【シゴトを知ろう】登山家 編

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【シゴトを知ろう】登山家 編

2017.09.21

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】登山家 編

世界最高峰、エベレストは入山料だけで約120万円もの費用がかかることをご存じでしょうか。今回の「シゴトを知ろう」では、エベレストを始め国内外の山々に挑む登山家の仕事を紹介します。

登山家の仕事の魅力についてお話をしてくださったのは、多くの山に挑戦する一方で、山岳ガイドや「石井スポーツ登山学校」の講師としても働いている天野和明さんです。

この記事をまとめると

  • 登山家は、登山以外にも山に関連した仕事をして収入を得ている
  • 大学生のころは山岳部へ入部し、登山の技術と自信を身に付けた
  • 肉体的な要素はもちろんだが、強い意志があればヒマラヤにも挑戦可能

登山を心から楽しむためには、危険を伴うと理解する必要がある

Q1. 仕事概要を教えてください。
 
第1に登山をすることですが、登山は他のスポーツとは違いギャラリーも大会もないので、テレビ中継などで大きく露出することはありません。そのため、山を登ることだけで収入を得ている登山家は、日本国内にはほとんどいないのです。多くの登山家は山に関連する別の仕事で収入を得て、それを活動資金や生活費にあてています。

僕の場合は、山とスキー用品の専門店が運営する登山学校の講師をしています。登山学校では初心者や中級者に対し、技術や安全管理、トレーニングについて教えています。登山やスキーは、予測不能な自然の中で行うスポーツなので、当然危険も伴います。登山学校では登山の醍醐味である冒険性を残しつつ、できるだけ安全に、安心して山を楽しむための技術を伝えています。

他にも、夏場には富士山や北アルプスなどで山岳ガイドとしても活動しています。ガイドをする日は早朝から移動し、実際に山を登って講習を開いたりガイドをしたりします。

<一日のスケジュール> 〜国内の山へ登山する日〜
08:00 登山開始
適宜休憩
12:00前後 山頂に到着。昼食を取り、下山開始
15:00 下山完了
 
 
Q2. 登山家の楽しさ・やりがいは何ですか?
 
アスリートとしては、登りたかったルートを登れたときや、行ったことがないエリアへ登山やクライミング、スキーをしに行くときが楽しいですね。僕はいろいろある登山のスタイルの中でも、「アルパインクライミング」が好きで、これは街中のクライミングジムのような人工的なクライミングとは異なり、できるだけ自然を生かして行うものです。少人数で組んで荷物をあまり持って行かないシンプルなスタイルで、自らリスクをマネジメントしながら到達を目指します。非常に危険ですし、不安や不快にさらされますが、その分帰ったときの達成感は言葉ではいい表せません! 
 
 
Q3. 仕事で大変なこと・つらいと感じることはありますか?
 
落石や雪崩など、自然に左右される不確定な要素が大きいところですね。自分がどんなに万全のコンディションで、良いパフォーマンスが発揮できると思っていても天候や山の状態が悪ければなす術はありません。僕自身大きな怪我を負った経験もあり、山で亡くなってしまった仲間もいます。

けれど人生は一度しかなく、やり直しはできません。「命がけの大きなリスクを背負うときもある」と理解と覚悟をして、登山に全身全霊を傾ける。登山家のつらい部分ではありますが、僕はそんな人生を幸せだと思っています。
 
 

憧れの登山家と同じ山岳部に入部し、登山の技術を高めた

Q4. どのようなきっかけ・経緯で登山家になったのですか?
 
