【シゴトを知ろう】天文雑誌編集者 編

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【シゴトを知ろう】天文雑誌編集者 編

2017.10.06

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】天文雑誌編集者 編

夜空に輝く星は誰もが心惹かれるものですが、世の中には星や惑星、宇宙への興味が人一倍強い「天文ファン」と呼ばれる人たちがいます。月刊誌『星ナビ』編集部で働く藤田陽実さんは、そんな天文ファンや星好きな人たちに向けて、さまざまな記事の企画を日々考えています。天文雑誌は日本で2誌のみ、そんな数少ない専門誌編集者の仕事について詳しく伺いました。

この記事をまとめると

  • 集めた素材を魅せる形にするのが編集者の仕事
  • 天体観測の経験を積んでいることが大切
  • 星以外のいろいろなことにも関心を持つことで独自のアプローチができる

素材をいかに魅せるかが、編集者の腕の見せどころ

Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えてください。

天文ファン向けの月刊誌『星ナビ』を編集しています。天文ファンと一口にいっても星を見るのが好きな人・撮るのが好きな人・宇宙論が好きな人など幅広く、学会で発表するほど熱心なアマチュアの方もいらっしゃいます。そうした方々や天文学者のような専門家、サイエンスライターの方などから記事や写真を提供していただき、時には自ら取材へ行き、集めた素材を最終的に魅せる形にするのが我々の仕事です。

月刊誌なので1日のスケジュールよりも月間の進行をご紹介した方が仕事の流れが分かりやすいと思います。

『星ナビ』は毎月5日に発売されますが、1~10日頃は次号の連載記事の原稿チェックや、次々号以降の特集記事の企画・取材手配・画像手配などを行います。10~15日頃にはそれに加えて誌面の構成ラフ案作成を行います。15日以降は仕上げに向けて最終的な調整、20~25日頃は自分の担当以外も含めた全ページの校正を行い、著者や取材先からの修正を反映して印刷所へ。校了紙をチェックして終了します。25日以降は刷り上がった雑誌を関係者へ発送したり、次号の連載内容の相談を始めたりします。校了前の20〜25日頃が最も忙しい時期です。

『星ナビ』2017年10月号

『星ナビ』2017年10月号

Q2. どんなときに仕事の楽しさ・やりがいを感じますか?

著者の原稿を最初に読めるのは編集者の特権だなと感じます。連載記事を受け取るときは「今月はどんな切り口でくるのかな?」と毎回ワクワクします。ただ、いただいた原稿や写真はそのままでは素材の状態ですから、読者にとって分かりやすくて面白い誌面にするため、料理していきます。

時には大幅に削ぎ落とさないといけないこともあります。書いた人や撮った人の気持ちを思うとつらい判断ではあるのですが、そこが編集の腕の見せどころでもあります。さらに要素を入れ替えたり付け加えたりと試行錯誤するうちに、最終的にストン!と落ちて完成するのですが、それが最もうれしい瞬間ですね。

「すばる望遠鏡」の取材中

「すばる望遠鏡」の取材中

Q3. 仕事の大変さを感じるのはどんなところですか?

先ほどの逆で、うまくはまる形がなかなか見えないときはつらいです。先輩に相談すると思いもつかなかったアイデアであっさり解決することもあり、自分の経験不足を痛感しますね。

企画を考える上では「誌面に載せる意味はあるか」「お金を出していただく価値があるか」という点を意識しています。20世紀の雑誌はニュースを伝えるという役割もありましたが、今はニュース性という点ではWebメディアには勝てませんから、その点はより重視しないといけません。長く続けていると初心者目線を忘れてしまうという問題もあります。基本的にはマニア向けの深い情報が多い雑誌ではありますが、それだけではファン層が広がらないので、たまたま興味を持って手に取っていただいた人にも「天文って面白いな」と思ってもらえる誌面づくりを心掛けています。

高校の天文部での活動が今に生きている

金星の太陽面通過を眺める藤田さん(2012年6月6日 神戸・金星台にて)

金星の太陽面通過を眺める藤田さん(2012年6月6日 神戸・金星台にて)

Q4. どのようなきっかけでこの仕事に就きましたか?

子どもの頃からギリシャ神話や伝説の本を読むのが好きで、そこから天文への興味につながりました。高校では天文部に、大学では天文サークルに所属して天体観測を楽しみました。将来は天文の仕事がしたいと思ったものの、数学や理科は苦手で……。

でも書くことは好きだったので、天文雑誌の編集者という選択肢が浮かびました。それで大学2年生のときに今の会社に問い合わせ、アルバイトとして編集部で働き始めたことがきっかけとなりました。就職活動の時期に他の選択肢も考えなかったわけではありませんが、このままここにいればもっと面白いことができそうだなと思ったんです。そんな上から目線なことを言ったら上司に怒られそうですが(笑)。


Q5. この仕事に就く前にどのようなことを学びましたか?

