【シゴトを知ろう】薬事監視員 編

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【シゴトを知ろう】薬事監視員 編

2017.08.28

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】薬事監視員 編

風邪をひいたり熱が出たりしたときに服用する薬や、リップクリームやハンドクリーム、洗顔料などは、私たちの生活になくてはならないアイテムですよね。実は、これらが私たちの手元に届くまでには「薬事監視員」と呼ばれる公務員が商品の品質や安全性をチェックしています。

今回は、その仕事内容や学生時代に学んだことについて、東京都福祉保健局健康安全部薬務課で薬事監視員として働く日高由佳子さんに教えていただきました。

この記事をまとめると

  • 医薬品等の品質、安全性、有効性を確保するため企業などへの調査と指導を行う
  • 大学で学んだ薬学の基礎知識が薬事監視員の仕事に役立っている
  • 新しい情報に敏感で、知識を深めることが好きな人に向いている

安全な医薬品を世の中に届けるため、企業などを指導する

Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えてください。
 
薬事監視員は、医薬品や医療機器などについて、製造から使用に至るまでの品質、有効性、安全性が確保されるよう、メーカーや医療機関に対して調査や指導を行っています。例えば、すでに市場に流通している医薬品を何らかの理由でメーカーが自主回収する場合には、回収の徹底や原因の究明、再発防止策についての指導。国家検定に合格しないと出荷できないワクチンに対しては、製造工程で品質を確保するための指導を行います。また、医療機関に出向いて、医薬品の安全管理が適切に行われているか実地調査し、必要に応じて助言する場合もあります。一方で、そういった調査の質を向上させるために研修の企画、運営を行い、監視員に対し勉強の機会も設けています。安全な製品を消費者に届けるため業務に励む毎日です。

<ある一日のスケジュール>
09:00 出勤
10:00 ワクチン製造所へ立入調査
14:00 帰庁
メールや回覧物をチェックして情報収集
医薬品、医療機器関連の企業から寄せられる自主回収に関する相談対応
国や他道府県とのやり取り
17:00 報告書の作成
18:30 退庁
 
 
Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?

医薬品などの品質・有効性・安全性を確保するためには、各企業が「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(医薬品や医療機器などの規制を定める法律)や「薬剤師法」(薬剤師について業務や免許、資格要件などを規定した法律)を始めとする法律を遵守して、多角的な管理を適切に行うことが大切です。

そのため、メーカーや企業に法律に基づいて改善の必要性を説明した後、納得した上で意欲的に改善に取り組んでもらえたときには大きな充実感があります。また、そういった経験を重ねると仕事への自信にもつながり、自らの成長を実感できます。
 
 
Q3. 仕事で大変なこと・つらいと感じることはありますか?

私たちの指導が持つ影響力の強さを、プレッシャーに感じることもあります。医薬品などが市場に出回るためには、品質、有効性、安全性の確保は必須。それらをクリアするために、薬事監視員は法律に基づいて調査、指導を行っています。しかし、私たちが提案する改善の内容によっては、経済的、人的負担がかかり企業の経営に影響する場合もあります。企業からは「行政指導は重く、強制力がある」と捉えられている場合がほとんどなのです。そういった企業側の意識をふまえ、自らの発言一つひとつに責任を持つように常に意識しています。

2つの試験勉強を同時並行するコツは、事前の時間配分

Q4. どのようなきっかけ・経緯で薬事監視員の仕事に就きましたか?
 
大学在学中に薬剤師の仕事について調べていたところ、薬局や病院での勤務以外に、保健所などに勤務する「薬事監視員」という仕事があることを知り、興味を持ったのがきっかけです。今私が勤めている東京都福祉保健局の薬事監視員になるには、薬剤師国家試験と東京都職員採用試験の2つの試験に合格しなくてはなりません。

大学での研究に加えて、2つの試験勉強を並行して行わなければならない時期があり大変でしたが、通学中の電車内では国家試験の勉強、自宅では採用試験の勉強というように、事前に時間を配分して効率良く学習するよう心掛けました。また、大学の就職相談室や公務員試験の対策講座を活用したことが、採用試験に関する情報収集に役立ちました。結果どちらの試験も無事合格し、今の仕事に就いています。
 
 
Q5. 大学では何を学びましたか?
 
