【シゴトを知ろう】弁護士 ~番外編~

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【シゴトを知ろう】弁護士 ~番外編~

2017.07.26

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】弁護士 ~番外編~

高校生の皆さんが抱く弁護士のイメージは、やはりドラマなどで見る法廷に立つ姿でしょうか。実際はそのような場面は少ないそうですが、普段はどんなお仕事をしているのでしょうか。熊本で弁護士事務所を開いている弁護士の清水谷洋樹さんにお話を伺いました。

この記事をまとめると

  • 弁護士は“正義”が職業として成り立つ珍しい仕事
  • 法廷に立つよりも“書き仕事”が多い
  • 弁護士もサービス業であり、サービス精神が大切

正義の方向を向く仕事

――"弁護士あるある”なエピソードがあれば教えてください

弁護士のバッジはひまわりの形をしていますが、弁護士は正義の方向を向く仕事なので、常に太陽のほうを向いて咲くひまわりの花がデザインされているんです。実際に弁護士には正義感の強い人が多く、正義を貫くために考え方の合わないお客様、共感できないお客様の依頼を断ることもあるくらいです。こんなに堂々と「正義だ!正義だ!」と言って成り立つ民間の職業は社会には他になかなかないですよね(笑)。


――一般的に弁護士さんはどのようにキャリアを積み重ねていくのでしょうか?

最初はベテラン先生の事務所に就職して経験を積み、頃合いが来たら独立する人が多いです。人によりますが、3~5年程度で独立する人が多いようです。設備投資はパソコンとプリンターと電話機くらいなので、独立のハードルは低いです。
でも、これからの時代は個人事務所よりも複数の弁護士がいる事務所のほうが強くなっていくのではないかと思います。優秀な弁護士を育てて、長く在籍してもらうスタイルの経営をする事務所が増えていくと予想しており、弊事務所でも新たに弁護士を採用することを考えているところです。


――弁護士は日々知識のアップデートが必要なお仕事なのでしょうか

そうですね。でも勉強会に出るというよりも、同業者とお酒を飲みながら話をする中で学ぶことが多いです。実際にあったエピソードを聞くのが一番参考になります。自分では勝てる事案だと思っても周りは違う考えを持つこともありますから、そうした場で仲間の意見を聞くこともあります。


――毎回違う難題がふりかかる仕事なのでしょうか?

難題というほどではありませんが、「事実は小説より奇なり」というとおり、同じような事件は二つとありありません。それぞれに工夫しないといけないポイントはどこかしらありますね。比較的事件数の多い交通事故や離婚の事案でも、全く同じケースというものはなく、個別の事情を踏まえて対応しなければなりません。そういう意味で、弁護士が取り扱う仕事はオーダーメイドなのです。

弁護士は文筆家!?

――ドラマで見るような法廷シーンは実際は少ないのでしょうか?

裁判所には週に数回行きますが、ドラマで見るような法廷シーンすなわち証人尋問を行うことはあまりありません。例えば民事事件なら、訴状提出→争点整理→証人尋問→判決という流れで進みますが、証人尋問にまで至る事件は少なく、争点整理の段階で和解が成立することがほとんどです。いわゆるドラマで見るような法廷に立って「異議あり!」などと叫ぶシーンは年に数回あるかないか。ほとんどは争点を整理するための書類作成に時間を費やしています。ですので私たちの仕事は「文筆家」ともいえます。


――争点の整理というのは依頼人から聞いた情報をもとに行うのでしょうか

それもあります。しかしながら依頼人が正確に話してくれないことや場合によっては事実と違うことをおっしゃることもありますので、客観的な証拠で裏取りもします。交通事故であれば警察に照会をかけて実況見分調書を取り寄せたり、修理会社が撮った写真とつき合わせたり、病院からカルテを取り寄せたりして、依頼者の言っていることが合理的であるか判断します。


――離婚の調停というのはどのように行われるのですか?

