【シゴトを知ろう】移動販売店オーナー 編

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【シゴトを知ろう】移動販売店オーナー 編

2017.06.22

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】移動販売店オーナー 編

車1台に全てを積み込み、西から東へ縦横無尽に移動する移動販売のお仕事は、何者にも束縛されず自由な職業のようで憧れますよね。銀色に光るジュラルミンのトレイラーをカフェに改装し、「旅するカフェ」としておいしいコーヒーをさまざまな場所で提供するCAFE Ryusenkei。小さいながらもスタイリッシュで落ち着くカフェスペースは、まさに現代の茶室そのものです。オリジナリティあふれるその営業形態と、自由で軽やかなお仕事の話をオーナーの合羅智久さんに尋ねました。

この記事をまとめると

  • カフェにとって“居心地のよさ”は生命線
  • 起業するときは周到な準備をしながら、チャンスの波がやってくるのを待て
  • 叱ってくれる人は「宝物」と思って大切にしよう

コンセプトは「旅するカフェ」、そして「移動する現代の茶室」

Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えてください

僕が経営するCAFE Ryusenkeiは、アメリカ生まれのキャンピングトレイラー“AIRSTREAM”をカフェに改装して、移動しながらお客さまにコーヒーを提供する「移動カフェ」です。基本的には、箱根登山ケーブルカーと箱根ロープウェイの乗換駅である早雲山駅前の駐車場で営業していて、依頼があれば箱根のホテルや美術館をはじめ、イベントなどにも出張しますし、横浜や湘南、西湘方面のイベントにも行くことがあります。

Ryusenkeiのコンセプトは「旅するカフェ」と「移動する現代の茶室」。僕が大好きなカフェの空気感やゆったりと流れる時間を乗せて、いろいろな場所へ旅しながらコーヒーを淹れてお出しするというイメージです。イートインができるスタイルにこだわったのは、全天候型で毎日営業したいという想いからです。もちろんお持ち帰りでもコーヒーは提供していますが、お客さまにホッとする時間を過ごしていただきたいんですよね。カフェにとって“居心地のよさ”は生命線のようなものなので、その環境や空間づくりにはこだわりました。

この店構えにインパクトがあるせいか、お客さまに自然にフィルターがかかるようで、誰彼構わずドカドカ入って来られることがないのも面白いですよ。どんなに人が多くても行列になるようなこともなく、コンセプトに共感してくれる人だけがノックしてくれるという感じです。箱根という場所柄もあるでしょうが、9割は外国からのお客さまですね。

<1日のスケジュール>
7:00 朝食
8:00 出勤(仕込みがある場合)
9:00 出勤(仕込みがない場合)
10:00 開店
18:00 閉店(夏季は19:00)、片付けと掃除
19:00 帰宅

Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?

お客さまに喜んでいただけた時は何よりもうれしいです。老若男女や国籍関係なく、この店のコンセプトや僕の好きなインテリアやデザインに共感してもらえた時は、「やっててよかったなぁ」と思います。

店内や外観は自由に写真を撮ってもらってOKですし、SNSへの投稿もウェルカムなので、世界各国の方々に紹介してもらっているのですが、そうやって共感してくれた人たちの間で自然にじわじわと広がっていくのが楽しいです。


Q3. 仕事で大変なこと・つらいと感じることはありますか?

大変だと感じることもつらいこともありませんが、あえて言うなら自分の健康とお店の売上の「心配」でしょうか。基本的に1人ですべてをまかなっているので、もし自分が病気などで働けなくなれば、収入は途絶えます。車のローンや保険料など毎月の支出は決まっていますので、売上の確保もシビアな問題ですね。

ただ全て自分1人の責任でやっているので、無駄なストレスはまったくない。これは非常に幸せなことですね。人手が必要なときは友人に頼むことで対応できるので、今後も人を雇う予定もありません。絵に描いたような“No stress, No money”なんですが(笑)、幸福度はとても高いです。

チャンスが向こうからやって来るのを待つ勇気 

Q4. どのようなきっかけ・経緯でその仕事に就きましたか?

もともとレコード会社に所属して、ディレクターの仕事をしていました。音楽の仕事は僕が望んで飛び込んだ世界でしたし、やりがいもありましたが、とにかく仕事に忙殺される毎日を過ごしていました。今から思えばかなりストレスフルな生活でしたね。

喫茶店やカフェが大好きだったこともあり、休みの日には各地のコーヒーやスイーツを試して歩き、「いつかカフェをオープンさせたい」という思いはずっとありました。一度、仕事に行き詰まり会社を辞めようと思ったことがあったのですが、その時に会社の先輩から「もう少し待て」とアドバイスを受け、思いとどまりました。そこから実際に会社を辞めることになる4年間は、ひたすら目の前の与えられた仕事に集中して、タイミングが来るのを待っていました。でもこの期間にいろいろな店を訪ね歩いてさまざまなことを学べましたし、コンセプトを練りに練ってお店の背骨になるような大切なことをゆっくり考えられたことが今に生きていると思います。

音楽業界は1999年のCDの売り上げをピークに下降線をたどり、2011年に所属していたレコード会社が大手外資系レコード会社に買収されるというアナウンスがあり、「ちょうどいいタイミングだ」と2ヶ月後に退職しました。約20年間勤務したこともあり、ある程度まとまった退職金を受け取ったので、カフェの開業資金は借金なしでまかなうことができました。今、こうしてカフェを開業できているのは、会社を辞めようと思っていた時に、冷静に引き止めてくれた先輩のアドバイスのおかげだと感謝しています。
当初は今のような移動型のカフェを想定していなかったので、1年くらいかけて物件探しをしていましたが、このキャンピングトレーラー(AIRSTREAM)との運命的な出会いもあって移動型カフェを営業することとなりました。拠点を箱根にしたのは、故郷の大分のように温泉があってのんびりした場所にお店を開きたかったから。狭くてもイートインのスペースは絶対につくりたいと思い、大好きなミッドセンチュリーや北欧のデザインをイメージした内装にしています。


Q5. この仕事に就くために何を学びましたか?

