【シゴトを知ろう】診療情報管理士 ~番外編~
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診療情報管理士は患者様のカルテ情報を正しく管理し、データを分析して病院の経営改善に力を発揮することもあります。診断名を国際疾病分類(ICD)コードを用いてコーディングしており、そういった勉強も欠かせないそうです。診療情報管理士のMさんにその辺りのお話を詳しく伺いました。
この記事をまとめると
- 国際的に定められた疾病分類の知識が必要
- 医師や看護師とのやり取りも多い仕事
- データ分析や資料作成など能力次第で仕事の領域を広げられる
診療情報管理士の資格の取得は必須
――診療情報管理士として働くために必要なスキルや学びにはどんなことがありますか?
まず診療情報管理士の資格は必須です。必ずしも学校に通う必要はなく、働きながら通信教育で取る人もいます。医学知識の基礎があることも大事です。私は短大で医療事務のコースも取っていたのでその際に学びました。あとはパソコンを扱うスキルが必要ですね。
――日々知識をアップデートしていく必要もあるのでしょうか?
国際疾病分類(ICD)という診断名をアルファベットと数字で分類した基準があります。カルテのデータを提出する際は診断名をそのコードに置き換えるのですが、週末にコーディング勉強会や医学知識を学べる診療情報管理士の研修会が開かれることがあり、なるべく参加するようにしています。そういう場では直接医師からの話を聞くことができたり、普段の業務のアドバイスを得られることもあります。
――診療情報管理士の男女比は?
研修会などで集まる人を見ると女性の割合が多いですね。全国の学会に参加すると男性も多くいるようです。
ブランクや引っ越しがあっても続けられる仕事
――就活はどのように進めたのでしょうか?
初めはインターネットで探したのですが、県内の診療情報管理士の求人は1件しか見つからず、随分少ないんだなと思いました。今の職場の求人情報は学校から紹介してもらいました。全国的に見れば求人の多い仕事だとは思いますが、欠員が出たら募集するという職種なので、地方によってはタイミングを待たないといけない場合もあるかもしれません。
――最初の職場を見つけるのは大変かもしれませんが、結婚や出産などでブランクができても続けられる安定した仕事なのではないでしょうか
そうですね。私も資格取得を目指したのはその理由もあります。ブランクがあったり、引っ越しなどで他に移っても、それまでの経験を生かせる仕事です。
――診療情報管理士は今後需要が高まるお仕事なのでしょうか
病院経営にデータ分析を取り入れることもありますので、診療情報管理士の中でも経営分析を強みにできる人はどんどんキャリアアップしていけると思います。そのためにはデータを読み取る力や、パソコンのスキル、グラフ化など資料作りのスキルも求められます。私はまだ日々の業務をこなすことで精一杯ですが、能力次第でもっと仕事の領域を広げていけるだろうなと思っています。
――今後チャレンジしたいことは?
まだまだ上司に頼り切っていること業務も多いので、どんどん吸収できるように自分自身もしっかりしていかなければと日々思っています。
診療情報を正しく管理して国の医療の質を高めることに貢献するだけでなく、データ分析力を生かして病院の経営改善にも貢献できる診療情報管理士の仕事。今後ますます需要が高まると見られています。病院の事務の仕事に興味のある方は、医療事務の資格と併せて注目しておくと良いのではないでしょうか。
【profile】金沢西病院 診療情報管理士 Mさん
http://www.knh.or.jp/
この記事のテーマ
「医療・歯科・看護・リハビリ」を解説
医師とともにチーム医療の一員として、高度な知識と技術をもって患者に医療技術を施すスペシャリストを育成します。医療の高度化に伴い、呼吸器、透析装置、放射線治療などの医療・検査機器の技師が現場で不可欠になってきました。専門的な技術や資格を要する職業のため、授業では基礎知識から医療現場での実践能力にいたるまで、段階的に学びます。
この記事で取り上げた
「診療情報管理士」
はこんな仕事です
病院でカルテや検査記録などを保存・管理する職業。医療施設の事務員として勤務。診療情報管理士の仕事は、医師が記入したカルテなどに間違いがないかをチェックし、ミスなどがあれば医師などに訂正を依頼する。診療記録の病名は、国際疾病分類に基づく数字コードに書き換え、データベース化を進め、必要に応じて情報を検索して提供。また、患者数の増減や患者動向などを把握する仕事であるため、経営面でも活用されている。経営が困難な病院も少なくない状況において、診療情報管理士の需要は拡大している。
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