離婚をしようという夫婦はそこに至るまでけんかをしていることが多いので、「こんなけんかをしています」という話を聞くことになり、それをとりまとめて書面にして裁判所に提出します。といっても、夫婦げんかというのは理屈を並べたからといって解決することはありません。したがって重要なのは夫婦げんかの中身についてどちらの言い分が正しいかという視点ではなく、どうすれば双方納得のいく解決ができるのかと視点をもつことです。とはいえ、私の事務所は経済関係の仕事が多い事務所ですので、あまり離婚事件は多くなく、顧問先様の従業員や知り合いの離婚事件がたまにある程度です。


――弁護士さんは弁が立つ人というイメージがありますが、日常生活においても相手にやり込められることはないのでしょうか

そうですね。でもプライベートでも、例えば夫婦げんかで折れなければいけないところで勝ちにいこうとしてしまうのは私の悪い癖です……(笑)。弁護士と裁判官のカップルだとさらに大変のようですよ。裁判官は自分が言ったことがそのまま正解(=判決)になるという職業、弁護士は勝ちに行く職業。互いに譲らないので収拾がつきません(笑)。どちらも真面目で仕事熱心な人が多いので、プライベートとの切り替えには苦労している人が多いかもしれません。


――依頼の絶えない弁護士さんに共通するのはどんなことでしょうか

弁護士もサービス業なので、例えば電話応対や打ち合わせのときの話し方でも、サービス業としての振る舞いが当たり前にできる人でないといけません。単に法的なスキルが優れているだけではだめなのです。依頼が集まるのは、基本的な法的スキルは当然の前提としつつ、サービス業という観点からの気遣いや振る舞いができる人です。

司法試験の敷居は下がっている

――司法試験は以前に比べて合格しやすくなったのでしょうか

法科大学院を卒業しないと司法試験を受けられない制度になってから弁護士を目指す人が減りました。また、今は弁護士が飽和気味であることから以前ほど稼げなくなっています。そのような要因もあって、私が受験した旧司法試験頃は30倍を超えていた倍率(受験者に対する合格者数の倍率)が今は4倍程度に大きく下がりました。敷居は下がっているといえます。
ただし、弁護士の仕事を事業という観点からとらえたときには事業環境は年々厳しくなっていますから、もしお金だけを求めて弁護士に興味を持ったのならよく考えたほうがいいかもしれません。弁護士法1条にもある「基本的人権を擁護し、社会正義を実現する」という使命に共感できるという方にぜひ目指してほしいと思います。


――高校生でも知っておくといい法律の豆知識がありましたら教えてください

大学に入ってから消費者被害に遭う人が多いので、インターネットで「クレジット契約で騙されない」などのワードで検索して事例を読んでおくといいかもしれません。
また、最近よくあるのは「いいバイトがある」と言って誘われ、消費者金融のキャッシングカードを作らされ、カードを貸したらバイト代をもらえるという詐欺です。もちろん相手にお金を引き出すだけ引き出されてしまったうえで連絡が付かなくなってしまいますので気をつけてください。


――今後の展望は?

弊事務所は「お客様の事業の発展を通じて社会の発展に貢献する」という理念を掲げています。お客様の経済活動のプラスになるような活動をして、地域の事業者の間で存在感のある事務所になっていきたいですね。



司法試験は現在、法科大学院を卒業するか、司法試験予備試験に合格することで受験資格が得られるという制度になっています。法科大学院と並行して、または法科大学院を修了してから試験勉強を行うことになるため、敷居が下がったとはいえ大変さもあり、大きな覚悟が求められそうです。


【profile】清水谷法律会計事務所 弁護士・税理士 清水谷洋樹
http://www.shimizutani.net

この記事のテーマ
公務員・政治・法律」を解説

公務員採用試験などの対策や司法書士など法律関係の資格取得のための学びが中心で、官公庁や行政機関の採用試験科目を段階的に学び、各種試験の合格を目指します。将来は公務員として行政に携わるほか、政治活動を支える政党職員などの仕事が考えられます。弁護士や検察官など法曹の道へ進みたい場合は、大学や法科大学院への進学が必須です。

「公務員・政治・法律」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「弁護士」
はこんな仕事です

法律の専門家として、依頼者の利益となることを主張して権利を守る仕事。借金返済や離婚・相続など企業や個人の間のトラブルを扱う「民事事件」と、国が刑事被告人を裁く「刑事事件」の2種類がある。法廷に立つだけでなく、依頼者の相談内容をヒアリングしたり、書類を作成したりと、その業務は多岐にわたる。当然、膨大な法知識が必要であり、弁護士になるためには国家試験のなかでも最難関といわれる「司法試験」を突破しなくてはならない。

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