【シゴトを知ろう】木版画 彫師 編

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【シゴトを知ろう】木版画 彫師 編

2017.06.30

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】木版画 彫師 編

美術や歴史の教科書で見かける、浮世絵や木版画の作品。葛飾北斎や喜多川歌麿などの浮世絵師はとても有名ですよね。現代のように道具や材料が豊富ではなかった江戸時代に流行した風俗画の浮世絵は、海外からも注目されている日本の伝統的な絵画です。

今回は、東京・新宿区にある「匠木版画工房 ふれあい館」で浮世絵木版画の彫師として活躍しながら、浮世絵の普及活動も行っている朝香元晴さんに、浮世絵木版画の彫師という職業の仕事内容や魅力についてお話を伺いました。

この記事をまとめると

  • 浮世絵木版画の彫師(ほりし)は、江戸時代からの伝統を受け継いでいる職人
  • 朝香さんは、国宝や日本画、現代作家の作品などの復刻を手がけている
  • 浮世絵木版画の彫師になるためには、10年ほどの修業が必要

江戸時代から続く浮世絵木版画を復刻させる、彫師という仕事

Q1. 仕事概要を教えてください

私の仕事は、江戸時代からの伝統を受け継ぐ浮世絵木版画の彫師(ほりし)です。浮世絵木版画とは、浮世絵師が描いたデザインを木版に彫った作品のこと。まず木版とは、木の板に絵や文字を彫って作られたものや、それをもとに摺られた印刷物のことを指します。浮世絵版画をはじめとした伝統木版画は、「板目木版」と呼ばれる木版を用いて制作されます。

私は16歳の時から50年間、鈴木春信、鳥居清長、喜多川歌麿、葛飾北斎、歌川広重、歌川国芳などの浮世絵木版画の復刻を中心に、雪舟等楊、長谷川等伯などの国宝や日本画、現代作家の作品の復刻も手掛けています。

具体的には、原画やオリジナルの木版画を忠実に、寸分たがわずに、彫りの技術によって復刻することが私の使命となります。難度の高い国宝の復刻や、美人画の髪の毛の生え際(1mmに、3本~4本の繊細な線を残す)の彫りなどをしています。

また、私は木版画の彫りだけでなく、絵具を広げて和紙に摺(す)りこみ、色を重ねて作品を仕上げる「摺り」も20年前より行っております。


Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?

難しい絵画や浮世絵の復刻を完成させ、注文主(版元)をはじめ、関係者全員が喜んでくださったときに仕事のやりがいを感じます。浮世絵は、絵師、彫師、摺師など、日本の職人の技術が結集した作品です。そのような伝統のある美術を伝えることに関われることは、この仕事の大きな魅力だと思います。


Q3. 仕事で大変なこと・つらいと感じることはありますか?

彫師の高度な彫り上げなどの技術を師匠から学ぶことが一番大変です。江戸時代から続く伝統的な技術を習得するためには、一つのことに集中して打ち込む気持ちが必要です。彫師の場合は、約7年から14年の修行が必要となりますので、大変なことやつらいと感じることがあっても乗り越えることができる努力や忍耐力は欠かせません。

高校生のときに木版画作品展を開催したことがきっかけで、彫師の道へ

朝香元晴さんは、浮世絵木版画の彫師として活躍しながら、浮世絵の普及活動も行っている

朝香元晴さんは、浮世絵木版画の彫師として活躍しながら、浮世絵の普及活動も行っている

Q4. どのようなきっかけ・経緯で現在の仕事に就きましたか?

私にとって木版画の彫師は、幼い頃から目指していた仕事でした。私は小学6年生より木版画を始め、中学生のとき、3年連続で私の木版画が展覧会で入選しました。そして高校生時代には、文化祭で木版画作品展を開催したことがきっかけとなり、浮世絵の研究者との出会いに恵まれ、名人の彫師の弟子になり、そこで修行を積み、現在の浮世絵木版画彫師の仕事ができるようになりました。

現在は彫師の後継者育成のために、「匠版画工房ふれあい館」を創設し、10年前より後継者の育成や伝統木版画教室を行い、海外でも浮世絵の普及活動を行っています。


Q5. 高校生の頃はどんな夢を抱いていましたか?

高校生の最初の頃は、創作版画家を目指していました。創作版画家とは、伝統を学んだ職人ではない、木版画家のことを指します。しかし、高校時代に開いた木版画作品展をきっかけに、浮世絵の研究者との出会いがあり、そこから浮世絵木版画彫師を目指すようになりました。

世界一の彫師になると大きな夢を持つことが大事

「強く大きな夢を持つことが大切だと私は考えています」と話す朝香さん

「強く大きな夢を持つことが大切だと私は考えています」と話す朝香さん

Q6. どういう人がこの仕事に向いていると思いますか?

浮世絵や絵が好きで、細かい仕事をしていて楽しく感じる人ですね。また、朝から夜まで集中して仕事ができる人は、浮世絵木版画の彫師に向いていると思います。


Q7. 高校生に向けたメッセージをお願いします

浮世絵木版画の彫師になるためには、10年ほどかけて地道にこつこつと修行を続けることが大事です。また、「自分にはこれしか道がない」と、あえて決めつけることも大事です。そして、日本一、世界一の彫師になると、強く大きな夢を持つことが大切だと私は考えています。


浮世絵木版画の彫師は、その技術を習得するまでにかなりの時間と努力を必要とします。手先が器用で、絵が好きといった気持ちに加えて、一生懸命努力をして技術を身に付けることができる人ならば、日本の伝統を受け継いでいく貴重な人材になることができるかもしれません。朝香さんの匠木版画工房 ふれあい館では木版画教室も行っていますので、木版画の彫師の仕事に興味が湧いた人は、まずは実際に木版画づくりを体験してみてはいかがでしょうか?


【profile】匠木版画工房 ふれあい館 朝香元晴
http://takumihanga.com/

この記事のテーマ
デザイン・芸術・写真」を解説

デザインは、本や雑誌、広告など印刷物のデザイン、雑貨、玩具、パッケージなどの商品デザイン、伝統工芸や日用品などの装飾デザインといった分野があり、学校では専門知識や道具、機器を使いこなす技術を学びます。アートや写真を仕事にする場合、学校で基礎的な知識や技術を身につけ、学外での実践を通して経験やセンスを磨きます。

「デザイン・芸術・写真」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「彫刻師」
はこんな仕事です

浮世絵に代表される木版画の版下絵を木板に彫るのが仕事。木版画は完成するまでに、下絵を描く、下絵を版木に彫る、版木に色を付けて摺るという3つの工程があり、彫師はその一翼を担う専門職。彫刻刀を使って下絵の線を忠実に彫る作業は、根気と集中力が必要だ。優れた技術が要求されるが、とくに難しいといわれるのは髪の毛の繊細な線で、名人と呼ばれる域に達すれば、1ミリ間隔に6~7本もの髪の毛を彫ることができるといわれる。色数に応じた数の版木が必要なことから、数人の彫師が分担して作業を行うことが多い。

「彫刻師」について詳しく見る