つけ麺は、ラーメン屋の休憩ごはんだった!? つけ麺はどうやって生まれたの?

たくさんの人に愛されているラーメン。最近では、つけ麺やまぜそば(油そば)などもすっかりメジャーになりました。でも、つけ麺やまぜそばがどのようにして生まれたか知っていますか? 今回は、意外と知らないこれら2つの麺料理のルーツについて紹介します。
この記事をまとめると
- つけ麺は、ラーメン屋さんのまかないだった
- 中国で担々麵といえば、汁なしラーメンのこと
- 食べ物のルーツには、料理のおいしさに関するヒントがある!?
つけ麺は、もともとは「特製もりそば」だった?
まずは、つけ麺のルーツを紹介しましょう。つけ麺は、1955年に「中野・大勝軒」の店長だった山岸一雄さんによって生み出されたといわれています。その後、山岸さんは「東池袋・大勝軒」という店を立ち上げ、そこでメニューとして定番化。今では多くのラーメン屋さんで楽しむことができる人気の麺料理として広がっていったのです。
ただし、誕生当時の名前はつけ麺ではなく、「特製もりそば」でした。ラーメンなのに、なんで「そば」なの?と疑問に感じてしまいますよね。実は、この不思議な名前には理由があります。
この特製もりそばは、もともとお店の従業員が自分たちのために食べる「まかない」として作られたものでした。ラーメン屋さんがラーメンを作る際、麺がザルに残ることがあります。それらをかき集めて、スープ・唐辛子・ネギなどを入れた湯のみで、「ざるそば」のようにして食べたのが、このネーミングの由来のようです。
なお、現在定着しているつけ麺という名前は、「元祖中華つけ麺大王」というチェーン店が全国に進出したことで、各地に根付いたといわれています。いつも何気なく食べているつけ麺も、このような歴史を知ると、また味わい深いものになるかもしれません。
同じまぜそばでも、日本と中国では違う!?
続いては、まぜそば(油そば)の歴史についてです。まぜそばとは、スープのないラーメンのこと。ごま油やしょうゆをベースとしたタレを、具材と共に麺にからめながら食べます。
中国にも、まぜそばのような汁なしラーメンが存在しますが、その名は、担々麵。日本で担々麵というと、スープに入った麺を想像しますよね。同じ名前でも、日本と中国で違うメニューを指すなんて、文化の違いを感じるエピソードです。
ラーメン=中国というイメージを持っている人もいるかもしれませんが、もともと日本のラーメンは中国発祥の料理「中華麺」が基になっているものの、今回紹介したまぜそばやつけ麺といったように、日本に輸入され独自に発展していったものでもあります。この中華麺を日本で最初に食べたのは、かの水戸黄門だという説もあり、中国の儒学者が水戸黄門にふるまったのが起源ともいわれています。今ではたくさんの人に愛されるラーメンを最初に味わった人が本当に水戸黄門なのだとしたら、思わず長い歴史を感じてしまいますよね。
食文化を学べる「食物学」
今回紹介したような、食べ物のルーツや日本と外国の食の違いなど、食にまつわる文化のことを、食文化といいます。食物学は、食文化を含めた、食に関する分野を幅広く学ぶことのできる学問です。栄養や食品加工についての知識について勉強したり、実際に調理実習をしたりすることも。もっと深く食について知りたい人には、食物学を学ぶことによって、食べ物や食べることへの興味をより深められるはずです。
皆さんの中には、食べること、もしくは料理することが好きという人もいると思います。食物学に興味が湧いた人は、自分が好きな食べ物のルーツを調べてみると、食への興味を深めることにつながる、料理のおいしさに関するヒントを得ることができるかもしれませんよ。
【出典】
新横浜ラーメン博物館
http://www.raumen.co.jp/rapedia/study_history/
この記事のテーマ
「栄養・食物」を解説
食べることから健康な生活にアプローチすることを目的としています。ただ生きるために食べるのではなく、より良く生きるために食べるという考え方です。栄養学は食物に含まれる栄養素について学び、生理学の知識を踏まえ、適切な栄養指導を行います。そのためには栄養学や病理学などの広範な知識も必要です。食物学では人によっては摂取しにくい食材を食べやすくしたり、よりおいしく食べるための調理方法の研究なども行います。
この記事で取り上げた
「食物学」
はこんな学問です
栄養や食品について専門知識を学び、科学的な視点から食の問題を解決するための学問。食品学、栄養学、調理学を総合的に用いて研究を行う。食品学の視点からは、成分や加工についての専門知識を学び、栄養学の視点からは食品が人の身体にもたらす影響について学ぶ。また、調理学からは加熱や冷凍など食品成分の変化や味について学び、総合的な専門性を身に付ける。生活との関連性が強いことから、家政学、生活科学を併せて学ぶことも多い。
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