サラリーマン時代にさまざまな飲食店の食べ歩きをして、経営者視点でいろいろなお店を見て回ったことがとてもいい学びになりました。この時期にノートやPC、携帯に書き付けていたメモには、「どの店のコーヒーがどういう風においしい」とか「空間づくり」とか「居心地のよさの秘密」とか、その時に感じたあれこれをこと細かに記入してあったのですが、起業する際にはこれを見直したりして非常に役に立ちました。


Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?

高校生のときは音楽業界に憧れていて、レコーディングエンジニアになりたいと思っていました。実際はレコード会社のディレクターになったので、当たらずといえども遠からずという感じですが、仕事を通じて音楽業界全体の雰囲気は見渡せたかなと満足しています。結果的には20数年間音楽業界に身を置いてさまざまな社会的な経験や人脈を築き上げながら、退職金を利用して起業ができたのは、自分にとっては非常にプラスだったので、高校生のときの夢が僕の生涯の夢を後押ししてくれたのだと思います。

叱ってくれる言葉に耳を傾けることの大切さ

Q7. どういう人がこの仕事に向いていると思いますか?

「人間が好きな人」ですね。僕は前職で大衆に向けて発信する仕事をしていたので余計に感じたのかもしれませんが、僕がつくったものを目の前のお客さまに提供するという、1対1の単純明快なコミュニケーションに憧れがありました。モノをつくって相手に提供し、その反応をすぐに見られるって、企業などで働いている間には作れないシンプルな関係ですよね。

あとは“向いている人”とは違いますが、チャンスを待てるかどうかというのは大事だと思います。「夢」や「やりたいこと」があると、どうしてもすぐ取りかかりたくなりますが、バイオリズムというか波というか、必ずベストなタイミングがやってくるもの。僕も何度も仕事を辞めかけましたが、辛抱してチャンスの時に起業をして本当によかったと感じています。今やるべきことが“嫌”だとか、“自分に向いていない”とか言い訳をして逃げている間は、絶対にチャンスはやって来ない。とにかく今目の前にあることに集中しているうちに、やりたいこともやるべきタイミングも向こうからやって来ます。ですから起業を考えるなら、焦らず・準備を怠らず・時機を待てる人が向いていると思います。


Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします

僕がやっている移動カフェや移動販売車の経営は、自分が楽しめることは非常に大切ですが、“自分のため”だけだといつか行き詰まります。どこかに“人のため”“自分以外の誰かのため”という視点があると、続けられると思います。
あと叱ってくれる人を大切にしてください。高校生の皆さんには叱ってくれる人がまだ周囲にたくさんいるかもしれませんが、社会に出たらあえて悪役を買って苦言を呈してくれる人は、本当に少なくなります。叱ってくれる人は宝物だと思って、その言葉に耳を傾けてみると新しい世界が開けるかもしれませんね。



「絶対に自分の店を持つ」という固い意志と周到な準備、そしてチャンスの到来を待つ根気強さが夢を叶える秘訣。トレイラーの中とは思えない居心地のよい店内で、独自の哲学を語ってくれた合羅さん。「訪れてくれるお客さまとの1対1のやりとりが、何よりも力になる」という言葉どおり、取材中も訪れるお客さまに“Where’re you from? ”“Have a nice trip!”と声をかけてコミュニケーションを取っていました。心配はあるけどストレスはないという、心が開放された合羅さんの仕事場へ一度訪ねて行ってみてはいかがでしょうか?


【profile】移動販売車オーナー 合羅智久
CAFE Ryusenkei http://cafe-ryusenkei.com/

この記事のテーマ
ビジネス・経営」を解説

法律などの専門知識を学び、文書作成などの技能を磨くほか、資格取得や検定合格を目指すカリキュラムもあります。小売業や不動産売買、経営コンサルタントや税理士など、各ビジネス分野におけるスペシャリストも育成します。国家試験の合格が求められる高度な資格を必要とする仕事もありますが、専門学校の中には受験指導に実績を誇る学校もあります。

「ビジネス・経営」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「移動販売店オーナー」
はこんな仕事です

車を移動販売車に改変し、食品や雑貨など多彩な商品を販売する。その経営を一人で担うのがオーナーの仕事だ。移動販売車での営業は、販売場所や営業時間を独自に変えることができる。通常の店舗と比べて低資金で開業でき、一人でも営業できるのが魅力だ。ただし、出店する場合は地域の保健所に営業許可申請書や設備の配置図などを提出しなければならない。さらに、飲食店の場合は食品衛生責任者の資格も必要。昨今は多種多様なものを取り扱う移動販売が増えているため、いっそう独自性のある商品力が求められる。

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