【シゴトを知ろう】NR・サプリメントアドバイザー 編
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消費者に対して、保健機能食品やサプリメントについて専門的観点から個人の栄養状態を評価し、適切にアドバイスできる資格を「NR・サプリメントアドバイザー」といいます。
今回は、サプリメント専門店ヘルシーワンのスタッフとして働く古屋史織さんに、その仕事内容や学生時代に学んだことについて教えてもらいました。
この記事をまとめると
- 一人のお客様を長期にわたって担当し、体調管理をサポートする
- NR・サプリメントアドバイザー資格を取るには、栄養を化学的に捉える勉強も必要
- 美容や健康に関する最新の情報を取り入れる向上心があると良い
約100種類のサプリメントから、オリジナルの組み合わせを提案
Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えてください。
私の主な仕事は、お客様の体調や悩みをカウンセリングで引き出し、約100種類ものサプリメントから、一人ひとりに合わせた組み合わせをご提案することです。健康や美容に関する悩み、スポーツに関する相談など、お客様が来店する理由もさまざまなので、幅広いジャンルの知識が求められます。カウンセリングと聞くと重苦しいイメージを抱く方もいますが、お客様に楽しく過ごしていただけるよう心掛けています。
一日の流れは日によって異なります。私のいる店舗は10時から20時まで営業していますが、勤務時間はシフト制です。ずっと店頭で接客をする日もあれば、事務作業に集中したり、カウンセリングのイベントを行ったりする日もあります。
Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?
私がやりがいを感じるのは、お客様が「今まで人に話したことのない」という悩みを、少しずつ打ち明けて下さるときです。私を栄養管理のプロとして信頼し、勇気を出して心を開いて下さった瞬間だと思うので、その時は「絶対に悩みを解決したい!」と強く思います。
また、アドバイスをした後「良い変化があったよ」とご報告を受けると、自分のことのようにうれしいです。じっくりとマンツーマンでカウンセリングするからこそ、長期にわたってお客様の体調に寄り添えます。責任も大きいですが、やる気があれば、どこまでも知識を追求し成長していける仕事だと思います。
Q3. 仕事で大変なこと・つらいと感じることはありますか?
サプリメントや健康食品は、毎日のように新しい商品や情報が出ているので、日々の情報収集は欠かせません。意識が高く美容や健康に詳しいお客様も多いので、お話をする度に刺激を受け「もっと勉強しよう!」という意欲が湧いてきます。
また、美容のサプリメントをすすめる側なのに肌が荒れていると、お客様に納得していただくのは難しいです。ですので、アドバイスに説得力が生まれるよう自分自身の健康や美容にも気を使っています。
「人の心に寄り添う仕事がしたい」という一貫した思いがあった
Q4. どのような経緯でNR・サプリメントアドバイザーの仕事に就きましたか?
私は、サプリメント好きの父の影響で、高校生の頃からサプリメントに興味がありました。しかし、どれを選べばいいのか分からず、種類だけが増えてしまっていた記憶があります。その後、進学した管理栄養士を養成する大学で、NR・サプリメントアドバイザー資格を受験する機会がありました。そこで「サプリメントについてきちんと学んでみたい!」と思い、迷わず受験し合格したのがきっかけです。
資格を取得した後、就職活動中に現在働いている会社に出合いました。一人のお客様に寄り添って長期的にサポートできると知り、採用試験を受け今に至ります。
Q5. 大学では何を学びましたか?
管理栄養士になるために必要な栄養学、調理学はもちろん、生物学・化学・身体の構造や疾病、カウンセリング論など幅広く学びました。特に、応用栄養学で得た知識は今の仕事に役立っています。応用栄養学とは、ライフステージ別に必要な栄養について学ぶ学問で、お客様の年齢を踏まえてアドバイスをする際にとても参考になっています。
また、NR・サプリメントアドバイザー資格を受験する時に勉強した内容も生かせています。例えば、それまで私は栄養学に対して、食事療法のように献立の量や栄養バランスを見る学問だというイメージを持っていました。しかしいざ勉強してみると、口から摂った成分が人体に与える影響を分子レベルで学ぶ生化学や、化学なども本格的に学ぶ必要がありました。化学的な側面から捉える栄養の知識は、サプリメントの仕組みをお客様に説明する上で大切な土台になっています。
Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?