僕は山梨県で育ちましたので、幼いころから山が身近にありました。両親が山好きで、子どもの頃は数回ハイキングに連れて行ってもらった記憶があります。その影響か、中学生になると「雪山へ行きたい」「岩登りをしたい」と思っていました。

そんな中、高校生の頃偶然買った山岳関連の古本で、ある偉大な登山家の大学時代について紹介されていました。その登山家の話に刺激を受け、大学に入ったら彼と同じように山岳部に入ろうと考えたのです。

その後、縁があったのかその登山家の母校である大学に入学し、山岳部に入部しました。本格的な登山やクライミングの経験はなかったため不安はありましたが、学年を重ねるごとに自分が強くなっていると実感できました。

そして23歳の年に、パキスタンにあるガッシャーブルムという標高8,000メートルを超える山に行きました。ガッシャーブルムは世界で11番目に高い山で、富士山よりも高い山に登るのはこのときが初めてでした。これが、僕の登山家としての第一歩です。その後もアルバイトをしてお金を貯め、年に数回は海外に遠征する日々を送るようになりました。当時はとにかく山に夢中で、将来のことはなんとかなるとあまり深く考えていませんでした(笑)。
 
 
Q5. 大学では何を学びましたか?
 
所属していた山岳部で、チームワークと気合い、根性が身に付きました(笑)。そして、継続することの大切さも学びました。僕と同じレベルの身体能力の人でも思いを持ち続けることでヒマラヤ山脈を登った姿を見て、僕にもできるかもしれないと思えました。

また、高校生の頃は周囲で本格的に登山をしている人はおらず、インターネットもなかったので山の情報を得るには難しい環境でしたが、大学の山岳部でヒマラヤ山脈での高度順応や生活技術といった具体的な知識を先輩方に教えてもらいました。
 
 
Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?
 
漠然とですが「山に行きたい」「憧れの登山家のような生き方をしたい」と思っていました。その思いを持ち続けたからこそ、今、登山家として山に登ったり山の中で働いたりしているのではないでしょうか。
 
 

大雑把すぎず、神経質すぎない人が登山家でいられる

Q7. どういう人が登山家に向いていると思いますか?
 
山はもちろん、自然全般が好きで、そこに関わる人々も好きになれる人。人と接したくないから山に行くという人もいますが、仕事として山へ行くのならば他人との協力は欠かせません。

また、ポジティブでストレスに耐性がある人も向いているといえますね。数日間お風呂に入れなくても大丈夫だったりどこでも眠れたり。しかし、大雑把がいいというわけではありません。登山の際に負うリスクが大きければ大きいほど、計画や実施には、緻密さも求められます。
 
 
Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします。
 
登山家は、自分・山・雪・岩を知り、自然に対し謙虚でなくてはいけません。そして、強い情熱と、自分の信念を持つことが必要です。登山では生まれ持った運動神経や身体的な要素で生じる差は他の競技スポーツに比べると少ないので、若いうちに努力すれば8,000メートルに近い標高の山も無酸素で登れるはずです。

一方で、危険を察知する力や滑りやすい場所での足運びは、教えようと思ってもなかなか教えられることではないので、登山のセンスが問われます。それは今のうちから、自然の中でたくさん遊ぶことで培われると思います。
 
 

登山には言葉では表しきれないほどの高揚や魅力がある一方で、危険が伴うと強く教えてくれた天野さん。

登山に挑戦したくても環境が整わずに断念していることがあるという人も、大学に行けばさまざまなサークルや部活があります。どんな団体があるのか、大学選びの際はぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
 
 
【profile】株式会社ICI石井スポーツ 天野和明
【取材協力】ジャパン・アルパイン・ガイド組合

この記事のテーマ
環境・自然・バイオ」を解説

エネルギーの安定供給や環境問題の解決など、自然や環境を調査・研究し、人の未来や暮らしをサポートする仕事につながります。また、自然ガイドなど、海や山の素晴らしさと安全なレジャーを多くの人に伝える仕事もあります。それぞれ高い専門性が求められる職業に応じて、専門知識や技術を学び、カリキュラムによっては資格取得や検定も目指します。

「環境・自然・バイオ」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「登山家」
はこんな仕事です

山に登ることを仕事とする人のこと。とくに高度な技術を必要とする登山をする人を指すが、登山することのみで収入を得られることは少なく、関連する活動や仕事を並行して行うことで収入を得ているケースが多い。たとえば山岳インストラクターとして一般登山者への指導を行ったり、書籍を出版したり、関連する製品の広告塔としてスポンサー収入を得るなどが例として挙げられる。数千メートルの高さの山に登ることも多く、早くから山岳部などに所属して経験を積み、体力と精神力を養っておかなければいけない仕事である。

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