大学では薬学部(6年制)に進み、物理学、化学、生物学から、薬理学(化学物質が生体に与える影響を中心に研究する学問)、衛生学(個人や公衆の健康維持と向上、疾病予防などを目的とする学問)、薬事関係法規まで、幅広い分野を勉強しました。5年次には病院や薬局での実習があり、薬剤師の実務についても学びました。

医薬品や医療機器の企業が多い東京都では日々さまざまな事例が発生しますが、それらの問題点を正確に把握し、あらゆる面から考察して柔軟に対応していく上で、大学時代に学んだ薬学的な基礎知識が役立っています。
 
 
Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?

私の父が薬剤師だったこともあり、漠然と医療関連の職業に就きたいと思っていました。そのため、高校生の頃から医療に関する本を読んだり病院での看護体験に行き、医師や看護師、患者さんの話を聞いたりしました。

当時はまだ薬事監視員という仕事を知りませんでしたが、高校生の時に医療の世界に触れたことで自分が働くイメージを描きやすくなり、薬学部という進路を選ぶ際にも参考になりました。

患者さんと直接触れ合わなくても、人々の健康を守る

Q7. どういう人が薬事監視員の仕事に向いていると思いますか?
 
好奇心が旺盛で、専門性を高めたい人には向いていると思います。この業界で用いられる法律やガイドラインは頻繁に更新されるので、常にアンテナを張り最新の情報を取り入れる必要があります。得た知識は実務経験で生かし掘り下げていけるので、物事を深く突き詰めるのが好きな方にも合う仕事でしょう。また、企業や医療機関、国や他の道府県とやり取りする機会も多いので、人と話すのが好きだといいかもしれません。


Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします。
 
薬事監視員の仕事では、病院や薬局などで患者さんと直接顔を合わせる薬剤師とは異なり、実際に患者さんと触れ合う機会がほとんどありません。しかし、医薬品や医療機器が患者さんの手元に届くまでの安全、安心な医療を提供する一翼を担っています。患者さんの顔が見えないので地味な仕事に感じるかもしれませんが、製品を通じて、より多くの人の健康に関われることがこの仕事の魅力の一つだと感じています。

高校生の皆さんは、専門的な知識は薬事監視員になってから身に付ければいいので、まずは今興味があることにチャレンジしてください。薬事とは全く関係がないと思うことでも、将来必ず役に立つ時がきます!
 
 
同じ薬剤師国家資格が必要な職業でも、病院や薬局で働く薬剤師と薬事監視員は仕事内容も接する人々も異なるのですね。皆さんも、「あの仕事に就くにはこの資格が必要」という考え方に加え、「この資格があれば、他にはどんな仕事に就けるだろう」と資格を切り口に進路を考えてみてはいかがでしょうか。その資格を取得できる学校も併せて調べてみるといいかもしれません。


【profile】東京都福祉保健局 健康安全部 薬務課 薬事監視員 日高由佳子
【取材協力】東京都福祉保健局 総務部 職員課

この記事のテーマ
医療・歯科・看護・リハビリ」を解説

医師とともにチーム医療の一員として、高度な知識と技術をもって患者に医療技術を施すスペシャリストを育成します。医療の高度化に伴い、呼吸器、透析装置、放射線治療などの医療・検査機器の技師が現場で不可欠になってきました。専門的な技術や資格を要する職業のため、授業では基礎知識から医療現場での実践能力にいたるまで、段階的に学びます。

「医療・歯科・看護・リハビリ」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「薬事監視員」
はこんな仕事です

薬事監視員とは、医薬品、化粧品、医療機器を取り扱う会社を対象に、商品の安全性などを監視するために立ち入り検査を行い、品質や表示内容をチェックする専門職を指す。所属は、厚生労働省管轄の保健所で、身分は国家公務員となる。万一、粗悪な医薬品を発見した場合は、製造会社に対して薬事法に規定された指導や業務改善命令を行う権限を有する。昨今では、通信販売やインターネット広告なども監視し、消費者の安全を守る責任ある仕事をこなしており、社会的な使命感を持って働くことのできる仕事だ。

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