高校生の頃から文章を読んだり書いたりすることが好きだったのですが、言葉だけではどうしても伝わらない部分があることも感じていました。それが何なのかを知りたくて大学では「異文化コミュニケーション」を学びました。

でもどちらかというと、学部で学んだことよりも天文サークルで培った人脈が今の仕事に直結しています。私が所属していたのは全国でも有名な天文サークルだったので、当時の友人が天文学者として活躍していたり、『星ナビ』で連載してくれたりしています。人のつながりが学生時代に得た最も大きな財産ですね。サークルの中での私の役割は、学祭に出展するプラネタリウム内で放映される番組のシナリオを作ることだったのですが、私のような文系の人間でも貢献できることがあると分かったことも今につながっていますね。


Q6. 高校生のとき抱いていた夢や経験したことが、現在のお仕事につながっていると感じることはありますか?

子どもの頃から星に興味はあったものの、熱心に見たり雑誌を買ったりするほどではなく、本格的な天体観測を始めたのは高校の天文部に入ってからでした。そのときに夏合宿で星を見に行き、望遠鏡を組み立て、三脚を立てて写真を撮り、後日現像して……という一連のことを実際に経験してきたことが今の仕事につながっています。

また、高校生の頃に親からワープロを譲り受けタイピングの練習ができたことも、今の編集の仕事に役立っています。最近の高校生はあまりパソコンを使わないと聞きましたが、編集の仕事をするならパソコンを使いこなすスキルは必須です。

あらゆる趣味が星につながる

読者から応募された天体写真を選考中

読者から応募された天体写真を選考中

Q7. どういう人が天文雑誌編集者に向いていると思いますか?

ただ「星が好き」というだけで天文雑誌の編集者になるのは難しいと思います。やはり星を見たり撮ったりという実体験を積むことが大切です。普段から科学館やプラネタリウム、JAXA(宇宙航空研究開発機構)などの施設に通ったり、星の写真を撮りに行っているような土台があることが望ましいです。高校に天文部がない場合は、全国各地でさまざまな天文同好会が活動していますので、そうしたところへ入るのも良いと思います。将来につながる体験・人脈を得られることもありますので、ぜひ積極的に動いてほしいなと思います。

編集者の仕事としては、人と話ができることが大切です。雑誌はさまざまな人の協力を得て作り上げていくものなので、誰にどの部分をお願いすれば面白いことができるかを考え、それを結びつけていくのが編集者の仕事だと思います。企画を出さないと何も始まらないので、どんどん新しいことを提案していける人がいいと思います。


Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします。

編集者を目指すにあたって、特別なスキルを学ぶ必要はないと思います。例えば誌面レイアウトソフトの使い方などは入社してからでも覚えられますし、仕事によって覚えるべきことは変わりますから。まずはいろいろなことに関心を持つことが大切だと思います。
天文の分野は幅が広く、さまざまなアプローチの仕方があります。望遠鏡や双眼鏡など光学への興味から入ってくる人もいれば、星空や宇宙をテーマにした曲を作る音楽家もいます。歴史への興味から入ってくる人もいますし、私のようにギリシャ神話や伝説が好きな人もいるでしょう。惑星の話になれば地質学や気象学も関わってきます。都会は照明が多く星が見えづらいですが、そうした環境問題からアプローチすることもできます。

あらゆる趣味が星につながりますから、自分がやりたいことをどんどんやって、そこから天文で何か面白いことができないかと考えても良いのではないでしょうか。今までにない分野からアプローチするのも面白いと思います。ぜひ既成概念を壊して、私たちが思いつかないような新しい切り口を作っていってください。



天体雑誌の編集者はあらゆる専門家との関わりがあるそうです。天文学者の中でも惑星、恒星、天の川銀河、宇宙の始まり、宇宙と生命、宇宙論……など多岐にわたり、地質学や生物学、物理学などの他分野の専門家などと相互に関わることも多いそうです。宇宙はそれだけ広いということ。天文雑誌編集者にも広い視野が求められそうですね。


【profile】株式会社アストロアーツ 星ナビ編集部 藤田陽実
http://www.hoshinavi.com/

この記事のテーマ
自動車・航空・船舶・鉄道・宇宙」を解説

陸・海・空の交通や物流に関わるスキルを学びます。自動車、飛行機、船舶、鉄道車両などの整備・保守や設計・開発、製造ラインや安全の管理、乗客サービスなど、身につけるべき知識や技術は職業によってさまざまで、特定の資格が求められる職業も多数あります。宇宙については、気象観測や通信を支える衛星に関わる仕事の技術などを学びます。

「自動車・航空・船舶・鉄道・宇宙」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「天文雑誌編集者」
はこんな仕事です

天文の専門雑誌に掲載する記事を企画する仕事。読者は天文に詳しい人だけでなく、興味があってもそれほど詳しくはない初心者も多いため、編集者は、単に天文や宇宙に関する専門的な情報を掲載するだけでなく、分かりやすく魅力的な企画を立てることが求められる。天文雑誌の編集者も、企画提案・取材・執筆する点ではほかのジャンルの雑誌編集者と同様だが、話を聞くだけでなく、自ら望遠鏡で観測することもあるので、学校の天文部に所属したり、天体観測を趣味にしておくと役立つことも多い。

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