【シゴトを知ろう】アートナビゲーター 〜番外編〜

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【シゴトを知ろう】アートナビゲーター 〜番外編〜

2017.06.19

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】アートナビゲーター 〜番外編〜

美術館でのガイドや講座での解説を行う“アートナビゲーター”として、日々さまざまなアート作品の魅力を伝えている中村宏美さん。今回は「【シゴトを知ろう】アートナビゲーター 編」に続く番外編として、中村さんが解説・資料作成の際にこだわっていること・お仕事における座右の銘やアートナビゲーターを目指す人へのメッセージまで、さらに深い内容を伺いました。

この記事をまとめると

  • じっくりと取り組み、年齢に関係なくできる仕事
  • 美術館の資料や解説にない視点から伝えることを重視
  • ボランティアで活動する人が多く、これから職業として確立してほしい

どのような場でも「絵をもっと楽しむためのお手伝いをする」ことを意識

――中村さんは以前ファッション関係のお仕事を主にされていたとのことですが、アートナビゲーターのお仕事との違いはありますか?

私がアートナビゲーターの仕事を本格的にしていこうと考えた理由の一つが、年齢に関係なくできる仕事であるということです。アートナビゲーターは講座の時間は立っていますが、机に座って本を読んだり資料をまとめたりする時間が長いので、体力面で無理をしなければならない点はほとんどありません。ファッションの仕事では、海外出張時の長いフライトなどが年を重ねるにつれ大変に感じるようになりました。またファッションは半年に一度大きく切り替わり、業界全体の流れが早いので、それが魅力でもあり忙しい部分でもあります。

アートナビゲーターの仕事では流行に振り回されるようなことはないので、落ち着いてじっくりと取り組むことができていると思います。


――中村さんはアートナビゲーターとして複数の講座を掛け持ちされ、講座によって内容が大きく変わるとのことですが、少し詳しく伺えますか?

例えば生涯学習センターで行っている講座ですと、高齢の受講者が多く、アートに触れること自体を楽しみに来てくださいます。そのため専門的なことを話しすぎるよりは、たくさんの絵を見て楽しんでいただくことに重点を置いて講座の内容を考えています。一方で平日夜に行う講座では、仕事に美術の知識を生かしたくて来ている会社員の方も多いので、アカデミックな内容を多く盛り込んで話すようにしています。

最近は大学の講師として呼んでいただく機会も多いので、その場合は内容を学生が興味を持ちやすいものにすることに加え、学校の先生みたいに振る舞わなくてはならなかったり……(笑)。
講座ごとに求められる内容や最適な内容は異なりますが、どのような場であっても「絵をもっと楽しむためのお手伝いをする」ということを意識しています。

話題になるような海外作品の展覧会はもちろん、美術館に常設してある国内の作品にも素晴らしいものがたくさんあるのに、せっかく観に行ってもその良さがよく分からないというのはもったいないこと。解説を聞いてくださった方に「楽しい」「面白い」と思っていただけるような講座ができるように心掛けています。


――受講者の方々に楽しんでもらうために、特にこだわっていることはありますか?

まず、美術館のスタッフの方とは違った視点からの資料作成・解説をすることです。美術館の方々は作品に精通している方ばかりですが、美術館で配布される資料には書かれないような裏話など、外の人間だからこそ伝えられることもあると思っています。資料を読んだだけでも来て良かったと思ってほしいので、そうしたいろいろな裏話などもたっぷりと盛り込み、毎回の講座の資料準備には20時間はかけます。講座のスタッフたちには「そこまでしなくても十分」なんて言われたりもするのですが……せっかく来てくださった方の何か役に立ちたいので。

そして当日の解説にしても、ヘッドフォンで音声ガイダンスを聞くより生の声の方が分かりやすく面白いと思っていただきたいので、聞いてくださっている方々が今自分の話にどのくらい興味を持ってくれているかをくみ取りながら、臨機応変に話すようにしています。

アートナビゲーターは国内にはまだ少ない、これからの職業

――アートナビゲーターという職業について、なじみがない人もいると思うのですが、中村さんのような形でお仕事をされている方は多いのでしょうか?

アメリカやヨーロッパなどではアートナビゲーターを仕事にしている人はたくさんいるのですが、日本ではまだ仕事としてはこれからという職種だと思います。アートナビゲーターの資格を取得すると、美術館から「ボランティアで解説をしませんか」という案内が来るようになるので、実際にボランティアで活動されている人は全国にいます。ただ、それを仕事としている人になると、まだまだ少ないという状況です。この記事を読む高校生の皆さんが大人になる頃には、アートナビゲーターがもう少し仕事として確立していれば良いなと思います。

「仕事とは人の役に立つこと」、どんな職業でも蓄積することが大事

――お仕事をされる中での座右の銘、好きな言葉はありますか?

「仕事とは人の役に立つこと」。私はよく“仕事とは何なのか”ということを考えていますが、今は“自分の得意なことを他の人の代わりにすること”だと思っています。自分の得意なことで人の役に立てたらうれしいですよね。今の仕事でそれができているので、幸せだなと感じます。


――最後に、アートナビゲーターの仕事を目指す高校生へのメッセージをお願いします。

とにかく美術館にたくさん行って、良い作品の実物を観てください。好きな画家に詳しくなるのも大事ですが、西洋も東洋も建築も、知らないからこそ観に行くというスタンスを持ちましょう。そして、作品を説明する言葉の引き出しをつくりましょう。どんな職業でも蓄積することは大切です。



アートナビゲーターという仕事を通して、得意なことで人の役に立てるのがうれしいと教えてくださった中村さん。美術館に行くだけでは知ることのできないアートの楽しみ方を伝える情熱も、お話から伝わってきますね。将来の夢が分からないという人も、まずは自分の得意なことや人に喜ばれることを考えてみると、何か発見があるのではないでしょうか。アートナビゲーターに興味がある人は、中村さんのWebサイトでもいろいろな情報を知ることができますよ。


【profile】株式会社中村デザインスタジオ 代表取締役 アール・ナビ事業部代表 中村宏美
中村デザインスタジオのHPはこちら

この記事のテーマ
デザイン・芸術・写真」を解説

デザインは、本や雑誌、広告など印刷物のデザイン、雑貨、玩具、パッケージなどの商品デザイン、伝統工芸や日用品などの装飾デザインといった分野があり、学校では専門知識や道具、機器を使いこなす技術を学びます。アートや写真を仕事にする場合、学校で基礎的な知識や技術を身につけ、学外での実践を通して経験やセンスを磨きます。

「デザイン・芸術・写真」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「アートナビゲーター」
はこんな仕事です

美術史や美術作品などに関する幅広い知識を生かし、美術の魅力や楽しみ方を一般に広く伝えるのが、アートナビゲーターの役割。アートナビゲーターになるための知識を学ぶ以外に、民間団体が実施する資格「美術検定1級」に合格する必要がある。合格後、アートナビゲーターの称号を得た多くの人は、アートイベントのサポーター、ギャラリーガイド、美術館の関連機関スタッフとして活動している。この職種は、美術作品と鑑賞者との橋渡し役を担うもので、素晴らしいアートの世界へ人々を導く案内人といえる。

「アートナビゲーター」について詳しく見る