【シゴトを知ろう】歩荷 〜番外編〜

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【シゴトを知ろう】歩荷 〜番外編〜

2017.08.30

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】歩荷 〜番外編〜

「【シゴトを知ろう】歩荷 編」では、渡部努さんに歩荷の仕事内容や、歩荷になるまでの経緯を教えていただきました。

私たちが日常生活で100kgの荷物を持ち上げる機会はなかなかありませんが、それを仕事とする歩荷の方々はどのようにして体得したのでしょうか。番外編では、歩荷が行う運搬業務についての裏話や、思い出深いエピソードについて伺いました。

この記事をまとめると

  • 新人を教育するときは、身体にかかる負荷を軽減させるコツを教えている
  • 同僚にはベテランから若手までいる。山好きという共通点があり仲が良い職場
  • ヘリコプターが飛行しない日は、代わりに食料を届ける場合もある

安全に荷物を運ぶためのコツがある

――肉体的なつらさがあるように見えますが、支えはありますか?

歩荷をしていてつらいと感じることは特にありませんね。もちろん体調がすぐれない時は大変だなと思いますが、整骨の先生のおかげで大きなケガをしたこともありません。

それに僕らは山小屋の営業期間に合わせて歩荷の仕事をしているので、残りの半年はリフレッシュできるんです。僕はこの半年の時間を生かして造酒をしていますし、スキーのインストラクターをしているメンバーもいて、それぞれが思い思いに過ごしています。
 
 
――運搬する荷物の内容と運ぶコツを教えてください。

僕たちが運ぶのは、主に山小屋に宿泊するお客さんの食料です。野菜や冷凍食品の他、重量のある飲料物やしょう油や味噌などの調味料も運んでいます。

こういった荷物を運搬するときは、バランスを考えて背負い梯子に乗せています。下に重いものを集めると余計に重く感じますし、かといって上に集めても後ろにひっくり返ってしまいます。このバランスは人によって異なりますので、経験を重ねる中で自分にとって丁度良い乗せ方を見つけます。

また、運搬中の休憩にもコツがあります。歩き続けるだけでは疲れが出るので、休憩は必ず取るようにしているのですが、荷物が重いと座るだけでもひと苦労なのです(笑)。木道にはベンチがありますが、一般のお客さんが座っている場合は木道に直に座ります。その際、膝に手を置きながら荷物を身体側に傾けるようにするのがコツです。こうしたことを知らないと倒れたり、足をひねったりする危険があるので新人を育てるときには必ず伝えています。
 
 

若手への指導は、一緒に山を歩きながら伝える

――職場の雰囲気を教えてください。
 
僕らは6人組で働いています。歩荷の経歴としては30年目の僕が最長で、他のメンバーは歩荷歴20年目と10年目。付き合いが長い分、仲は良いです。さらに最近は20代の男性メンバーが3人加わりました。歩荷になって最初の1週間は、一緒に歩いて安全な足の運び方や怪我を最小限に抑える転び方を教えています。その後も、運搬中にすれ違ったり追い越したりするタイミングで「大丈夫か?」「無理はしていないか?」と声をかけています。あまり過保護にならないようにと思っていますが、どうしても気になってしまいます(笑)。
 
 

ヘリコプターの代わりに荷物を運び、山小屋の人に喜んでもらえた

――一番の思い出や達成感を感じたエピソードを教えてください。

山小屋は僕らが運ぶ物品だけではなく、ヘリコプターで運ばれるものも利用して営業しています。しかし、ヘリコプターの利用は日時が決まっている上に、天候に左右されてしまうので、特に梅雨の時期は必要な物品が届かない場合があるのです。営業期間が決まっている山小屋では食料を残さないよう計画的に消費するので、ヘリコプターが1日飛ばないだけで経営に大きな支障が出てしまいます。そんな時は、僕らがヘリコプターの分まで食料を届けています。その場合、通常よりも10kgほど荷物が重くなりますが、食料を待っている山小屋に着くと「来てくれて本当に助かった」と笑顔で迎えてくれるのです。その笑顔を見られたときは、歩荷の仕事をやっていてよかったなと思います。
 
 
渡部さんいわく、「荷物を背負うのはウエイトリフティングの練習と一緒で、少しずつ背負える重さを増やすしかない」とのこと。自分に合った荷物の積み方も筋力も、確実に荷物を運ぶ経験を重ねるからこそ身に付くのですね。歩荷の仕事に興味が湧いた人は、実際に山小屋のある場所に出掛けてみてはいかがでしょう。その仕事ぶりを目の当たりにすることで得られるものがあるはずです。
 
 
【profile】株式会社本多 渡部努
【取材協力】公益財団法人 尾瀬保護財団

この記事のテーマ
環境・自然・バイオ」を解説

エネルギーの安定供給や環境問題の解決など、自然や環境を調査・研究し、人の未来や暮らしをサポートする仕事につながります。また、自然ガイドなど、海や山の素晴らしさと安全なレジャーを多くの人に伝える仕事もあります。それぞれ高い専門性が求められる職業に応じて、専門知識や技術を学び、カリキュラムによっては資格取得や検定も目指します。

「環境・自然・バイオ」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「歩荷(ぼっか)」
はこんな仕事です

難所のある山岳などにおいて徒歩で荷を運ぶ仕事で、エベレスト登山の話題などに登場する「シェルパ」もほぼ同様の仕事である。車が通れる道路のない険しい山や渓谷を越えて、背負子(しょいこ)と呼ばれる道具に、多いときは100kg近い荷を積んで運搬する。ヘリコプターが使えるようになるなど、近代化に伴って歩荷を専門的に営む人が存在するのは、群馬県・新潟県・福島県の県境に広がる尾瀬など限られた地域のみとなっているが、現在でも山小屋のスタッフやアルバイトとして歩荷の仕事をする機会がある。

「歩荷(ぼっか)」について詳しく見る