【シゴトを知ろう】弁護士 編

  • ようこそ、ゲストさん
  • ログイン
  • メンバー登録(無料)
  • エリア設定
  • 保護者・先生の方へ
MENU
閉じる
  • ようこそ、ゲスト さん

    メンバー登録(無料)

  • 適学・適職診断無料!

    診断を受ける

  • エリア設定

現在4校がカートに入っています。

一度に最大30校までまとめて資料請求することができます。

閉じる

「マイナビ進学」サイトが別タブでが開きます。

【シゴトを知ろう】弁護士 編

2017.07.26

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】弁護士 編

弁護士は法律の専門家ですが、今回お話を伺った清水谷洋樹さんによると法律は「言語」であり、その言語を使って自分の強みや専門分野を発揮できるお仕事なのだそうです。例えばお医者さんやエンジニアが弁護士になったら……? そんな興味深いお話も伺いました。

この記事をまとめると

  • “良い負け方”をするのは勝つよりも難しい
  • 法律というツールを使って何を実現したいか考えると良い
  • たくさんの大人に話を聞いて情報収集することも大切

良い負け方をしたときにも喜びがある

Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えてください

熊本で弁護士事務所を開いています。仕事の割合は、多くの弁護士がそうですが民事事件が8~9割程度、刑事事件が1~2割程度です。顧客には企業や自治体などの事業者が多く、特に損害保険関係の依頼が多いです。交通事故や施設内で起きた事故に関して、保険契約者の立場に立って適切な賠償ができるよう助言したり、裁判になればその対応を行います。例えば「道路に穴が空いて車が落ちて破損してしまった」という事故の通報があったときに、中には事故を偽装する人もいます。したがって事故の通報があったときには道路管理者である行政機関(国、都道府県、市町村)側に立って賠償責任があるかどうかを検討し、場合によっては責任を争っていくことがあります。
その他にも会社の法律顧問業務も多いですし、弊事務所は会計事務所を併設しているので税務や相続のご相談をいただくことも多いです。

日常のスケジュールですが、裁判の予定は1カ月くらい前に決まることが多いので、裁判に向けて準備のための打ち合わせを行っていく必要があります。そのような30分~1時間程度の打ち合わせが午前と午後に数件ずつ入ることが多いです。書類作成は打ち合わせの合間に行うこともありますが、定時後の電話がかかってこない時間帯に集中して行うことが多いです。
弁護士は法律の知識を生かしたボランティア活動に割く時間も多く、夜はボランティアでいろいろな委員会に参加したり、弁護士会の会議やお付き合いの懇親会などに出かけることもあります。立法に関して意見を述べたり、行政機関と連携したりということもあります。熊本地震の際にも行政や金融機関などと協力してボランティアで地震対応を行いました。

<一日のスケジュール>
8:30 始業
午前中 書類作成、メール対応、打ち合わせ(争点の整理や書類作成のためのヒアリングなど)、裁判
12:00 休憩
午後 打ち合わせ、裁判
17:30 終業。その後書類作成や会議参加など


Q2. どんなときに仕事の楽しさ・やりがいを感じますか?

依頼者に「ありがとう」「依頼して良かった」と言っていただいたときです。裁判で負けたときにもそう言っていただけることがあります。内容的にほぼ負けることが分かっている裁判というものもあるのですが、そのような裁判で最大限有利な条件を引き出して負けることは、時に勝つよりも難しいものです。もちろん勝って喜んでいただけるのが一番ですが、そのような“良い負け方”をして感謝していただいたときにも特別な喜びがあります。


Q3. 仕事の大変さを感じるのはどんなところですか?

我々が扱うケースは依頼者にとってかなり切実な状況であることが多いです。会社の存亡が懸かるような仕事、依頼者の人生が懸かるような仕事も少なくありません。そのようなケースでは依頼者が冷静さを欠いてしまうことも少なくなく信頼関係をうまく築けない場合があります。信頼関係が築けないまま仕事をしても良い結果は出ないので、どうにか気持ちを鎮めていただきコミュニケーションを取ろうとします。追い詰められた状態にある会社や依頼者に寄り添おうと努力もします。
それでも、残念ながら信頼関係を築けない場合は矛先がこちらに向いてしまうこともあり、非常に気を使います。そういう場合はお金をお返ししてでも辞任するということもあります。

自分の腕で仕事がしたくて弁護士を目指した

Q4. どのようなきっかけでこのお仕事に就きましたか?

自分の性格上、誰かのもとで働くより自営業が合っているのではないかと思ったことと、自分の腕で仕事をすることに憧れていたこともあり、弁護士に興味を持ちました。高校生の頃から漠然とは考えていたのですが司法試験は簡単に合格するものではないから遠い話だと思っていました。明確に弁護士の仕事を意識するようになったのは大学生になってからでした。大学では司法試験の勉強をする人が周りに多かったので、私もそれにつられるように大学入学後すぐに勉強を始めました。その後、模試の結果などから意外と通るのではないかという感触が得られたんです。


Q5. 大学ではどのようなことを学びましたか?

