【シゴトを知ろう】スポーツマネジメント 編
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スポーツをビジネスとして発展させていくスポーツマネジメントの仕事。主にサッカーを専門にチーム・企業・自治体などに対してさまざまなサポートを行うスポーツマネジメント株式会社の白井俊之さんにその仕事内容について伺いました。自身も学生時代はサッカー漬けだったそうですが、その経験はどのように生きているのでしょうか。
この記事をまとめると
- アマチュアサッカーチームのサポートをする仕事
- 成し遂げたいことのある人・探求心の強い人に向いている
- 夢は後で変わることもあるが目標を持って進むことが大事
チームの一員という感覚で取り組めることが喜び
Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えてください
弊社ではアマチュアサッカーのチーム運営のためのあらゆるサポートを行っています。アマチュアサッカーには幼児から社会人までさまざまなカテゴリがあり、競技志向の高いチームもあれば楽しむことを目的としたチームもあります。弊社ではその全てのチームを対象に「もっと上を目指したい」「もっとサッカーを楽しみたい」という願いを叶える環境づくりに取り組んでいます。
僕はその中でも大学の体育会系サッカーチームのカテゴリを担当しています。弊社の最大の特徴は宿泊型のサッカー大会を企画・募集・運営するノウハウがあることで、そこでの関わりをきっかけに、チーム強化のための合宿練習・練習試合の手配やウェア作りなどのご相談に広がっていくこともあります。日々いろいろなサッカーチームの情報を調べて提案の糸口を見つけ、実際に試合を見に行き声を掛けるという営業も行っています。
また、弊社には企業や自治体のサポートを行う部署もあり、社内運動会のようなイベントをお手伝いしたり、サッカーやフットサルを活用したPRイベントの企画運営をすることもあります。
<一日のスケジュール>
10:00 始業
午前中 営業先のチームの情報を下調べ
12:00 昼食
午後 お客様を訪問
夕方 帰社、情報をまとめて次の動きを考える
Q2. どんなときに仕事の楽しさ・やりがいを感じますか?
深くサポートさせていただいているチームには、自分もチームの一員という感覚が芽生えます。チームが勝つためにどのような年間スケジュールを組めばよいか常々考えているのですが、それが楽しいですね。努力が実って全国大会に出たり優勝したりという結果が出るのもうれしいです。皆さんが喜んでいる姿を見たり感謝していただけたりすると、大きなやりがいを感じます。
また、大会運営の仕事はさまざまな人と調整をしてお客様の要望を一つずつ形にしていくものなので、いざ大会が始まった瞬間、そして無事終わった瞬間には大きな達成感を味わえます。
Q3. 仕事の大変さを感じるのはどんなところですか?
好きなことをしているのでつらさはありませんが、学生のサッカー大会は春休み・夏休み・冬休みなどの長期の休みに集中します。その時期は複数の大会に連続して帯同することになり、外泊が続き体力的にきつさを感じることもあります。でも現場に行けばそれまで企画を一緒に作り上げてきたお客様に会えますし、皆さんが試合で活躍する姿を見ることで疲れは吹き飛びます。
なお、同じ大会でも開催地が各地に散らばっているときは全ての試合に帯同できないこともあり、事前に想定される注意事項を現場スタッフと入念に打ち合わせるのですが、とても気が張りますね。去年の夏は3週連続で台風が来て、その都度中止するかどうかの判断を迫られて神経がすり減ったこともありました。
教員志望からスポーツビジネスの世界へ
Q4. どのようなきっかけでこのお仕事に就きましたか?
生徒の約90%が教員志望という大学に通っていて、自分も教員を目指していたのですが、大学3年生になって同級生たちと将来のことを話し合うようになったときに、自分の猪突猛進な性格が周りから浮いているように感じました。このまま教師になっても周りと折り合うのは難しいのではないかと考え、別の道を模索するように。その中でも小学生の頃からサッカーを続けていたこともあってスポーツビジネスの業界に注目しました。業界の人の話が聞ける講演に行ったり企業のインターンシップを経験したりするうちに、こちらの世界のほうが合っているなと感じ、縁があって今の会社に入社しました。
Q5. 大学ではどのようなことを学びましたか?
英語が得意だったこともあって中学生の頃から英語の先生になりたいと思いはじめ、大学は文学部の英米文学科に進学しました。先述の通り、その後方向転換することにはなりましたが、もともと教師を目指したのは「人に携わる仕事がしたい」という思いや、何かしらサッカーに携わりたいという思いが根底にあったからでした。周りがほぼ全員教員志望という特殊な環境にいたからこそ自分のやりたいことが明確になったと思うので、結果的にはその大学に進んで良かったと感じています。
Q6. 高校生のとき抱いていた夢や経験したことが、現在のお仕事につながっていると感じることはありますか?
高校生の頃はサッカー部の活動に打ち込んでいました。部活を通して培ったのはコミュニケーション力や「人のために何かをやる」という精神です。具体的な物事を学んだというより、組織の中で生きる感覚を培うことができたと感じています。このときに得た人脈も今に生きています。
将来の夢はどんどん変わっていく場合もある
Q7. どういう人がスポーツマネジメントに向いていると思いますか?
人と接することの多い仕事なので、明るく元気であることは最低限必要だと思います。あとは何かやりたいことや成し遂げたいことがある人。そのような強い気持ちを持った人がスポーツに携わる人には多いです。また、探究心が強く、気になっていろいろ調べたり、もっとこうしたらいいのではないかと積極的に考えていける人に向いていると思います。
Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします
振り返ると僕自身、高校時代はただ目の前のことに打ち込んでいただけで、先のことは考えていませんでした。「将来こういうことをしたい」「こんな人間になりたい」というレベルで考えておくだけでもいいと思います。この先進学し、働き始めることで夢はどんどん変わることもあるからです。でも、そのときやりたいことに突き進んでいくことが大事です。周りに流されて進学するのはもったいないことです。自分が何を成し遂げたいか、その時点の夢や目標でいいので考えた上で進学先を選ぶことが大切ではないかと思います。
白井さんは大学時代に方向転換をするときに、勇気を出していろいろな場に出向いて話を聞きに行ったそうです。教員という夢に向かって具体的な活動をしていたからこそ今の道に早く気付けたのかもしれません。自分の選択を正解にできるかどうかも自分次第ということも白井さんのお話から伝わりますね。
【profile】スポーツマネジメント株式会社 白井俊之
http://www.spo-mane.co.jp
この記事のテーマ
「健康・スポーツ」を解説
スポーツ選手のトレーニングやコンディション管理に関わる仕事と、インストラクターなどの運動指導者として心身の健康管理やスポーツの有用性を広く一般に伝える仕事に大別できます。特に一般向けは、高齢化の進展や生活習慣病の蔓延が社会問題化する中、食生活や睡眠も含めて指導できる者への需要が高まっています。授業は目指す職業により異なります。
この記事で取り上げた
「スポーツマネジメント」
はこんな仕事です
スポーツのPRやマネジメント関連の企業の経営、スポーツイベントの開催・運営などに携わる仕事。プロスポーツ団体の宣伝活動、地域振興のイベントの開催、コーチや選手といったスポーツに携わる人々の育成など、業務内容は多岐にわたる。日本では主に、サッカー、バレーボール、バスケットボールなどのプロリーグでその取り組みが行われている。大学や専門学校で、体育学や経営学に関する知識を身に付けてから仕事に就くのが一般的。競技経験者がマネジメント側になるパターンもある。
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