【シゴトを知ろう】アートナビゲーター 編

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【シゴトを知ろう】アートナビゲーター 編

2017.06.19

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】アートナビゲーター 編

美術館などを訪れた際、大勢の入場客の前で解説を行う人がいるのを目にしたことはありませんか。そうしたアート関係の解説を行うプロフェッショナルが、アートナビゲーターです。今回取材させていただいたのは、そんなアートナビゲーターの中村宏美さん。「株式会社中村デザインスタジオ」の代表であり、現在美術館でのガイドや講座での解説を中心に活動される中村さんに、お仕事のお話を多方面から伺ってきました。

この記事をまとめると

  • 解説を聞いた人たちに「楽しかった」と言ってもらえることが大きなやりがい
  • ボランティアの際に受けた研修が今の礎となっている
  • 10代のうちにいろいろなことを経験しておくことが大事

講座の内容はさまざま・受講者に満足してほしいので一日に1講座ずつ

Q1. 最初にお仕事の概要と、一日のスケジュールを教えてください。

美術館での美術解説や美術の講座を行うことが、アートナビゲーターの主な仕事です。私の場合は「美術Academy&School」の講師として西洋美術の講座や展覧会での解説の依頼をいただく形でお仕事をする機会が多いです。大学や茨城県の生涯学習センターでの講座も担当させていただいており、現在は常時いくつかの講座を掛け持っているという形です。

講座ごとに内容が全く異なり、それぞれの講座をできる限り充実させて受講してくださる方にご満足いただきたいので、一日に2つ以上の講座を行うことはありません。一日のスケジュールは講座の時間に合わせて決めるのですが、今回ご紹介するのは10時からの講座がある場合です。 茨城の生涯学習センターや都心から離れた美術館に行く場合は、朝6時~7時には家を出ています。

<一日のスケジュール>※午前中に講座がある日の例
4:00 起床、メールの確認など
7:00 朝食後外出
10:00 スクールや学習センターでの講座
午後~夜 次の講座のための準備(資料作成・文献のチェックなど)


Q2. お仕事をされる中で、やりがいや楽しさを感じるのはどんなときですか?

何よりも解説を聞いた方に「楽しかった!」と言ってもらえることです。仕事をしている中で、それ以上のご褒美はないですね。最近ですと、国立西洋美術館で大学3年生の希望参加者に向けた課外授業を行い、16世紀のキリスト教絵画から20世紀の絵画までを解説したことがありました。

参加してくれたのは男子学生4人で、解説中はとても静かに聞いてくれていて反応が分かりませんでした。若い男の子で美術に興味がある人は少ないですし、授業だから仕方なく来ているのかなあ……とも思いました。しかし、終わったあとに恐る恐る「どうだった?」と尋ねたところ、「あまり見たことのなかったキリスト教絵画のことが分かってすごく面白かった!」と口々に言ってもらえて、それが本当にうれしかったですね。茨城での生涯学習講座でも毎回受講者の皆さんが拍手をしてくださって、その度に大きなやりがいを感じます。


Q3. お仕事の中で大変さや苦労を感じるのはどんなときでしょうか?

ガイドや講座の準備は大変な作業ですが、それをつらいと思ったことはありません。ただ、講座をできるだけ充実させたいと思うとどんどん資料が多くなってしまって、時間の関係などでスタッフさんに「もう少し量を減らしてください」と言われることもあります。伝えたいと思っていることを泣く泣く削らなければならないときはつらいですね。

大学で学び直した後に現在の道へ・美術館での研修から多くを学んだ

Q4. 今のお仕事を志すようになったきっかけを教えてください。

私はファッションのデザインの仕事を長く続けていて、その中で「デザインというものをもっと深く知りたい」と感じ始め、40歳を過ぎた頃に大学に入り直したんです。卒業直後にアートナビゲーター検定(現在は美術検定という名称で実施) というものがあると知り、4級から受け始めました。受かったと同時に3級、2級と取りたい気持ちが出てきて、どんどんレベルアップして試験を受けました。そして2級に受かった頃から美術館のボランティアの案内をいただくようになったので、最初は美術館に無料で入れるのがうれしいというような軽い気持ちで、仕事の合間に引き受けていました。

その後1級を取得したことで正式にアートナビゲーターという称号を授与され、 美術館案内のボランティアを続けているうちに、もっと本格的にアートナビゲーターとして活動してみたいと思うようになり、会社を設立しました。ファッションの方の仕事も続けていますが、現在ではアートナビゲーターとしての仕事の比率が高くなっています。


Q5. 今のお仕事に就くために、どのようなことを学びましたか?

