【シゴトを知ろう】ジュエリーデザイナー ~番外編~
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株式会社アイデクトでジュエリーデザインに携わる日向ユリナさん。今回は「【シゴトを知ろう】ジュエリーデザイナー 編」に続いて、一般的なジュエリーメーカーでのデザインとの違い、デザインにおいてこだわっているポイントなど、日向さんならではのお話を番外編としてご紹介します。
この記事をまとめると
- 目指し続けるのは、宝物になる・身に着けると元気が出るようなジュエリー
- 優れたデザイナーは、さまざまな人との連携に感謝しながら美しい形を生み出せる人
- いろいろな物事をよく観察し、アイデアを溜めておくことが将来に役立つ
お客様に合わせてデザインするジュエリー。製作後の感慨深さもオーダーメードならでは
――オーダーメードならではの仕事の魅力を最も感じるのはどのような部分でしょうか?
お客様に直接お会いし、ご要望やご意見を伺う機会を通じて「目の前にいらっしゃる方の好きなもの」をデザインできるということです。一般的なジュエリーメーカーの場合ですと、一つの商品が世に出されるまで、予算を始め多くの決められた条件があり、それらをクリアするベストなものをデザイン・製作することが求められます。
オーダーメードの場合も条件はありますが、直接お客様の声を聞きながら、そのお好みに合わせて世界に一つだけのジュエリーをデザインできるということが大きな違いですね。
そして、完成したジュエリーを大切にしていただけているということを耳にしたり、後日お客様が身に着けているのを拝見したときの感慨深さも、1点物のデザインならではだと思います。
宝物になるようなジュエリーをデザインするため、お客様からのヒアリングも丁寧に
――日向さんが、ジュエリーデザイナーという仕事においてこだわっていることはありますか?
デザインしたジュエリーがお客様の宝物になったり、「身に着けると元気が出ます」と言っていただける時が「この仕事をしていてよかった」と思う瞬間なので、常にそうしたものを目指すことにこだわっています。
お客様とお話する中で、楽しそうに話されている話題の解釈次第で、デザインは何通りも生まれます。自分の好きなデザインがよく分からないというお客様には、その日の持ち物のお好きな部分について伺ってみたり……。最終的なデザインをご提案する前のヒアリングをできるだけ深くさせていただいて、お客様の好みを引き出すことで、ご要望にピッタリ合うものができると思っています。
――日向さんが考える、優れたジュエリーデザイナーとはどのような人ですか?
デザインがジュエリーとして形になるまでには、お客様がお持ちいただいた石とデザインが合うかチェックする人、デザインから製作を行う人……など、さまざまな人が関わっています。そうした連携のもとにデザイナーという仕事が成り立っていることを忘れず、それに感謝しながら最適なデザイン・美しい形を生み出せる人ではないでしょうか。
アイデアは絵で表現。感性豊かな今しか感じられないものを大切に
――最後に、ジュエリーデザイナーを目指す高校生へのメッセージをお願いします。
ジュエリーに関係するものだけではなく、いろいろな物事をよく観察してください。そして思い付いたことはどんどん記録して、今からアイデアを溜めておくと将来役に立つはずです。その際、文章ではなく絵で表現してみることをおすすめします。人から「何考えてるの?」って言われたときにすぐに見せることができるので。
皆さんは現在、感性豊かな年ごろですので、大人になってからでは得られない、今しか感じられないものを大切にしましょう。
ご自身も学生時代から思ったこと・気付いたことを絵で表現し、その習慣が今の仕事にも役立っているという日向さん。お客様の好みに合うものを見極め、美しい形にデザインし、「宝物になるジュエリー」として完成させるには、そうした長年培ってきたものの力も大きいのでしょう。
今からいろいろなアイデアを記録に残しておくことは、デザインに限らず、皆さんが将来どのような職業に就くにしても生かされそうですね。
【profile】株式会社アイデクト ジュエリーデザイナー 日向ユリナ
この記事のテーマ
「ファッション」を解説
ファッションの専門知識や業界のビジネスノウハウ、感性やセンス、そして技術を駆使し、世の中に新たな流行を生み出すビジネスです。主に、素材づくりや縫製など「つくる仕事」と、PRや販売促進などファッションビジネスに関わる仕事に分かれます。この仕事をめざすには、作品の発表会や学外での職業実習などを通して職業人としての実践力を身につける他、資格取得をめざす場合もあります。
この記事で取り上げた
「ジュエリーデザイナー」
はこんな仕事です
宝石や貴金属を用いた装飾品をデザインし、製作する仕事。製作物はアクセサリー全般と時計も含まれる。働き方は、デパートやブティックの店頭を飾る宝飾ブランドのデザイナー、あるいは個人で受注製作や委託販売を行うフリーランスのデザイナーなど、個人の技量によって2分化される。アクセサリーの修理やつくり直しをする職種も含まれる。アクセサリーが好きな人にとっては、自分のデザインが商品化され市場に並び、身に着ける人に喜びを与える、夢のある職種といえる。