【シゴトを知ろう】助監督 編

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【シゴトを知ろう】助監督 編

2017.09.11

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】助監督 編

映像作品は、情報量が他のメディアに比べると圧倒的に多く、小道具や衣装、美術といったもの以外に、文化や歴史的背景など、たくさんの要素が含まれています。監督は、それらについて細かな演出を要求され、膨大な数の事柄を決めていかなければなりません。映画の撮影現場で、主に演出やスケジュール管理について、監督をサポートするのが助監督の仕事です。
今回は、株式会社松竹撮影所 京都撮影部 演出部で助監督をしている髙﨑信久さんにお話を伺いました。

この記事をまとめると

  • 演出に関するさまざまなサポートをする演出部は、キャリアに応じた分業制
  • 調べることが多い仕事。どこまで広く深く調べられるかは自分との闘い
  • 大学時代から、学生という身分を生かして積極的に映像の世界に関わっていた

序列に応じて、演出に関するさまざまなサポートをする演出部

Q1. 仕事概要と1日のスケジュールを教えてください。
 
僕は、松竹撮影所京都スタジオの演出部に所属し、助監督をしています。助監督には、「チーフ」「セカンド」「サード」「フォース」といった序列があり、それぞれの立場によって仕事の内容が異なります。

チーフは主に撮影スケジュールを制作します。撮影の進行状況に応じて、いかに円滑に進めていけるか、日々スケジュールと睨み合っています。撮影はいつも順調に進んでいく訳ではありません。雨で撮影ができない・その日に撮りきらなければいけないところまでできなかった・役者のスケジュールが合わない・インフルエンザが現場でまん延するなどといった困難に次から次へと直面します。ここぞというときに大きな決断と選択を下せるかは、チーフの力量が問われるところです。

セカンドは主に衣装・メイク担当です。衣装部、メイク部と登場人物の服装やメイクについて打ち合わせをし、監督に提案します。京都撮影所では時代劇が中心になるので、結髪(*1)や着物の知識が必要になります。そして撮影現場においては、エキストラの動きをつけることと、現場全体を仕切ることもセカンドの仕事です。

サードは、主に装飾・小道具担当です。現在、僕が担当している立場になります。劇中に出てくる張り紙・看板・表札・手紙などに使われている文字情報を、シーン・場所・時代・設定に合った内容で考えて原稿を作ります。それを装飾部や美術部に依頼して、現物を作ってもらいます。また、小道具担当と小道具(登場人物の靴・帽子・持ち物を含む)について打ち合わせをし、監督に提案します。

現場においてはカチンコを打つのもサードの仕事です。カチンコの音で役者は芝居を始めるので、簡単なようでミスの許されない仕事です。作品によっては、フォース以降の担当がサードの仕事を補助することもあります。

日本映画界の現状として、会社に所属している助監督はほとんどおらず大半がフリーランスですが、現在僕は製作会社に所属しておりますのでプロダクション業務も行います。

<1日のスケジュール>
7:00 出社 台本と照らし合わせながら、その日の撮影内容を確認。小道具の手伝い
8:00 撮影開始の約1時間前にセット入り 
    家具などの装飾品の拭き掃除や・畳の掃き掃除など
9:00 撮影開始
12:00 昼食休憩
13:00 撮影再開
18:00 夕食休憩
19:00 撮影再開
21:00 撮影終了 スタッフルームに戻り、翌日の撮影内容の予習・確認・原稿作りなど
     帰宅 帰宅後、自宅で調べものや原稿作りなどをすることも多い

*1 結髪(けっぱつ):時代劇の役者がつけているカツラのこと

深く調べて、時には実際に体験して理解することが作品に生かされる

Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?

一つとして同じ作品はなく、毎回新しいことに挑戦できるというのが最大の魅力です。
また、助監督は作品に関連するさまざまなことを調べることの多い仕事です。そのため、普段生活していて自分が触れる機会のない、いろいろな世界を知ることができます。仕事に関わることで、常に刺激や、知的欲求を駆り立てられています。

文献でもある程度の知識は会得できますが、実際にその道に生きる方々のお話を直接伺い、その技をこの目で見て、その世界を肌で感じ、それを作品に生かすというプロセスは非常に興味深いものです。例えば、茶道に関する作品では、実際に先生がお茶を点てる様子を目の前で拝見し、そのお茶を舌で感じる体験を通して、文献だけでは得られなかったことが会得できます。そうして得た経験を作品に生かしていきます。


Q3. 仕事で大変なこと・つらいと感じることはありますか?