学部は法学部でしたが、1年生から司法試験の受験予備校にも通い始めました。司法試験の受験技術は非常に発達しておりレベルが高いため、司法試験の勉強をしていれば大学の試験では授業に出ずとも良い点が取れました。ほぼ全員が一度は司法試験を目指す学部だったこともあり、テストで良い成績を収めれば単位が与えられるという自由な環境でした。授業に出たという記憶はあまりないのですが……試験勉強の最後の追い込みの時期に大学の図書館にこもってひたすら勉強した思い出があります。

私が受験した司法試験は、今のロースクール制度になる前の、いわゆる「旧司法試験」ですが、当時は合格率が3パーセントを切るような難関試験でしたから、合格するために本当に一生懸命勉強しました。その甲斐あって、学部在学中に司法試験に合格することができました。これは旧試験時代としてはかなり珍しいことなんですよ。
今思うと、もう少し学生時代に遊んでおけばよかったと思うこともありますが、もし遊んでいたら、司法試験には合格できていなかったと思います。


Q6. 高校生のとき抱いていた夢や経験したことが、現在のお仕事につながっていると感じることはありますか?

私の通った高校はユニークな指導をしていて、先生と1対1で話せる機会が多かったんです。「権力に巻かれるのは簡単だがそれでいいのか」という人生観を熱く語る先生もいて、尊敬していましたし、弁護士を目指すきっかけにもなりました。英語の塾の先生にも影響を受けました。先生の自宅でご飯をごちそうしてくださることもあり、勉強のことだけでなく、いろいろな話題について語り合ったことを覚えています。今の自分の世界観や人生観はこの時期に出会った先生方の影響を大きく受けています。

法律という手段を使って何を実現したいか

Q7. どういう人が弁護士に向いていると思いますか?

どんな人にも向いています。私は理詰めで論証して相手を打ち負かすやり方を得意としていますが、逆に人の話を聞く能力に長けていたり、調整を得意としている方もいます。
法律の知識はよく「言語」に例えられます。つまりツールや手段でしかなく、それを使って何を実現するかという視点で考えるといいと思います。例えば医者の免許を持っている弁護士なら法律を使って医学分野の紛争を担当することができますし、工学系の知識を持つ弁護士ならメーカーなどの知的財産権の紛争の処理ができます。私は機械が好きだったり、あらゆる分野のプチ専門家になれるという強みも生かしていますが、皆さんがそれぞれに持っている能力を生かせる仕事だと思います。


Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします

仕事はお金のためにする部分もありますが、生きがいのためにやる部分も大きいです。自分が生きがいを感じられる仕事って何だろうと、ぼんやりとでも考えておくといいと思います。自分の適性を才能や能力という面だけでなく、「自分が好きなことは何だろう」「それを生かせる仕事は何だろう」という視点でも考えてみてください。働く場所も大事です。私が弁護士を選んだのは地元で活躍したいという考えもあったからです。そのような条件面から考えていってもいいと思います。
就職は運も大きいです。行きたい会社があっても採用してもらえるか分かりませんし、複数受かってもどこがベストなのか実際に働いてみないと分かりません。でも大人はある程度知識を持っていますので、たくさんの大人に話を聞いて自分なりに情報を仕入れることも大切です。
友達づくりも頑張ってください。高校時代の付き合いは一生ものです。私も今も毎週のように誰かしら高校なり大学なりの同級生と会っています(笑)。友達はいいものです。



弁護士はそれぞれの専門分野を生かせる仕事であり誰にでも向いているというのは、意外なお話でしたね。「法律」は言語のようなものであり、それを使って何をしたいか考えると良いという発想も、弁護士を目指す人には将来のイメージが膨らんだのではないでしょうか。


【profile】清水谷法律会計事務所 弁護士・税理士 清水谷洋樹
http://www.shimizutani.net

この記事のテーマ
公務員・政治・法律」を解説

公務員採用試験などの対策や司法書士など法律関係の資格取得のための学びが中心で、官公庁や行政機関の採用試験科目を段階的に学び、各種試験の合格を目指します。将来は公務員として行政に携わるほか、政治活動を支える政党職員などの仕事が考えられます。弁護士や検察官など法曹の道へ進みたい場合は、大学や法科大学院への進学が必須です。

「公務員・政治・法律」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「弁護士」
はこんな仕事です

法律の専門家として、依頼者の利益となることを主張して権利を守る仕事。借金返済や離婚・相続など企業や個人の間のトラブルを扱う「民事事件」と、国が刑事被告人を裁く「刑事事件」の2種類がある。法廷に立つだけでなく、依頼者の相談内容をヒアリングしたり、書類を作成したりと、その業務は多岐にわたる。当然、膨大な法知識が必要であり、弁護士になるためには国家試験のなかでも最難関といわれる「司法試験」を突破しなくてはならない。

「弁護士」について詳しく見る