【シゴトを知ろう】表具師 ~番外編~

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【シゴトを知ろう】表具師 ~番外編~

2017.07.14

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】表具師 ~番外編~

「【シゴトを知ろう】表具師 編」では、藤田月霞堂の間部ななせさんに、表具師の仕事には歴史のある表具に触れる喜びや、きれいに仕上がった表具を見てお客さんに喜んでもらえる達成感があると教えていただきました。

こちらの番外編では、間部さんに技術を伝えている師匠の話や仕事で達成感を感じたエピソードについて伺いました。

この記事をまとめると

  • 自分から提案したことを師匠に認めてもらえるとうれしい
  • 工芸の業界では工房ごとに専門分野を持ち、互いに補い合っている
  • ただ修復するだけではなく、自分の次に修復する表具師のことも考えている

自分で考え提案したことを師匠に認めてもらえると、自信につながる

――表具師は師匠の技を見て覚えると聞きました。間部さんの師匠はどんな方なのでしょうか?
 
一般的に、工房に勤める職人たちは、自分の仕事に集中するため無言で手を動かします。しかし、私の師匠はよく話かけてくれる人で、仕事中はいつもにぎやかです。そのおかげで、入社当初に感じていた緊張はすぐに解け、師匠が見てくれているという安心感を持って、仕事に励んでいます。また、師匠は、私が判断して提案したことに対しても、「それでやってごらん」と受け入れてくれます。私を信頼してくれる方なんです。

もちろん、技術面でも師匠から学ぶことは山ほどあります。例えば、和紙の厚さや糊の濃さなど、長年の経験と勘で進める作業では、師匠が使った糊や紙を触って肌で覚えるようにしています。師匠の仕事を間近で見て、触って、勉強する日々です。
 
 
――表具師の仕事を始めてから、プライベートに変化はありましたか?

この仕事では、長さの単位に、メートル法(センチメートル)ではなく尺貫法(寸)を使います。一寸は約3cm、一尺は約30cmですね。入社してしばらくは尺貫法で測ることが難しく、尺差し(尺貫法の目盛りがついた物差し)の見方も分かりませんでした。今では尺貫法に慣れてしまい、普段の生活の中で、ふと「1cmって、こんなに短いっけ?」と思うことが多々あります。不便ではありませんが、小さなころからずっと使っていたメートル法の感覚があやふやになったことに、自分でもびっくりしています(笑)。
 
 

工芸の業界では、工房ごとに専門分野がある

――この業界は横のつながりも多いのでしょうか?

表具と一口にいっても、その種類はさまざま。各工房には得意とする分野があり、私が勤めている工房の専門は、掛け軸の仕立てと修復です。しかし、掛け軸以外の表具の仕立てを依頼されることもあるので、その際は、他の工房と連携をとります。例えば、屏風の仕立てを依頼されたら、屏風の本体を作るまでは屏風専門の工房にお願いし、屏風に本紙を貼る工程は私たちの工房で担い、仕上げていきます。表具に限らず工芸の業界は、それぞれの工房と職人が専門分野を持ち、互いに補い合う仕組みになっているので、たくさんの人と接しています。
 
 

繰り返し修復される表具を通して、後世に技をつなぐ

――仕事の中で達成感を感じたエピソードを教えてください

額の本紙を修復する際、裏打ち(本紙の裏に和紙を重ね、強度を上げること)の和紙が非常に傷んでいたことがありました。修復のためには裏打ちの和紙をきれいに剥がす必要があるのですが、和紙が糊のようにトロトロとしていて、早ければ20〜30分で終わる剥がす作業が、3日もかかってしまったのです。それでもどうにか全体の修復を終えたときには、言葉にできないほどの達成感を感じましたね。師匠からも、「やっと終わったね。疲れたでしょう?」と労っていただき、自分にとって大きな経験になったと実感しました。苦労した修復でしたが、美しい状態でお客様にお返しできてよかったです。

表具の修復は、数十年後に再び修復することを前提にした仕事です。ただ直すだけではなく、後世の職人が修復しやすいように工夫し、表具を通して技をつなぐことが大切だと思います。なので、あの額をいつか他の表具師が修復する際も、「あ、かなり時間をかけて裏打ちの和紙を剥がしたのかな」「こんな方法で修復したんだな」など、現代の私の仕事を感じてくれるかもしれません。そういった、時代を超えた表具師のつながりを意識して、これからもこの仕事に励みたいです。
 
 
表具は、その美しさや歴史だけではなく、関わった職人の技や思いまで後世に伝えているのですね。工芸品や美術品を目にした際、それらがどんな風にして今に残されたものか、想像してみるのも新しい楽しみ方かもしれません。

表具師の仕事をもっと知りたいという人は、掛け軸を専門にする間部さんの工房以外に、どんな表具を扱う工房があるのか、調べてみてはいかがでしょうか?
 
 
【profile】藤田月霞堂 間部ななせ

この記事のテーマ
建築・土木・インテリア」を解説

建築や土木に関する技術を中心に学ぶ分野と、インテリアコーディネイトなどデザインを中心に学ぶ分野の2つに大きく分かれます。資格取得のために学ぶことは、建築やインテリアの設計やプランニングに必要な専門知識、CADの使い方などが中心です。どちらの分野も依頼主の要望を具体化できる幅広い知識とコミュニケーション能力も求められます。

「建築・土木・インテリア」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「表具師」
はこんな仕事です

ふすまや障子、掛け軸など、紙を利用した建具を和紙や布、のりを使って仕立てたり、修復をしたりするのが表具師の主な仕事。「経師(きょうじ)」と呼ばれることもある。一般家庭にもあるもの、芸術的価値のあるもの、美術品など、扱う対象は多岐にわたり、細かな手作業で新調や張り替えを行う。伝統を継承していく仕事でもあり、技能士の資格を持つ職人は多い。国家資格である「表装技能士資格」の1級、2級のほか、「伝統工芸士」の資格を持つ職人もいる。

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