私はオペラシティ(*1)のアートギャラリーというところで初めてアートナビゲーターのボランティアに採用され、その後、森美術館(*2)でもボランティアをさせていただいたのですが、その2つの場所で受けた研修の内容が素晴らしかったんです。海外の最先端のメソッドが生かされていて、今でもそこで教えていただいたことが礎になっていると思います。その研修時のファイルは、今も度々読み返します。

*1 オペラシティ:新宿にある、オフィス・コンサートホール・美術館・レストラン・ショップからなる複合施設
*2 森美術館:東京都港区の六本木ヒルズ森タワー内にある美術館施設


Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?

高校時代はバンド活動に打ち込んでいました。ジャンルはロックやジャズ・ボサノバで、特にボサノバなどは今でも大好きなのですが、プロになることは考えてはいませんでした。放送局に勤めたいという気持ちが高校時代からありましたが、結局その夢は叶わず、その後何をしようかと悩んでいる時期にアルバイト先として選んだのが都立美術館だったんです。 それを考えると当時から美術に関わりたいという気持ちはあったのかもしれません。

好きなことを諦めず続けることで、将来必ず仕事に生かされる

Q7. どういう人がアートナビゲーターに向いていると思いますか?

いろいろな人に向けて解説を行う仕事なので、人が好きで、またコミュニケーションを取ることが好きな人です。私の場合、まず人前で喋ることが好きで、そのうえで好きな分野であり自分も学び続けられるということで、アートナビゲーターという仕事を続けたいと思っています。


Q8. 最後に、高校生に向けたメッセージをお願いします。

小さい頃から続けてきた一つの分野で活躍を続ける人も素晴らしいと思うのですが、 私としては高校生の皆さんには、できるだけ特定の分野にこだわらず、広くいろんなことを知ってほしいと思います。もしこの先挫折してしまうことがあっても、まだ他に道があると思えるしなやかさを身に付けるためには、10代のうちにいろいろなことを経験しておくことが大事です。

それから、好きなことと仕事は別だと思い込んで若いうちに好きなことを諦めてしまう人も多い世の中ですが、好きなことは諦めず続けてください。すぐにではなくても、将来必ず、続けてきたことが仕事に生かされると思える時が来ますから。



ファッション業界での仕事に長く携わったあと大学で学び直し、ボランティアから始めたアートナビゲーターを仕事に選んだ中村さん。お仕事のやりがいを「楽しかった!と言ってもらえることが一番のご褒美」と語る中村さんは本当にうれしそうで、ご自身も好きなアートの魅力を伝えることに心からやりがいを感じているのが伝わりました。将来を考える上で好きなことを続けるか悩んだ時には、今回の中村さんの言葉を思い出してみましょう。


【profile】株式会社中村デザインスタジオ 代表取締役 アール・ナビ事業部代表 中村宏美
中村デザインスタジオのHPはこちら

この記事のテーマ
デザイン・芸術・写真」を解説

デザインは、本や雑誌、広告など印刷物のデザイン、雑貨、玩具、パッケージなどの商品デザイン、伝統工芸や日用品などの装飾デザインといった分野があり、学校では専門知識や道具、機器を使いこなす技術を学びます。アートや写真を仕事にする場合、学校で基礎的な知識や技術を身につけ、学外での実践を通して経験やセンスを磨きます。

「デザイン・芸術・写真」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「アートナビゲーター」
はこんな仕事です

美術史や美術作品などに関する幅広い知識を生かし、美術の魅力や楽しみ方を一般に広く伝えるのが、アートナビゲーターの役割。アートナビゲーターになるための知識を学ぶ以外に、民間団体が実施する資格「美術検定1級」に合格する必要がある。合格後、アートナビゲーターの称号を得た多くの人は、アートイベントのサポーター、ギャラリーガイド、美術館の関連機関スタッフとして活動している。この職種は、美術作品と鑑賞者との橋渡し役を担うもので、素晴らしいアートの世界へ人々を導く案内人といえる。

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