助監督はとにかく調べものが大きな仕事の一つになるので、作品の準備期間中も撮影中も、それに追われがちです。作品にもよりますが、時には始発もない時間に集合し、深夜まで撮影があるという過密スケジュールもあります。眠気と格闘しながら調べものや原稿作りをするのはつらいものがあり、しかもどこまで深く調べるか、調べ出したらキリが無くなってくるので、そこは自分との闘いになってきます。

また、現在僕はサード助監督なので、自分の原稿を基に作っていただいた看板や手紙などが出てくるシーンの撮影前は緊張します。何度も間違いがないか事前にチェックはしていますが、万が一ミスがあったら、そこで撮影がストップしてしまうこともありえます。そのロスで、作品とその関係各所に多大なる迷惑をかけてしまうことになるので、いつも細心の注意を払っています。

大学時代から映像のプロの現場に積極的に飛び込んでつながりを作った

Q4. どのようなきっかけ・経緯でこの仕事に就きましたか?
 
高校までは特に芸術関係の勉強はしていませんでしたが、大学は映像関係の学部があるところに入りました。大学在学時に、今の職場である撮影所に何度かお手伝いとして関わったり、インターンシップを活用して東京で映画制作に参加したりと、在学時からプロの現場に携わる機会に恵まれていました。そのご縁で松竹撮影所の採用試験を受け、今に至ります。


Q5. 大学では何を学びましたか?

大学は映像関係の学部だったので、授業で今の職につながることを学んだ部分もありますが、学生という身分を生かして、自分から積極的に飛び込んで世界を広げていく大切さを学んだと思います。例えば、授業で紹介された知らない映画をレンタルビデオ屋で借り、それまで自分が興味を持たなかった作品に意識を向けることも世界を広げる一つの方法です。

また、インターンシップという機会を生かしてプロの現場を体験してそこで知り合った方々とつながり、別の作品にも参加してみたり、映画祭などのイベントに足を運んでさらにつながりを広げたりもしました。在学時に知り合った方々とは今も交流があり、仕事でご一緒することもあります。


Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?

高校は理系の進学コースに入りましたが、入ったときから漠然と、自分は映画を作る道にいきたいなと思っていました。周囲が国公立大学の理系学部に入るぞ!と意気込んでいる中、僕は黒澤明監督の作品などを見たりして過ごしていました。そして周囲に、僕は映画監督になりたいんだと公言していました。実際になれるかどうか不安な気持ちで自分の中で抱えこんでいるより、漠然とした夢であっても公言することで、周りに言ったからには実現しないと! と頑張ることができたのではないかと思います。

助監督は、幅広い知識と経験が思わぬ場面で生かされる仕事

Q7. どういう人が助監督に向いていると思いますか?

人と接することが好きな人が向いていると思います。どんな部署につこうが、映画やドラマは基本的に大勢の人と共に作り上げていきます。制作現場はオーケストラのようなもの。大勢で綿密な打ち合わせや意見のぶつけ合いがあります。そして本番で抜群のセッションを成し遂げることで素晴らしい作品が完成します。ですので、人とコミュニケーションが取れない人は苦労します。


Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします。

助監督をしていると、あらゆる知識や経験が思いがけないところで生きてくる場面が多々あります。

分かりやすいところでは、歴史の勉強をしっかりやっておけば、時代劇を作る際に生かせられます。数学なんて社会に出て何の役にも立たないと思っていても、いつか数学に関する内容の作品に出合い、勉強していたことを生かせるかもしれません。または、読んだことのある本の内容が役に立つということがあるかもしれません。

自分で可能性を狭めず広い視野を持ち、何事にも積極的に触れていくことが、必ず良い作品作りにつながっていきます。
 
 

助監督は、ただ自分の専門内のことだけをやっていれば成り立つわけではなく、むしろあらゆるものへの知識と興味が要求される仕事です。
しかし映画への情熱、積極性と好奇心があれば、大きなやりがいを得られるだけでなく、人間としての幅を広げ自分自身を大きく成長させてくれる仕事だといえるでしょう。

助監督に興味のある人は、髙﨑さんのように学生時代から積極的に映画の現場に飛び込んでみるのがいいかもしれません。
 
 
【profile】株式会社松竹撮影所 京都撮影部 演出部 髙﨑信久

松竹撮影所ホームページ http://www.shochiku-ks.com/

この記事のテーマ
マスコミ・芸能・アニメ・声優・漫画」を解説

若い感性やアイデアが常に求められる世界です。番組や作品の企画や脚本づくり、照明や音響などの技術スタッフ、宣伝企画など、職種に応じた専門知識や技術を学び、実習を通して企画力や表現力を磨きます。声優やタレントは在学しながらオーディションを受けるなど、仕事のチャンスを得る努力が必要。学校にはその情報が集められています。

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この記事で取り上げた
「助監督」
はこんな仕事です

映画製作の数あるプロセスのなかで、主に「撮影」を行う期間、スムーズに進行するようにさまざまな段取りを整えるのが仕事。具体的には、日々変化する撮影状況を踏まえながら、関係各所と調整して撮影スケジュールを組む、実際の撮影の現場でエキストラの演技指導を行う、といったことが役割となる。キャリアとしては、助監督を経て映画監督になるケースが多い。しかし、仕事内容は「撮影現場の調整」が中心であるので、監督をめざすのであれば、企画や脚本づくりについて創作手法を学んでおくことが大切だ。

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