どもが好きなものについて情報収集をしているとは意外でした。普段から子どもたちと話をする下地作りができているからこそ、子どもたちの悩みや不安をじっくりと聞くことができるのでしょう。
小林さんのお話には、スクールカウンセラーになりたいと考えている高校生にとって勉強になることがたくさんあったと思います。ぜひ参考にして、スクールカウンセラーへの道をまい進してください。
【profile】東京都公立学校スクールカウンセラー 小林友也
【取材協力】東京臨床心理士会
この記事のテーマ
「教育」を解説
教育機関や子ども向けの施設で、教育指導に関わる仕事を目指します。小・中学校や高等学校の教員を目指す場合、大学や短期大学の教職課程で学ぶ必要がありますが、専門学校の中にも、提携する大学や短期大学の通信教育を受けて、教員免許状を取得できる学校もあります。語学教師や臨床心理士など希望する職種により、必要な資格や免許が異なります。
この記事で取り上げた
「スクールカウンセラー」
はこんな仕事です
教育機関で、心理学の専門家として子どもの悩みや相談に応える仕事。臨床心理士、精神科医、大学の臨床心理専攻の教員のいずれかである必要がある。相談内容は、いじめや不登校、友人や親子の関係、学習の問題など幅広く、発達障害や精神疾患、問題行動など、ますます多様化する傾向にある。事件や事故の被害を受けた子どもの心のケアや、保護者や教職員へのカウンセリング、学校内の会議への参加も仕事であり、近年ではストレスを抱える教員が増えているため、教員のメンタルヘルスのニーズもある。
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