高校生になるまでは、薬剤師になる夢を抱いていました。子供のころ病弱だった私に、優しく接してくれた薬剤師さんの姿に憧れて、いつかこんな風に人の心に寄り添う仕事に就きたいと思ったのです。
そして高校生の頃に改めて自分のやりたいことは何だろう?と考えた結果、「病気になってから薬を提供する薬剤師より、毎日の食事を介して根本的な体質改善を支える栄養士になりたい」と思い、管理栄養士の受験資格が取れる大学に進学。その後、先ほどお話したように、一人のお客様と腰を据えて向き合える点に魅力を感じて今の会社に入社を決めました。その時々で目指す職業は変わっても、根底にある「人の心に寄り添う仕事がしたい」という気持ちは一貫して持っていました。
目の前にいる人に興味を持ち、気持ちを察することが大切
Q7. どういう人がNR・サプリメントアドバイザーの仕事に向いていると思いますか?
お客様の生活習慣や仕事、体質まで考慮して提案していく仕事なので、人に対する興味がなくては務まりません。その上で、「人のために何ができるか」を考えられる人は向いていると思います。また、体調というデリケートな問題にも触れるので、目の前にいる方の話し方や目線、仕草をよく観察し、気持ちを推し量るのが得意な人もいいでしょう。もう一つ付け加えるなら、最新の情報をすぐに取り入れる向上心や探究心があると、より活躍の場が広がると思います。
Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします。
私の職場では自社製品をメインに扱っていますが、他にNR・サプリメントアドバイザー資格を生かせる職場としては、特定保健用食品を始め、さまざまなブランドのサプリメントを扱うドラッグストアも選択肢の一つです。
高校生の皆さんが今からできることとしては、買い物に行ったときに、その商品はどんな人におすすめで、どんな成分が特徴なのかを見比べてみるといいと思います。今はサプリメントも多くの種類があるので、自分が改善したいと思う分野から調べてみてはどうでしょうか。もしそのお店にNR・サプリメントアドバイザーがいれば、ぜひ声をかけていろいろと質問してみてください。
私たちの健康の推進および増進に、また、消費者への正しい情報提供に寄与するNR・サプリメントアドバイザーは幅広い分野を学ぶ必要があるのだと分かりました。
NR・サプリメントアドバイザーの資格取得には、指定の協会に入会し、講座と認定試験を受ける必要があります。古屋さんのように大学で受験申し込みができる場合もあるので、資格取得に強い大学を調べてみるのもいいかもしれませんね。
【profile】株式会社 美高商事 ヘルシーワン スタッフ 古屋史織
【取材協力】一般社団法人 日本臨床栄養協会 日本サプリメントアドバイザー認定機構
この記事のテーマ
「医療・歯科・看護・リハビリ」を解説
医療の高度化に伴い、呼吸器や透析装置、放射線治療などを取り扱う医療・検査機器の技師がますます求められています。この分野の仕事は、高度な知識と技術をもって患者に医療技術を施すスペシャリスト。めざすには、基礎知識から医療現場での実践能力に至る段階的学びが必要となります。
この記事で取り上げた
「NR・サプリメントアドバイザー」
はこんな仕事です
栄養情報担当者(NR)とは、健康管理、栄養食品に関する知識を身に付け、消費者に対して正しいアドバイスを行う専門家のこと。公的機関である独立行政法人国立健康・栄養研究所が定めた認定制度に基づく職業であり、老若男女の健康状態に合わせて栄養食品に関する助言を与えることのできる、有資格者の育成を国が支援している。「栄養情報担当者(NR)認定証」は認定試験に合格すると交付され、薬剤師などの医療従事者、管理栄養士など食品に携わる職種の者が、「栄養情報担当者(NR)」を兼務している場合もある。
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