【シゴトを知ろう】登山家 〜番外編〜

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【シゴトを知ろう】登山家 〜番外編〜

2017.09.21

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】登山家 〜番外編〜

「【シゴトを知ろう】登山家 編」では、登山の魅力と厳しさをお話してくださった登山家の天野和明さん。危険があるからこその興奮と、できるだけ安全に登山をするための心構えを教えてもらいました。

今回の番外編では、天野さんが国際的な賞を受賞した際の思い出や、登山を通じて知ったことについて教えていただきました。

この記事をまとめると

  • 大きな賞を受賞したが、その後の登山に対する姿勢や心境に変化はなかった
  • 初めての海外遠征でパキスタンへ行き、日本と途上国の差を痛感した
  • 一人きりで標高7,800m付近を歩きながら星空を眺め、強い自己陶酔感を得た

海外遠征から、海外の実情を目の当たりにした

――日本人初のピオレドール賞(登山界のアカデミー賞とも呼ばれる国際的な賞)を受賞していますが、そのときの思い出や受賞前後で変わったことがあれば教えてください。
 
変わったことでいうと、当時はICI石井スポーツでアルバイトをしていたのですが、時給が50円上がりました(笑)。しかし登山やアルパインクライミングをしてきたのは、評価されるためでも誰かと勝負をするためでもありませんので、僕自身は何も変わりませんでした。ただ、周囲に自分たちがやってきたことを説明するのにはとても役立ちましたね。

また日本ではメディアに露出することのない登山ですが、フランスで行われたセレモニーに出席して、フランスは登山が社会に受け入れられている登山先進国だと感じました。
 
 
――さまざまな国へ遠征していますが、遠征中の思い出深いエピソードを教えてください。

23歳の頃、初めての海外遠征としてパキスタンに行きましたが、そこで受けたカルチャーショックは何よりも強烈でした。僕らはその遠征に、渡航費・食費・宿代などを含めて100万円近いお金を使っていました。いわば、生活のために必要ではないことにそれだけのお金を払っていたのです。ひと言でいえば、究極の遊びでした。

75日間を山で過ごす予定だったので、荷物は装備と食糧を合わせると数トンの重さでした。その荷物を現地のポーター(登山の起点となるベースキャンプまで荷物を運ぶ人)にベースキャンプまで10日間かけて歩いて運んでもらったのです。ポーターには少年から老人まで幅広い年齢層の人がいて、一人あたり25kgの荷物を持ってもらいました。道中、僕らは登山靴を履いてテントの中で寝袋に入って寝ましたが、彼らはサンダルやボロボロの靴を履き、雪が残る地面にゴザを敷いて眠っていました。それでも彼らに支払うのは1日たった数百円。しかし、農村に住む彼らには貴重な仕事なのです。

村を通りがかれば、小さな子どもがさらに小さな子どもをおんぶしていて、「スイーツ、スイーツ」「ペン!」と話しかけてきます。甘いものは彼らにとってとても貴重で、ペンが1本あれば何かを書いて遊んでいられるからです。空になったペットボトルすら欲しがられました。

そんな姿を見て、20代の自分がパキスタンの人々に頼り、多くのお金を使ってヒマラヤの山に来ていると思うと罪悪感がありました。目的を見失うほどの衝撃でしたが、彼らは悲壮感もなく常に明るかったので、そんな姿に助けられましたね。
 
 

山岳ガイドをすることでさまざまなレベルの登山者と話せる

――山岳ガイドの仕事は、登山にどうつながっていますか。

山岳ガイドの仕事を始めてからは、ガイドの先輩方と行うスキルアップ研修が自己研鑽につながっています。それにお客様をガイドしていると、山での新しい視点に気付いたり、初心に返ったりもできますね。初級者、中級者といった山岳ガイドだからこそ触れ合える登山者から得るものはたくさんあります。

また、登山用品の専門店でも働いているので、製品の情報はいち早く知ることができます。業界の裏情報やインターネットに出回らないような情報も耳に入ってきます(笑)。
 
 

標高7,800mの暗闇の中、満天の星を眺めながら感じた高揚

――仕事の中で、一番の思い出や達成感を感じたエピソードについて教えてください。

海外での登山は、それぞれに思い出がありますので一番を決めるのは難しいですね。強いていうならば、25歳の頃世界で4番目に高い標高8,516mのローツェへ行ったときのことです。チームの中で、自分だけが酸素ボンベを使わないで登頂する計画を立てていたので、夜中の1時に一人で最終キャンプを出ました。テントは7,800m付近にあり、満天の星を見て「今、この瞬間に地球上でこの高さにいる人間は自分一人だろう」と思いました。そのとき、まるで自分がこの世に一人きりになったかのような錯覚を覚え、同時に、自分がここに立っているという事実に陶酔しました。あの宇宙に溶けてしまいそうな感覚は、今でもはっきり覚えています。
 
 
天野さんはローツェでの思い出の他にも、3日間水なしで標高7,027mのスパンティーク(パキスタン)にいた話、山から山へ駆け回りひたすら楽しんだアラスカでの体験談を聞かせてくださいました。どれも普通に暮らしていたら得られない、非日常の経験ですね。

登山家の仕事に興味を持った人は、今まで活躍してきた登山家たちについて調べてみてはいかがでしょうか? 華々しい経歴の裏側には、想像もできないエピソードがあるかもしれません。
 
 
【profile】株式会社ICI石井スポーツ 天野和明
【取材協力】ジャパン・アルパイン・ガイド組合

この記事のテーマ
環境・自然・バイオ」を解説

エネルギーの安定供給や環境問題の解決など、自然や環境を調査・研究し、人の未来や暮らしをサポートする仕事につながります。また、自然ガイドなど、海や山の素晴らしさと安全なレジャーを多くの人に伝える仕事もあります。それぞれ高い専門性が求められる職業に応じて、専門知識や技術を学び、カリキュラムによっては資格取得や検定も目指します。

「環境・自然・バイオ」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「登山家」
はこんな仕事です

山に登ることを仕事とする人のこと。とくに高度な技術を必要とする登山をする人を指すが、登山することのみで収入を得られることは少なく、関連する活動や仕事を並行して行うことで収入を得ているケースが多い。たとえば山岳インストラクターとして一般登山者への指導を行ったり、書籍を出版したり、関連する製品の広告塔としてスポンサー収入を得るなどが例として挙げられる。数千メートルの高さの山に登ることも多く、早くから山岳部などに所属して経験を積み、体力と精神力を養っておかなければいけない仕事である。

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