【シゴトを知ろう】玩具(カルタ、凧、双六)職人 ~番外編~

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【シゴトを知ろう】玩具(カルタ、凧、双六)職人 ~番外編~

2017.08.21

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】玩具(カルタ、凧、双六)職人 ~番外編~

「【シゴトを知ろう】玩具(カルタ、凧、双六)職人 編」では、和凧職人の上野優さんに、仕事内容について伺いました。番外編では、幅広く和凧についてのことや、これまでの思い出深い仕事などについて伺います。

この記事をまとめると

  • 今では凧職人はわずか。伝統文化を伝える人として小学校で講演することも
  • 和凧は、日本伝統の工芸品として海外の人々や海外への贈答品としても注目されている
  • 自分のベストを尽くし、それでお客さんが喜んでくれることが仕事に求めること

今では国内で4、5人の江戸凧職人。伝統の絵柄や文化に通じた貴重な存在

――今では国内でも数えるほどしか和凧職人はいらっしゃらないということですが、昔はたくさんいたのでしょうね。
 
和凧職人は、青森や五島列島など日本各地におり、全国でどれくらいの職人がいるかは把握していませんが、私が作っている「江戸凧」の職人は、今ではせいぜい4〜5人ではないでしょうか。
小学校の講演でも話すんですが、大凧は江戸初期、戦国時代が終わって武家屋敷で退屈していた武士たちが、屋敷のふすま絵を剥がして凧にし、競って空に飛ばしたのが最初です。その後、庶民にも広まって大変流行しました。
のちに浮世絵が盛んになり、当時はたくさんの浮世絵師がいました。歌川広重・葛飾北斎・喜多川歌麿といった高名な絵師の他にも、売れない絵師が山のようにいたそうです。
江戸後期には、多色刷りで絵が量産できるようになったこともあり、売れない絵師が「俺の絵を見てくれ」とばかりに自分の絵を凧にして空に揚げたことから、当時は派手な絵柄の大凧がたくさん作られました。


――小学校の講演もされるんですね。

地域の学校に呼ばれて、和凧や日本の伝統文化について話す機会もあります。凧遊びをしたことがある人!と聞いても、誰も手を挙げない。驚くことに、先生もやったことがないという時もあります。東京は高層の建築物が多く、風が巻いてしまって凧揚げができないので、仕方のない部分はあると思いますね。
職人以外の仕事としては、日本画の絵師役の俳優の代わりに、絵を描いている手元だけテレビドラマの撮影に参加したこともありますよ。

日本の伝統工芸品としての価値が高まっている和凧

――日本伝統の絵画・玩具という希少な分野に関わられていることで、いろいろな広がりがあるのですね。製作されている和凧も、普通に遊ぶための需要ではなくなってきているのでしょうか?

もちろんちゃんと揚がるように作っていますし、それほど高価なものではないと思うので、気にせず揚げて遊んでもらって全く構わないんですが、実際は観賞用が多いです。
日本の伝統の工芸品として外国の方へのプレゼントや、外国人観光客を意識したホテルのインテリアの装飾品、時代劇の小道具としての需要などがあります。
内閣官邸から、アフガニスタンの大統領への贈り物として注文を受けたこともあります。私の作品の何割かは海外にいっているでしょうね。

いい仕事をして喜んでもらうのが何よりうれしい

――特に思い出深かった仕事についてお聞かせください。

宮城県の石巻市で、東日本大震災で被災して何もかも失い一から出直した漁師さんに子どもが生まれました。それで、息子の名前の入った大凧を作ってくれと依頼があったんです。そうなってくると、もう金額は関係ないですよ。いつも以上に気持ちを入れて描きました。そういう思いが伝わって、また友だちにもあげたいから作ってくれとさらに依頼が増えましたし、「気持ちだ」と、地元名産の「ほや」の大きな瓶詰めと地酒がどんと送られてきました。
私がこの仕事に求めているのはそういうことです。いい仕事をすれば相手がその思いに応えてくれて、金額は後からついてくると思っています。
 
 
――これからやってみたいことがあればお聞かせください。

子どもたちに向けて、凧揚げをはじめとした日本の伝統の遊びをもっと見直してもらいたいという思いがあります。外国の方向けへのアピールもさらにしていきたいです。
長い時間の淘汰を受けて、それでも生き残ってきた素晴らしい日本の伝統の絵柄は、やはり大切に残していきたいですね。
 
 

現在では、日本伝統の工芸品として、大切に飾られる用途で求められることが多い和凧。上野さんは、日本が誇る文化としての価値を高めていきたいと同時に、もともと庶民の遊びである凧揚げに、もっと気軽にトライしてみてほしいとおっしゃっていました。
日本の伝統工芸に興味のある人は、まずはいろんな伝統工芸品に実際に触れ、遊んだり使ったりしてみるといいかもしれませんね。
 
 
【profile】江戸錦絵凧 工房風切 上野優
工房 風切 ホームページ http://kazekiri.com/index.html

この記事のテーマ
デザイン・芸術・写真」を解説

デザインは、本や雑誌、広告など印刷物のデザイン、雑貨、玩具、パッケージなどの商品デザイン、伝統工芸や日用品などの装飾デザインといった分野があり、学校では専門知識や道具、機器を使いこなす技術を学びます。アートや写真を仕事にする場合、学校で基礎的な知識や技術を身につけ、学外での実践を通して経験やセンスを磨きます。

「デザイン・芸術・写真」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「玩具(カルタ、凧、双六)職人」
はこんな仕事です

日本伝統の玩具、カルタ、凧、双六をつくる職人。いずれも16世紀ごろに庶民の遊びとして定着したものだが、最近は目にする機会が減って「古きよき正月の遊び」といったイメージとなっている。伝統的な製法では、丈夫で水に濡れても破れない和紙を用いて職人が一つひとつ手作業でつくり上げていたが、印刷技術の発展などによってこうした職人も姿を消し、たとえば凧職人も今やわずかに残るばかりだ。しかし、伝統的な技術を継承し、現代的な加工技術やセンス、アイデアを加味することで新たな魅力を形成できる余地もある。

「玩具(カルタ、凧、双六)職人」について詳しく見る