材料や切削がカギ! 安全性の高い航空機の作り方って?

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材料や切削がカギ! 安全性の高い航空機の作り方って?

2017.08.09

提供元:マイナビ進学編集部

材料や切削がカギ! 安全性の高い航空機の作り方って?

近年、日本では全国各地に空港の整備が進み、同時にLCC(格安航空会社)の登場によって、国内や近隣外国への旅行がグンと身近なものになりました。各地の空港で個性豊かな旅客機を目にする機会も増えたと思いますが、これら航空機が安全に飛行するために、どのような技術が用いられているのか、皆さんは考えたことがありますか?

この記事をまとめると

  • ジェット機本体には、軽くて頑丈なアルミ合金や炭素繊維などが用いられている
  • 海外メーカーの飛行機でも、機体の大半を日本のメーカーが手がけていることも
  • 2020年には純国産のジェット旅客機が登場する予定

軽量化と高強度を兼ねそろえた機体の開発を目指す

もし、はるか昔の人が飛行機を見たら、「巨大な鉄の塊が空を飛ぶなんて!」と、ビックリするかもしれませんね。でも、鉄でできているかのように見える飛行機の機体。実は、鉄は使われていないのです。なぜなら、鉄は非常に重量があるため、巨大なジャンボジェット機の機体への使用は厳しいからです。

一般的なジャンボジェット機の機体にもっとも多く用いられているものは、ジュラルミンなどの成分を混ぜた「アルミニウム合金」です。アルミニウム合金の重量は鉄の約3分の1と、鉄と比べはるかに軽いことが特徵。他には、金属ではない「炭素繊維」を用いた機種も登場していて、アメリカのボーイング社が2011年に製造した「787機」の機体には炭素繊維が用いられています。787機はANA(全日本空輸)が世界に先駆け導入したことで、国内でも話題になりました。

これら金属材料や炭素繊維、強化プラスチックといった素材は、軽い上に強度も高く、熱にも強いため、高熱にさらされるエンジン周辺の部材にもふんだんに使用されています。

ちなみに、鉄を使用して大型の乗り物を製造する場合、溶接(金属を加熱して接着する)によって鉄を接合しますが、合金や炭素繊維などは耐熱性能が高いため、溶接で接合することができません。そのため、航空機用の特殊な接着剤やリベット(鋲・びょう)により接合されています。

産学官連携で飛行機づくりの研究に取り組んでいる

自動車・鉄道・船など、日本の乗り物の品質は海外でも高く評価されていることは有名な話。でも、意外にも日本にはジャンボジェット機を専門として製造するメーカーは国内に存在しません。

ただし、エンジンをはじめ、海外メーカーの飛行機に使用される部材には、日本製のものが多く用いられています。実際に、787機の主翼(三菱重工)や胴体(川崎重工)の製造は日本のメーカーが手がけていています。そのため、国産のジェット機の登場を待ちわびている航空ファンもいるようです。

そんな中、2013年に東京大学生産技術研究所の「先進ものづくりシステム連携研究センター」は、日本独自の航空機製造技術の確立を目指し、大学と企業、そして政府による協力体制を組みました。

同センターでは、高品質・高精度な素材を供給するための生産技術の確立のために研究が進められています。例えば、レアメタルと呼ばれる希少な金属を使用した高硬度で頑丈な工具の開発や、切削した金属の切りくずの最小化とリサイクルなどが目指されています。

また、機体の軽量化についても燃費の向上と省資源化を実現するために飛行機づくりでは重視されているようです。品質だけでなく、省資源や省エネルギー、リサイクルといったエコの面への配慮も、モノづくりにおいて、とても重要だといえそうですね。

航空業界で、日本が注目を浴びる日もそう遠くない?

航空機専門のメーカーがない日本ですが、三菱重工では、国産小型ジェット機の「MRJ」の開発が進められています。何度も発売延期を繰り返し、現在では2020年の納入を目指しているようですが、多くの関係者、航空ファンが、この純国産のジェット旅客機の登場を待ち望んでいます。

日本の航空機といえば、古くは第二次世界大戦で使用された「ゼロ戦*」などがありますが、終戦直後、日本を統治したGHQ(連合国軍最高司令部)によって、日本の軍事力をなくすことを目的に航空機の設計・製造を全面的に禁じられた過去があります。

そのため飛行機製造で諸外国に大きな後れを取っているといわれています。もともと高い技術力を持っていた日本にとって大きすぎるブランクとなってしまいましたが、長い年月を経て、今ようやく航空技術が再び花開こうとしていることに、たくさんの人が、大きな期待を寄せているのではないでしょうか。

*ゼロ戦……零式艦上戦闘機の略称。日本海軍の主力艦上戦闘機として使用されていた。

このように、大学などの研究機関や、企業、政府も関わる航空や宇宙開発などは、つい応援したくなってしまうロマンがありますね。今回のニュースが気になった人は、世界の飛行機づくりの歴史について勉強してみるのもおもしろいかもしれません。将来「航空」分野で知識を生かせるかもしれませんよ。


【参考文献】
日経BP|SAFETY JAPAN
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/a/145/index5.html

日本経済新聞|「787」機体部品、中部主力工場で増産 三菱重など
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFD11018_R10C11A7L91000/

先進ものづくりシステム連携研究センター
https://www.cmi.iis.u-tokyo.ac.jp/

Aviation Wire |「都もパリ航空ショー初出展 特別塗装のデカール機手掛ける企業も」
http://www.aviationwire.jp/archives/123338

日本経済新聞|MRJ「納入を2020年半ばに延期」 三菱重工
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ23HHS_T20C17A1000000/

一般社団法人 日本航空宇宙工業会
http://www.sjac.or.jp/common/pdf/toukei/50nennoayumi/4_1_nihonnokoukuki1.pdf

この記事のテーマ
メーカー」を解説

日用品から航空機に至るまで、製品として世に出るモノは必ずどこかのメーカーによりつくられています。工業技術を用いてモノを生産する企業がメーカーです。生産技術の基礎は、機械などは物理学、薬や洗剤などは化学、食品などは生物学などさまざまです。自動車会社のように機械、電気・電子、情報などの各工学によりつくられた部品を一つの製品に集約するメーカーもあります。

「メーカー」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「自動車・輸送用機器」
はこんな業界です

人や物を運ぶ乗り物を主に製造するのが輸送機器業界である。輸送機器のニーズは陸海空にわたり、大きくは自動車・鉄道・船舶・航空機などの業界に分かれている。なかでも自動車業界は国際的な競争力を持つ日本の主力産業である。一方で少子高齢化が進行しており、「車離れ」が危惧されているが、市場ニーズの変化に対応するため、電気自動車やハイブリッドカーなどを積極的に導入し、新しい需要創出をめざす。また、ブルドーザーなどの建設用車両も世界的に高いシェアを誇る。

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